俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

11月3日(木)

2011-11-03 05:42:42 | Weblog
★霧に育ち大根くゆりと葉を反らす  正子
大根が美味しいのは何といっても寒い時期です。霧の出る日が多い今の季節に土の中では大根が日々育っていることでしょう。地上では日ごとに色を深める葉が重なり合うほどの勢いです。「くゆりと葉を反らす」に鋭い観察眼とやさしい眼差しを感じました。(後藤あゆみ)

○今日の俳句
底抜けに明るい空よ鵯(ひよ)が鳴く/後藤あゆみ
「底抜けに明るい」とそこまで言ってしまう心境。抑えたものをふっ切る気持ちがそう言わせるのだろう。青空に筒抜ける鵯の声に気持ちが託されている。

○山茶花
山茶花が咲き始めると、もう、冬が近いんだぞと思う。冬物の服を早めに出したり、炬燵は、ストーブは、と冬支度が始まる。焚火の煙がうすうすと上って匂ってきたりすると、暖かいところが恋しくなる。椿と山茶花の違いはとよく効かれるが、山茶花は花弁が一枚一枚分かれて、咲き終わると散る。赤や白だけでなく、ほんのりピンクがかったものから、また八重のものまでいろんな花があるようだ。椿ほど改まってなくて、親しみやすい花だ。山茶花の垣根からいい匂いがこぼれると、そこを通るのがうれしい。

◇生活する花たち「りんごの花・山茶花・柚子」(横浜・四季の森公園)

コメント (1)
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