あの日、私に何がそうさせたのか。
独り身で、身軽だったと言えばそういうことである。
およそ、募金だとか、ボランティアなんてことには無縁で、
むしろ遠ざけていた。
それは、金だけ出せば良い とか、あなたのために私が
何かしてあげましょう と言った考え方がイヤだったから。
本来、ボランティアっていうのは、私のためにあなたの何か
をさせてください。という意識から行動すべきものだと思う。
お金だって、ただ募金箱に入れるのではなくて、いつ、
どのように活用されるのか、それをわかった上で行いたい。
作業着と、ヘルメット、長靴など、とりあえずなくてはなら
ない物を取りそろえ、仙台行きの深夜バスに乗った。
あれから5年か。 熊本のことが心配である。 被災された
方々には大変申し訳ないのだが、熊本城が心配なのだ。
私のために、熊本城の復旧になにかしら手助けをさせてもらいたい。
このような事態になろうとは、清正公も予想だにしていなかった
であろう。かなうことなら、あの世から舞い戻り、修復の采配を
とっていただきたいものだ。
とりあえず、揺れよしずまれ。