俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

12月18日(日)

2016-12-18 03:03:15 | 日記
★青空の光りを弾き辛夷花芽/高橋正子

○今日の俳句
石蕗の花はや日輪の傾きぬ/多田有花
句の姿が整っている。暮れ急ぐ日にしずかに灯る石蕗の黄色い花が印象に残る。(高橋正子)

○冬椿

[冬椿/横浜西綱島]

★火のけなき家つんとして冬椿/小林一茶
★海の日に少し焦げたる冬椿/高浜虚子
★鶴とほく翔けて返らず冬椿/水原秋桜子
★まだ明日の逢はむ日のこる冬椿/中村汀女

★冬椿蕾ゆるきは肥後らしき/高橋正子
★誰からも見えぬ方向き冬椿/高橋正子
★冬椿鉄条網を隠しあり/高橋正子
★冬椿小さき白には青空を/高橋正子

 冬に咲く早咲きのツバキ。寒椿(かんつばき)。[季]冬。
 椿は、花が美しく利用価値も高いので万葉集の頃からよく知られたが、特に近世に茶花として好まれ多くの園芸品種が作られた。美術や音楽の作品にもしばしば取り上げられている。18世紀にイエズス会の助修士で植物学に造詣の深かったゲオルク・ジョセフ・カメルはフィリピンでこの花の種を入手してヨーロッパに紹介した。その後有名なカール・フォン・リンネがこのカメルにちなんで、椿にカメルという名前をつけた。19世紀には園芸植物として流行し、『椿姫』(アレクサンドル・デュマ・フィスの小説、またそれを原作とするジュゼッペ・ヴェルディのオペラ)にも主人公の好きな花として登場する。和名の「つばき」は、厚葉樹(あつばき)、または艶葉樹(つやばき)が訛った物とされている。「椿」の字の音読みは「チン」で、椿山荘などの固有名詞に使われたりする。なお「椿」はツバキとは無関係のセンダン科の植物チャンチン(香椿)の意味で使われることもある。
 ツバキの花は花弁が個々に散るのではなく、多くは花弁が基部でつながっていて萼を残して丸ごと落ちる。それが首が落ちる様子を連想させるために入院している人間などのお見舞いに持っていくことはタブーとされている。この様は古来より落椿とも表現され、俳句においては春の季語である。なお「五色八重散椿」のように、ヤブツバキ系でありながら花弁がばらばらに散る園芸品種もある。


◇生活する花たち「椿・野葡萄・くこ」(横浜市都筑区東山田)
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