SaltyDog

               by kaji

ホテルのイイワケ

2012-02-26 | にんまり(笑)
ホテルという施設は本来、宿泊することが主たる目的であり、決して
宿泊客を笑わせることが目的であったりしないはずだと考える。

しかし今回泊まった鹿児島のそれは、なんとも突っ込みどころ
満載で、大いに笑わせてくれた。

ことわっておくが、悪口を書こうということではない。あえて
ホテルの名は出さぬが、従業員の方々は皆良い方ばかりだったし、
総合的には満足している。

私の心をくすぐったアイテムのそれぞれに対して、ホテルオーナー
に成り代わってイイワケをさせてもらおうという企画。

まず、部屋の全体像はこんな感じである。





ではまず、洗濯機から。


<洗濯機>
当ホテルでは、旅で汚れた衣類などを、待ち時間なく洗って
いただけるように、各部屋に1台、洗濯機をご用意させていただいて
おります。ただし、乾燥機は高価でしたので、各フロアに1台、
共用通路に設置してございます。 たくさんの衣類が干せるよう、
大きめのハンガーもどうぞご利用ください。


<洗剤>
洗濯機ご利用のお客様へのサービスとしまして、洗剤を常備させて
いただきました。なお、お砂糖と間違わないように「洗剤」と
表示してございます。


<ミニキッチン>
あいにく鍋もやかんもございませんが、こんなキッチンでも
何かのお役に立つのかなとご用意させていただきました。お使いに
なる際は、フライパンなど売っているお店も紹介させていただきます。


<いす>
だいぶグラグラとしておりますが、おそらく壊れることはないかと
存じます。ただ、多少ご注意いただきながらお座りになられた方が
安全でございます。 ごゆっくりとおくつろぎください。


<テレビ>
一応ホテルなので、テレビくらい無くてはなぁ~ってことで、頑張って
液晶テレビを設置させていただきました。予算の都合で、台までは
そろえることができず、申し訳ございません。


<ハンガー>
クリーニング屋さんからのハンガーを従業員に持ち寄る様声をかけ
たら集まり過ぎてしまって・・・。 まぁ多いに越したことはない
でしょ。


<ウォシュレット>
ホテルですからねぇ~。ウォシュレットぐらい有った方がいいんじゃ
ないかと従業員が申しますもんで、設置してみましたが、電源の
ことまで考えてませんでしたので、こんなことになってます。多少
見栄えは悪いですが、ちゃんと使えますので。


<コンセント>
いやね、ユニットバスだから湿気が多くて、こないだコンセントから
火が出ちゃったもんですから、頭だけ切って付け替えたんですよ。
自分でやったもんだから、こんなになっちゃいましたけど、結構
難しいんですよこれ。


<壁紙>
正直、ちょっと剥がれてきてます。ただ、こんな具合に物を置いて
できるだけ気にならないようにやってますんで。 料金安いんだから
しかたないでしょ! ガマンしてください。


<エアコン>
だいぶ年期入ってきましたが、なんのなんの、まだまだ動きますよ。
昨年くらいからちょっと傾き始めたのが気になってますが、あとまだ
2~3年は頑張ってもらわないと。


<タンス>
隣のばあさまが捨てるって言うんで、もらってきまました。こんなの
捨てるなんてもったいないでしょ。 サイズも二つ並べてちょうど
よかったんですよ。


<LANケーブル>
工事の業者がね、付ける位置間違えてしまったんですよ。テーブル
の方にって言ったのに、こんなベッドの上なんてねぇ~。 だから
テーブルまで届くように長いケーブルにしておきました。便利でしょ。
今時インターネットくらいできないと、お客さん来ちゃくれません
からねぇ。


<電話>
どこのホテル行ったって、プッシュなんとかってやつでしょ。わたしゃ
あれ嫌いなんですよ。 電話ってのは、やっぱこういうのでなくっちゃ
お客さん、そうは思いやせんかい?

笑いの壺

2011-10-15 | にんまり(笑)
箸が転がってもおかしい年頃は、今は昔となってしまったが、
俗に言う「オヤジ」と呼ばれる年頃になった今も、たまに
「笑いの壺」に入ってしまうことがある。

先日の救命技能講習会の会場。 心臓を30回圧迫して、2回
人工呼吸。この繰り返しの訓練の際、ある男性が行うのを
見るでもなく、聞くでもなく、なんとなく感じていた。

心臓圧迫30回を数える時に、普通なら「1・2・3・4・・・・10、
2・2・3・4・・・・・、3・2・3・4・・・・」と数えるところ、
その男性、「1・2・3・4・・・・10、2・2・3・4・・・・・、
3・2・・・1・・・・ごにょごにょ・・・」と。 この時点で
私の笑いの壺は半開。 次どうするのかなと注視していると
「1・2・3・4・・・・10、2・2・3・4・・・・・、
3・2・・・1・・・4・・・5・6・・・」だと。 なんだよ
その適当な「4」は。笑いの壺全開である。

その後、講師の方の話を聞く際も、どうしても思い出してしまい
笑いをこらえるのにひと苦労。 笑いそうになって意味もなく
咳き込んでみせたり、大嫌いなヤツの顔を思い浮かべてみたり。
うまくごまかしたと思うが、不自然に震える私の肩を見逃さなかった
人もいたかもしれない。

でも、なんだよ。  私だけか?
他の人はどうしておかしくなかったの?

それにしても、気がかりなのは、あの男性、ちゃんと数えられる
ようになっただろうか。

誘導員のつぶやき

2011-08-23 | にんまり(笑)
いつものように駅からの道、自転車に乗って帰っていた。
工事車両が1台。 その手前に誘導員がひとり。

私が前を通過する、そのすれ違いざまに彼はボソッと言った。

「毛を着けてお通りください」と。

なんだと? あなた私にケンカ売ってるんですか?
どうせ私には毛がありませんけど 何か?

もちろんそんな言葉を発するわけもなく、ただ心の中で
そういったやりとりを想像し、独り笑いを浮かべていた
だけである。

「毛を着けて」などと言うはずもなく「気をつけて」と
言ったに違いないが、そんな当たり前のことを言われても
面白くもなんともない。 むしろ「毛を着けて」くらいの
こと言ってみろってんだ。

そうしたら私は何て返そう。 「あ、はい、明日は必ず」
とか、「さっき落としましてん、拾たら教えて」 とか?

どうでもいい話。

笑かすな! 小僧!

2009-10-20 | にんまり(笑)
ホントやばかった。 エレベーターの扉が開くのがあと3秒も遅
ければ、かなりやばい状態に陥っていたのではないだろうか。

あるスーパーのエレベーター前で、その到着を待っていた。
ほどなく扉が開き中へ。 閉めるボタンを押そうとしたとき、
数メートル向こうから、5歳くらいの男の子と、そのお母さんが
駆け寄ってきたので、開くボタンを押し招き入れた。

扉が閉まり、密室の中には、親子連れと私だけであった。
上昇しはじめたそのとき、「あのね、お母さん、あのね、え~とね、
・・・・お母さん、鼻の穴 大きいねぇ~」

なんちゅ~こと言うねん。 ここでお母さんの顔を見たら終わる。
必死でこらえる私。 それでもこみあげてくるものをなんとか
押し殺す。 微妙に肩がふるえているようにも思う。 壁面に
貼り付けてある掲示物を意味もなく読んでみたりして、なんとか
意識を他の方向へ振り向けようとする。

お母さんの捨て台詞「う~ん、大人だからねぇ~」と。 また
お母さんの顔を見そうになる。 ここで見てしまったら全ては
終わりだ。 5×3=15 とかわけのわからない計算をして
頭の中の意識を他の方向になんとかもっていく。

遅いんだ、このエレベーター。 早く目的の階に着きやがれ。
じっと目を閉じる。見たら終わり。じっと目を閉じる。
エスカレーターの扉が開くと同時に、子供が駆け出す。お母さんも
後を追う。 私は救われた。 極力人目を避けるようにして、
カッカッカ~と笑う。

お母さんの鼻の穴、ちょっと見たかった。

ペットボトル

2009-06-15 | にんまり(笑)
地下鉄東西線、いつものように私は座席に腰掛け、本を読んでいた。
大手町あたり、向かいの席の一番左に座っていた男性の足下に
飲み終わったペットボトルが転がっていた。 おそらくそれは、
ずっとその場所にあったものではなく、車内を転げ回って、私が
気が付いたときに、ちょうどその男性の足下にたまたまあったもの
だろう。男性もその存在に気づき、つま先でチョンとはねのけた。
しかしペットボトルもしつこく、再び男性の足下に。

男性は、巧みに右足でペットボトルを引き寄せ、今度は自分の座席
の下に潜り込ませ、キック。 ペットボトルは勢いよく座席の下を
突き進み、概ね反対側の端まで転がっていった。 こうなるともう
読書どころではない。 ペットボトルの行く末が気になる。

電車がブレーキをかけたそのとたん、ペットボトルは別の男性の
足に当たり、その向きを変え、こともあろうか私の方をめがけて
突き進んできた。 もしかすると、周囲の視線をあびているかも
しれない。 この次に私の取る行動を周囲が注視している気がする。

踏みつけるか? それとも蹴飛ばすか? 知らん顔するという手も
ある。 冷静に拾い上げ、涼しい顔でゴミ箱へ捨てるべく席を立つ
か? そこまで善人になる必要があるのか。 わずか数秒のうちに
私の頭の中は、まるで将棋の名人のようにいくつもの手を考えた。

蹴飛ばすという行為は、己に降りかかった問題を他人になすりつけ、
自らは何も無かったかのように振る舞う行為に等しい。踏みつける
という行為は、ある意味ターミネーターであり、他の人へ問題が
及ばないように、自らの手(足)で、終止符を打つ行為。ただ、
残骸の処理については、第三者の手にゆだねることになる。

知らん顔ってのは、どうも無気力・無感動・無関心などの三無主義
(なつかしい)を連想させ、東京で暮らすうちに病んでしまった
すさんだ心を路程しているかのようだ。
そうかといって、拾い上げ、降りたくもない駅で下車し、ゴミ箱へ
捨てるほど善人ではないし、偽善者的な視線を向けられかねない。

さて、そろそろ結論を出さなくてはならない距離にまで物体が接近
してきたそのとき、右側から歩いてきた男性の足が、まるで
パトリオットミサイル(迎撃ミサイル)のごとく当たり、その物体
は遙か遠くまでとばされ、その運命を別の人物にゆだねる結果と
なったのであった。

車中爆笑

2007-07-14 | にんまり(笑)
我慢はしていた。 がしかし 限界というものを考慮していなかった。
それは腹部の痙攣と肩の震えからはじまった。右手で口元を押さえ、
歯を食いしばった。 だが、次の一行を読み始めた瞬間、ついに爆発した。
「ブッ、ブーーーーッ」 後の声はなんとか押し殺したものの、
腹部は激しく痙攣し、肩はまるでサスペンションの堅い車でオフ
ロードを走行しているかのごとく震えた。

少し治まった時に周囲に目をやると、満面の笑みを浮かべている
私と対照的に、無数の冷ややかな視線が無表情とともに私に向け
られていた。 どのくらい面白かったのか、説明してあげたい思い
をこらえ、多少の羞恥心と理性が、平常心を取り戻した。 周囲は、
まるで何事もなかったかのように、新聞に目を戻し、携帯電話を
チェックし、居眠りを始めた。

東京っていいなぁ~。

浅田次郎さんのエッセイ集「勇気凛凛ルリの色」 危険な本である。