SaltyDog

               by kaji

ヨーロッパ旅行記(17)

2006-02-08 | ヨーロッパ旅行記
 彼はまずお金がないのでこれからお金をおろしに行くと言うので一緒について行くと、そこは英国大使館だった。イギリスのシステムがどのようになっているのかよくわからないが、いくらかの金を受け取っていたことは確かだ。 それから町へ買い物に行こうと誘われ、彼がまず入ったのは豆とか米(たぶん米だったと思う)などを売っている店。彼はイギリス人なのに、英語は全く話せませんといった顔つきで、店員と身振り手振りで会話をしていた。店員からおもむろに紙袋を受け取り、豆とか米とかをごちゃ混ぜに袋に放り込んだ。おそらく、豆100gいくらとかいうふうになっていたはずなのに、彼がごちゃ混ぜに袋に入れたものだから、店員も値段のつけようがない。さらに面倒くさい外国人だしって顔をして、彼が手にしていた物をそっくり無料でくれた。 そのあたりからちょっと彼は変だぞと気づきはじめていたが、まあおもしろいので僕も頭がおかしいふりをして、その後も彼に同行した。

 彼が次に訪れた場所は市場だった。築地の河岸を思わせるような、魚だとかなんだとかいっぱいあった。彼はまず、ウーゾというお酒を買い求めた。空き瓶を持参しての量り売りだ。ウーゾを買った後、市場の中を歩いていると突然八百屋の前で野菜の上にその酒瓶を落としてみせた。次の瞬間、彼は酒瓶を拾うのと同時に瓶の下にあった野菜ごと拾い上げてしまった。要するに「万引き」である。 それから、パルテノン神殿の下にあるちょっとした広場で、グリック音楽に合わせて踊り出したものだから、僕も一緒になって踊った。頭のおかしい二人の行動に周りの人の視線は決して優しくはなかったけど、二人は、いや少なくとも僕はとても楽しんだ。

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