俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

5月16日(月)

2011-05-16 05:17:06 | Weblog
 横浜動物園
★真鶴に夏来し水辺用意され  正子

○今日の俳句
若葉光手つなぎ歩くいとこ達/祝恵子
若葉の輝く季節、小学生ぐらいのいとこ達であろうか、集まって、行楽にでかけるのであろう。「手つなぎ歩く」には、兄弟姉妹だけよりも、広がりのある身内のたのしさが、若葉の季節を得て、かろやかに詠まれた。(高橋正子)

◇生活する花たち「睡蓮・睡蓮・黄菖蒲」(横浜市都筑区山田富士公園)
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5月15日(日)

2011-05-15 05:15:50 | Weblog
★竹藪にあまりに明るししゃがの花  正子

○今日の俳句
田植時野を貫ける水の音/柳原美知子
田植時は、野が水浸しになるほど、田に水が張られる。田へ急ぐ水は、「野を貫く」勢いをもって音を立てる。日本のよい風景である。(高橋正子)

○昨日のアクセス数は、ランク入りしました。お訪ねいただき、ありがとうございます。
2011.05.14(土) 746 PV 205 IP 7600 位 / 1580781ブログ

◇生活する花たち「石楠花・定家かずら・かたばみ」(横浜日吉本町)
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5月14日(土)

2011-05-14 15:53:03 | Weblog
★竹皮を脱ぐ孟宗の節短し  正子

○今日の俳句
抜きんでて空わがものに今年竹/黒谷光子
竹の生長は驚くほど。一夜にして空に抜きん出て、若緑の葉を空にそよがす。空をわがもとして。

○花冠ツイッター句会(花冠7月号後記より)
★花冠のもっとも新しい動きは、ツイッター句会を始めたことです。ツイッターが日本で注目されたのは、このたびの東日本大震災で、ツイッターを利用した情報伝達によって、家族や知人など広く必要な情報が伝播していったことがあげられます。ツイッターには、信之先生も、私も一年以上まえに登録をしていたものの、俳句にはツイッターは向かないのではということで使わずにおりました。ツイッターのシステムの進化が、高齢者に扱い易いという点で、信之先生が句会に利用することを決断されました。句会の方法は、信之先生が考えられて、ツイッター句会が始められたわけです。長らく親しんだブログ句会にとって変わりました。
★「新しい酒は新しい皮袋に」という教えが聖書にありますように、新しい内容(俳句)は、新しい入れ物(ツイッターのシステム)が必要でしょう。
★このたびの東日本大震災や原発事故も天災だけとは言えないでしょう。人間も含めた自然の本質を求めてゆかなければならないと思います。今すべきことは、内容を新しく、伝統をよく思い起こすことでしょう。自然の豊かな日本は、自然に親しみ、また恐れをもって暮らしに抱き込んで、おりました。西洋人の、自然は克服するものという考えとは、違っております。自然の造化に従うということがよくわかるのが、川本臥風先生の俳句と思えます。今月号の表紙裏は、臥風先生の句の鑑賞です。皆様もご自分の鑑賞をなさってください。(正子)

○川本臥風鑑賞
鮎匂い鮎の山河を恋いわたる    川本臥風
鮎は生まれた川の水の匂いをたどって上ってくるという。その生態をあますところなく十七字にまとめた臥風先生の代表句。豊かな水と緑したたる山河は日本の夏のいよいよの始まり。(高橋正子)

○パウル・クレーと小杉放菴
 私の(あるいは家族の)大切にしている家具に、食器棚と本棚がある。食器棚もスライド式本棚も本当の木でできて、はまっているガラスは、面取りしてある。食器棚は狭い家には大きめだが、引越しで物を減らすときも、処分しないで付いてきている。これから書こうとしているのは、食器棚と本棚のガラスの裏側から差し込んでながめている絵葉書のことである。
 二,三年前になるが、川崎歴史博物館だったと思うが、そこを訪ねて売店で何気なく買ったパウル・クレーの「ニーゼン山(Der Niesen)」の絵葉書と、出光美術館を訪ねた時に、見ていると愉快になって買った小杉放菴の「金時遊行」の二枚の絵葉書。これを、(ゴッホや白秋の絵もあるが)ガラス戸にはめている。「金時遊行」は、裸の金時ではなく、大きな絞り柄の赤っぽい着物と、チャコールグレイというといいのか、そういうズボンをはき、左手に鉞を持って、右手と、左足を跳ねあげ、くりくりと肥えて、四、五年生の元気いっぱいの男の子の表情をしている。昭和十二年ごろ書かれたもののようだが、大変気にいっている。パウル・クレーの「ニーゼン山」は、スイスのベルンの家の窓から見えるニーゼン山を、抽象的に青い三角形に描き、町並みはあかるく、諧調のある色彩で、四角、四角を積み重ねて、一本の木は枝を、空には、月と星を描いている。抽象画にしては、叙情的、詩的、諧調的で、これも気に入っている。クレーはベルンに生まれたから、いわば故郷の山を書いたわけであろう。二,三年も見続けていると、青い三角形の大きな山に存在感とともに懐かしさを感じるようになった。
 「金時遊行」のほうを進んで買ったせいもあって、三月十一日の東日本大震災が起こるまでは、放菴に軍配をあげていたが、震災のさわぎで、クレーのニーゼン山のほうがよくなった。抽象的なものがよくなったのかどうかはわからないが。そういう気持ちでいた、数日後、日経新聞で、パウル・クレーの絵の特集が三回あった。偶然の重なりとは言え驚いた。今の日本人がクレーを見たがる気分になっているのかとも思えるが、そのことは、よくわからない。

◇生活する花たち「えごの花・ニワセキショウ・アヤメ」(横浜日吉本町)
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5月13日(金)

2011-05-13 15:52:08 | Weblog
★豆の花宙に雀が鳴いており  正子

○今日の俳句
蒲公英の絮白々と朝の野に/古田敬二
「朝の野」の少し冷たく覚めきらない野に「蒲公英の絮」の球形がいくつもある様がよい。(高橋正子)
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5月12日(木)

2011-05-12 09:46:21 | 花冠投句
 明治神宮
★新緑の枝差し交わす神の杜  正子
瑞々しい新緑の枝が交差し、風に揺れ、サヤサヤと葉ずれの音がして、初夏の清々しい光景に心が洗われます。(井上治代)

○今日の俳句
鳴き交わし夏鳥高き青空へ/井上治代
夏鳥の弾けるような鳴き声が楽しげだ。高く眩しい青空へ飛びゆく姿も生命の楽しさそのものだ。(高橋正子)

○花冠H237月号投句
花楓
高橋正子
花楓枝平らかにみな浮かび
あおられてまたあおられて花楓
 四季の森公園四句
水音に蛙の声の増えにけり
谷あいに蛙の声のよく弾み
菖蒲の芽いまようやくに陽がさして
翡翠を待てる杭なり若葉風
山若葉あらしとなって吾を吹けり
おおるりのラジオに鳴きて朝始む
さくらんぼ曇りたる日もつやつやと
日のかげを花にうずまき白薔薇

俳句メモ
四十雀飛びつつ鳴けり街の空
矢車草丘より見ゆる小さき街
ラベンダーはレースのようにみどりの日
なでしこの咲き満ちており黄金週間
憲法記念日ラベンダーを摘み束ね
苺いま白いみどりの実にふくらむ
雀の色みどりの色もあるレタス
まだ青き苺が苺のかたちなる
みつばちの影が生まれて陽が高し
 ミニ薔薇・テディベア
玄関に香り充たしてバラ二輪

◇生活する花たち「山ぼうし・はこねうつぎ・デージー」(横浜日吉本町)

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5月11日(水)

2011-05-11 09:45:12 | Weblog
★ビルの窓全てで五月の空なせり  正子
立ち並ぶ四角いビルの窓全てが五月晴れの青い空、白い雲をそのまま映し出している。もう一つの五月の空が出現し清々しい感動がそこに生まれたのである。(佃 康水)

○今日の俳句
 広島縮景園
茶摘女や手にさ緑の陽を返す/佃 康水
薫風の季節を迎え、茶摘みが始まる。茶葉を摘む女性のしなやかな手元から、きらきらと陽光がこぼれるように、茶葉が光る。「さ緑の陽」といい、季節の麗しさが詠まれた。(高橋正子)


◇生活する花たち「もっこうばら・花水木・花水木」(横浜日吉本町)
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5月10日(火)

2011-05-10 09:38:49 | Weblog
★野ばら咲く愛のはじめのそのように  正子
野にあって、人知れず芳しく咲く野ばら。ちょうど愛のはじまりのように、明るく、ひそやかに咲く野ばらに、しっとりとした味わいを感じます。(小川和子)

○今日の俳句
沢音の高まり青葉に分け入りぬ/小川和子
沢の音が高まって、その先の沢の流れは、青葉の下を潜ることになる。青葉の中へと分けて入る。茂る青葉と豊かな水が、日本の季節をよく知らせている。(高橋正子)

◇生活する花たち「あやめ・かきつばた・山吹」(東京・椿山荘)

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5月9日(月)

2011-05-09 09:37:00 | Weblog
★初夏の夜の電車傾きつつ曲がる  正子

○今日の俳句
真っ青な五月の空の飛行雲/高橋秀之
すっきりとして、なにもない良さ。「五月の空」と言って、それ以上言わないことで、実在感が生じた。青と白のさわやかさは五月である。(高橋正子)

◇生活する花たち「竹としゃがの花」(東京・関口芭蕉庵)


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5月8日(日)

2011-05-08 09:35:53 | Weblog
★新緑の翳るときあり水があり  正子

○今日の俳句
幾たびも来ては飛び去る夏の蝶/平田 弘
夏になると、蝶さえも活発な動きを見せるようになる。今しがた蝶が来たかと思うと、また来ている。初夏の日差しのなかにきらめく蝶の動きが印象に残る。(高橋正子)

◇生活する花たち「野いばら・黄菖蒲・睡蓮」(横浜港北区北山田)
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5月7日(土)

2011-05-07 09:33:55 | Weblog
★白ばらの空気を巻いていて崩る  正子

○今日の俳句
高々と牛舎の空へ鯉幟/渋谷洋介
鯉幟は、男の子の成長を願って立てられるものだが、牛舎のある家にも男の子が誕生したのだ。のどかな風景に、力強く、高々と泳ぐ鯉幟に健やかな成長を願う気持がいっぱい。(高橋正子)

◇生活する花たち「つつじ・藤・パンジー」(横浜日吉本町)

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5月6日(金)/立夏

2011-05-06 09:31:25 | Weblog
★葉桜の蔭は家居のごと安し  正子

○今日の俳句
ゆさゆさと百の牡丹も風のまま/黒谷光子
風が来て、百ほどの牡丹の花を揺らす。大きく富貴な花が、花の重みをもって揺れると「ゆさゆさ」となる。「ゆさゆさ」「風のまま」は、牡丹をより自然に捉えている。(高橋正子)

◇生活する花たち「つつじ・パンジー・藤」(横浜日吉本町)

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5月5日(木)

2011-05-05 07:34:22 | Weblog
★春の塩ぱらぱら振れば菜はみどり  正子  
自解:台所は、家のなかでも冷えている。台所に立ち漬物用の菜に塩を振ると、塩は塩壺の中でで少し湿りを帯びて、掴んで降れば、霰のように菜にかかる。春愁に近い気分。

○今日の俳句
青竹を立てて泳がす鯉幟/河野啓一
青竹に泳ぐ鯉幟が風にさわやかで、男子の健やかな成長を願う気持ちをよく伝えている。(高橋正子)

◇生活する花たち「薔薇・ドウダンツツジ・つばな」(横浜日吉本町)

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5月4日(水)

2011-05-04 06:32:36 | Weblog
★スイートピー眠くなるほど束にする  正子

○今日の俳句
しゃぼん玉垣根越えゆき風となる/祝恵子
しゃぼん玉は吹かれていって消えるものであるが、消えるのではなく、姿の見えない風となったのである。風となって風と一緒に吹かれてゆく。しゃぼん玉は風となって命を新しくしたのである。(高橋正子)

◇生活する花たち「さつき・キンレンカ・白山吹」(横浜日吉本町)

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5月3日(火)/憲法記念日

2011-05-03 06:31:12 | Weblog
★森奥のたんぽぽ大方は絮に  正子

○今日の俳句
降り初めの雨粒まるし柿若葉/小口泰與
柿若葉のころは、急に空が曇って降り出すことがある。降り始めた雨粒がまるく、やわらかく、柿若葉にあたる。柿若葉の緑がありありと見える。(高橋正子)

○花冠ツイッター句会
おとといの5月1日から、ツイッター句会を開始。句会は、もともと実際に人が集まり、座の文学として、ずっと行われてきて、今も継続されている。単に句会と言えばそれを指す。俳句雑誌「花冠」は、1983年に創刊し、インターネットが一般に普及しはじめたのが、1995年。その翌年1996年、花冠のウェブサイト「インターネット俳句センター」を開設。翌1997年からは、ネット上での句会をBBS(掲示板)で始め、その後、ブログ句会を立ち上げ、今年の5月1日からは、ツイッター句会を開始した。句会の管理運営は、信之先生が担当。ツイッターによる俳句は、1年以上前から取り組んでいたが、ツイッター句会開始の時がきた。

◇インターネット俳句センター:
http://suien.ne.jp/haiku/
◇ブログ句会:
http://blog.goo.ne.jp/kakan17/
◇ツイッター句会の入賞句(今日の秀句):
http://twilog.org/kakan_syuku
◇デイリ-俳句花冠/ツイッター新聞:
http://paper.li/HaikuKakan

◇生活する花たち「藤・花水木・シャガの花」(横浜市緑区中山)

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5月2日(月)/八十八夜

2011-05-02 08:33:00 | Weblog
★八十八夜のポプラに雀鳴きあそぶ  正子
自句自解:松山では、居間の窓から年中ポプラのそよぐのが見られた。今はやわらかな緑がしずかに音を立てて、風の様子を見せてくれている。いい天気の昼下がり、鳴き始めた雀は、いつまでたっても鳴きやまない。一人遊びをしているように、夏の近づく日差しを楽しんでいた。

○今日の俳句
子が発ちし八十八夜の月明り/藤田洋子
「八十八夜の月明かり」の美しい抒情に、旅立つ子を送り出す母の一抹の寂しさが添えて詠まれた。(高橋正子)

◇生活する花たち「藤①・藤②・シャガの花」(横浜市緑区中山)

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