それは、GWの最終日。 特に予定もなかったのだが、
最終日くらいどこかへ出かけようかなと考えてはみたものの、
人混みが煩わしかったことと、それほど行きたい場所が
なかった。
昼飯に、寿司を食べに出かけ、ついでに 新宿のハンズで
買い物をしようかなと電車に乗る。 ただ、まだ時間も
早いため、先にお茶の水の楽器店を覗いてみることに。
駅を降りて、楽器店をハシゴ。 下まで下り、反対側を
登って帰ってくるといういつものパターンを想定していた。
その折り返し地点の近くに、よく行く楽器店がある。
過去に、ウクレレを買ったり、中古のギターを買ったりした
こともある店だが、マーチンが並ぶコーナーで、なんとなく
楽器を見ていた。 試し弾きしたいとかいった考えも全く
なかったのだが、店員さんが、何か気になる物がありましたか?
と訊いてきた。
ちょうど、ちょっと変わったマーチンを眺めていた時だ。
新品なのだが、価格設定が明らかに安い。 かと言って
ミニギターではない。 「このギター、おもしろいですねぇ」
と言うと、2~3説明を加えてくれた。 「音だけでも
聴いてみますか?」との誘いに、時間もあったし、せっかく
なので、ちょっと弾かせてもらうことにした。
マーチンと言えば、ギターを始めて以来、ずっと憧れていた
ギターである。 ただやはり高価なのでこれまで手を出す
ことはなかった。
「いいギターでしょ、どうですか1本」と店員。
「いや~、こないだ、K.yairiを買ったばかりなんですよ」と私。
「下取りもできますよ」「ローンで購入でしたら、今なら
金利もかかりません」と。
「あ~、そうですかぁ~」
さらに店員は続ける。「この場で買っていただけるのなら、
端数は値引きさせてもらいます」 との常套句。
そんなやりとりの末、今こうして、私の部屋にやってきた。
踊る心と、ちょっぴりの後悔。 またやってしまったかという
学習能力のなさ。それでも、マーチンを見ると、ニヤっとして
しまう自分。
買ってしまった以上、マーチンの名を汚さないように練習を
するだけだ。 と、モチベーションをアップさせる。
購入後、この日の全ての計画を取りやめ、まっすぐに帰宅。
その足で、K.yairiとタカミネのギター2本を持ち、下取りして
もらうべく、再び楽器店へ。
10分ほど待たされたのち、査定結果が出た。
タカミネの方は、ピックアップが故障しているので、本来
買取対象にならないところだが、3000円付けましょう。
K.yairiの方は、相場的には15000円だが、20000円でいかが
でしょう と。
重たいギターを2本かかえて持ってきたので、査定に不満が
あっても、再び持ち帰ることは避けたかったので、合意。
2本で11万かかったのに、下取りで2万3千円とは。
ま、世の中そんなものかもしれない。
売却後の帰り、雨が降り出し、雷も鳴っていた。
売られたギターの怒りのようにも思えた。