山歩き

どんな花が咲いてるでしょう、どんな山が見えるでしょう

早池峰山(早池峰の残雪多く花少々) 山の巻

2019-05-23 13:14:15 | 旅行

山の巻

この日は晴れていたが西の方には雲が出ており、秀麗な鳥海山の姿を見ることは出来ず辛うじて県内の山々が見え、東の方は太平洋の一部とほとんどの山を見渡すことが出来た。

 これは焼石岳(1547.9m)を主峰とする焼石連峰で、豊富な高山植物と素晴らしい紅葉で知られているが、2回しか登ったことがないのは70kmを超える登山口までの距離と歩行距離12kmが日帰りの限度なので二の足を踏んでいるため。

 

これは焼石連峰の南に位置する須川岳(1627.4m)で、宮城では栗駒山、秋田では大日岳と呼ばれるこの山は高山植物もさることながら、特に紅葉が美しいことから紅葉日本一の山と呼ばれている。

このような自称日本一は各地にあると思うのだが、比べようがないので各々が日本一と思ってかまわないと思う。

 

さらに北に位置する和賀岳(1440.0m)は焼石岳同様に標高が低い割には豊富な高山植物で知られているが、焼石岳をしのぐ登山口までの距離と歩行距離なので半ばあきらめている。

 

秋田駒ケ岳(1637.4m)から岩手山(2038.2m)と八幡平(1613.3m)までは残雪があるためになんとか確認できた。

 

雲の下に残雪の秋田駒ケ岳

中央の雲の下 うっすらと岩手山

岩手山 右に八幡平 

 

東側には残雪はなく山々また山の北上山地がどこまでも見えるなか、南にはツツジやシャクナゲで知られる五葉山(1341.3m)から北の姫神山(1123.8m)のほか、五葉山の南には室根山(895.4m)と氷上山(874.3m)も分かりやすい形から確認できたが、姫神山の北は良くわからなかった。

山頂避難小屋と薬師岳が見える南東側 中央の平らな部分が五葉山 さらにその右奥に氷上山と室根山があるはず

五葉山

 

薬師岳越しの室根山(手前の三角形) 右奥の三角形は宮城県の金華山かもしれない

 

姫神山

中央一番奥は宮古湾越しの月山(456m)と思われる。

 

そして中岳(1679m)から鶏頭山(1445.1m)の縦走コースと、右奥には毛無森(1427m)が見える、鶏頭山までは近いようにみえるが5.6kmコースタイム4時間40分と健脚者向けで、昨年の秋麓の登山口から鶏頭山を往復した時は中級コースとされているが厳しかった。

 

小田越登山口を挟んで南に対峙している薬師岳(1649.9m)は北上山地第二の高峰で、早池峰山が蛇紋岩で構成されているのに対して花崗岩であるため植物相は違うが、山頂付近の高山植物だけではなく珍しいヒカリゴケも見られるという。

小田越登山口から標高差410m歩行距離3kmなので健脚者は早池峰のついでに登るそうだが、いつか挑戦してみたいものである。

 

 

最後に早池峰山(1917m)だが、山体を構成している蛇紋岩がこれであり言われてみると蛇のように見える。

 

蛇紋岩は植物が育ちにくい成分を含むため、それに適応することができた氷河期の植物が生き残っていることから、固有種やそれに準ずる種が多いとされている。

ちなみに山体を蛇紋岩で構成されている山は、北海道の夕張岳、群馬県の至仏山と谷川岳と承知していたが、今回調べたら他にもあり行ったことのある北海道のアポイ岳と礼文島も含まれており、チコちゃんに叱らせそうである。

 また岩手山が妻の姫神山が物足りなくなって追い払い、心を奪われていた早池峰山を妻にしたという伝説があり、今でもこれら三つの山が同時に姿を現すことはめったになく、岩手山が現れると姫神山は雲の中に姿を隠し、姫神山がくっきり見える日は早池峰山が見えないと言われているが、今日は昨日より良い天気で自宅の近くから三山が良く見えた。

 小田越登山口より

山の巻 終わり 道の巻に続く

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早池峰山(早池峰の残雪多く花少々) 花の巻

2019-05-22 21:36:44 | 旅行

 今日5月22日に早池峰山に登ったが、帰宅後のビール&ワインでほろ酔い加減となりブログをまとめる状況にないのでとりあえず花のことだけとし、次回は登山道のこと・見えた山のことを書いてみたい。

 各種情報源によれば残雪多め花は少なめだったが、昨日の久しぶりの大雨と強風から一転今日からは晴天が続くとの予報と、開花したヒメコザクラに誘われたもの。

情報のとおり花が咲いていたのは5合目までで、明日からの好天と高温で開花が進むことを期待したい。

物の本によれば14種に10亜種あるサクラソウ属のうち、8種が北海道特産、本州の中部以北特産が1種、北海道と中部以北が2種、東北地方特産が3種と、サクラソウの仲間は特産種が非常に多いとある。

その中の一つが早池峰山のヒメコザクラであるが、同じように白い花を咲かせるヒナザクラと実によく似ておりその違いについてその本には記述なし、

ヒメコザクラ

 

別な物の本によれば、ヒメコザクラは花の大きさ8~10mmで草丈3~10cmぐらい、ヒナザクラの花の大きさは10~15mmで草丈10cmぐらいとあり、ヒメコザクラはヒナザクラより一回り小さいことが分かる。

また県内の生育場所については、ヒメコザクラは早池峰山の特産だったが大東町の蛇紋岩地帯からも発見されたとあり、ヒナザクラは八幡平、岩手山、秋田駒ケ岳、須川岳(栗駒山)など奥羽山地とあるので生育場所によって判断することになるのだろう。

昨年須川岳(栗駒山)や秋田駒ケ岳で撮影したヒナザクラと比較してみても大きさは比べようがないが、姿かたちに違いはあるのだろうか。

ヒナザクラ(須川岳)

ヒナザクラ(秋田駒ケ岳)

 

ヒメコザクラ

 並べると少し違うかな。

ヒメコザクラ以外に咲いていたのはミヤマキンバイだが、イワキンバイと言う酷似したものがあるようで、ミヤマキンバイは高山帯の砂礫地に生育し、イワキンバイはもっと低い場所の岩上に生育し葉が革質で鋸歯が荒く花期が早いことで区別出来るとある。

しかし判断が難しく、今まで各地の山で見てミヤマキンバイと思っていたものにイワキンバイが含まれているかもしれないが、今更写真を見直して詮索することは止めておこう。

 雄しべの葯が赤くなっているものとそうでないものがあったが、肉眼では分かるはずもない。

 

ショウジョウバカマは下山してもうすぐ登山口というところで一つだけ見つけたもので、ものすごく珍しい花に出会った気分。

 

ミツバオウレンは咲き始めで、透きとおったような感じでか弱さも見えた。

(セリバオウレンかもしれません 5月31日 追記)

 

ヒメイチゲは数が少なかったが何とか見つけることが出来た。

 

ミネザクラは1輪か2輪咲いたばかりで、開花宣言はまだ出せないところ。

 

見事なキクザキイチゲは小田越登山口から河原の坊登山口までの車道を歩いているとき見つけたもので、アスファルト舗装の直ぐ隣に沢山咲いていた。

 

   花の巻終わり 山の巻へ 続く

 

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プラゴミを減らせとホエール芸術家

2019-05-15 10:18:20 | 時事川柳

プラごみで巨大クジラ の見出しと新聞紙を貼った張りぼてに見えるクジラがジャンプする写真に小見出しには、欧州の運河米芸術家、海の保護訴え とあります。

 主にハワイの海岸に打ち上げられたプラスチックごみなどを用いてアメリカの芸術家が高さ11mのクジラがオランダの運河に展示されたという記事です。

 世界中のプラごみを使ったのは、各国がいかに海を分け合っているかを示し、プラごみの減量も各国が協力すべきとの主張からで、巨大なクジラで問題の大きさと広がりを表現したそうです。

 クジラの材料には8年前の津波でさらわれ、岩手、宮城から流れ着いたと思われるものもあり、そのことも悲しいことだと作者は話しているそうです。

 わが家でも、捨てればゴミ、分ければ資源 をモットーに取り組みを強化しなければと思います。

 

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姫神山(超人との出会い)

2019-05-14 14:15:19 | 旅行

令和元年5月13日快晴の天気予報に誘われ、早池峰山(1917m)も考えたが花がまだなようなので姫神山(1123m)に登ってきた。

 代表的な一本杉コースから入山したが前回(4月23日)から2週間以上経っておりすっかり春の装いで、登山口のサクラが綺麗に咲いており爽やかな風に足取り軽く歩きだし振り返れば岩手山(2038m)がくっきり見えるのが嬉しい。

 早速スミレとエンレイソウの出迎えを受けて、同定するのに苦労しそうだと思いながらも撮影してしまう。

シロバナエンレイソウ(ユリ科)は純白なので分かりやすく

それ以外は色の濃淡でエンレイソウ(ユリ科)とムラサキエンレイソウ(ユリ科)に区分され、これはムラサキエンレイソウだろう。

 

面倒なスミレ科だがこれは地上茎があることと花の色と大きさからニョイスミレ(別名ツボスミレ)と思われるが、ミヤマを冠するのかどうか判断できない。(昨年は日当たりが良いのにヒカゲスミレとしていた)

 

これも地上茎があり葉の形と花の色から、タチツボスミレと思われるが、オオバタチツボスミレとオオタチツボスミレと言うものもあるそうなので断定できない。

 これは地上茎がなくて葉が細長ければスミレだが、そうではないのでスミレサイシンであろう。

 

これは斑入りの葉を持つ地上茎がないものだが分からない、フイリ〇〇スミレ(丸の数は?)なのだろう。(去年はフイリミヤマスミレとしていた)

 

 地上茎があって距が目立つのでナガハシスミレ(テングスミレ)だろう。

 

ニリンソウは良く知られているが(二輪草という楽曲もある)イチリンソウとサンリンソウもあるそうで、イチリンソウは一つしか花を付けず暖地植物の仲間なそうなので、今日見たものは寒さに強い北方系のニリンソウかサンリンソウであるが、単純に花が二つか三つかで分けられない。

今のところニリンソウ

 

これは花が三つ咲きそうだ

 ニリンソウもサンリンソウも花の数が一つの場合も二つの場合もあり、おまけに三つの場合もあるのでややこしくて同定のしようがない。

 標高の高い場所では一つの花であるが下るにつれて二つ目のつぼみが見え始め、更に下る二つの花が咲いており正にニリンソウ、そして三つ目のつぼみを持つニリンソウもちらほらと見えてくると、ニリンソウなのかサンリンソウなのか考えることは止めて花の様子に着目した。

 まず気付いたのは白い花びらの一部がピンク色で綺麗だなと思ったことと

花びらが5枚、6枚、それ以上と様々なことだったが、帰ってから調べたら白い花びらと思っていたのは花弁ではなく萼片であり、時として元の色緑色に先祖返りしていたり萼片の外側が紅色を帯びることがあるというが、萼片の数については記述が無かった。

これは萼片が多い

 

カタクリのことを木の葉が広がる前の雑木林で真っ先に花を開き、すぐに地中に姿を消してしまうので「スプリング・エフェメラル」(春の妖精)と呼ぶことを知っていたが、これらのキンポウゲ科のこともそう言うらしい。

  そのカタクリ(ユリ科)だが一本杉コースに咲いていた花は、先週鞍掛山で見たものよりはるかに大きいものが多かったが数はさほどではなく、こわさかコースの方が沢山咲いていると教えられたのでそちらを下りたところ、沢山のカタクリとニリンソウ(サンリンソウ)も見ることが出来た。

一本杉コースのカタクリ これだけだと大きいことが分からない

こわさかコースのカタクリ 普通?サイズで数が多い・・・・これでは分からない

 

 数は少ないが良く目立つ鮮やかな黄色い花は、キジムシロ、ミツバツチグリ、ヘビイチゴ(何れもバラ科)と混同しやすいが三裂する小葉の形からコキンバイ(バラ科)だろう。

 

 これはヒメイチゲ(キンポウゲ科)で間違いないが白い花弁ようなものは萼片が変化したもので、キンポウゲ科にはこのようなものが多いようだ。

 

ほかには、ヒトリシズカ

オオカメノキ

 

を見ることが出来たが昨年(5月16日)に比べて花は少なかった代わりにとびっきりの展望を頂いた。

 

岩手山を中心に

 

 

左に烏帽子岳(乳頭山)(1487m) 秋田駒ケ岳(1637)が続き

烏帽子岳(乳頭山)にズームイン

秋田駒ケ岳にズームイン

 

更に和賀岳(1440m)や焼石岳(1547m)までは確認できるが須川岳(栗駒山)(1627m)は見えない。

右に目を転ずれば八幡平(1613m)から前森山(安比高原スキー場)(1305m)までの山なみが見え

その中で茶臼岳(1578m)の三角形のピークが良く目立つ。

更には双耳峰の七時雨山(1060m)とその右奥には八甲田連峰が白く見えており、右端の綺麗なピラミッドが高田大岳(1552m)と思われる。

八甲田連峰

 

岩木山(1624m)と鳥海山(2236m)は見ることが出来なかったが、山頂に居合わせた人たちが「今日は最高だね」と口々に感動していたところに、今日も登ってきたと思われる人物がやってきたので「毎日登っている方ですか」と尋ねたら「そうだ」と答えるので、「一日に2回も3回も登っている方もいるそうですが」振ると、案の定「俺のことだ」と返ってきた。

それで最近新聞に登場した6000回を目指している超人と判明し、山頂滞在2分くらいでそそくさと下山する後姿をみんなで拍手して見送った。

 

東側の早池峰山(1917m)も良く見え残雪も少ないようだが、登山道は近年になく多いそうだ。

 

下山は勧められた通りこわさかコースを選択、切れ目なく現れる花々に癒されながら一本杉コースの駐車場に戻り充実した山歩きを終えた。

最後の車道歩きから姫神山

 

 

 

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鞍掛山(令和初の山歩き)

2019-05-10 15:52:47 | 旅行

先月の17日には長靴で雪中行軍した鞍掛山(897m)、花も咲き始めただろうと行って来た。

駐車場には20台以上の車を確認したが、若者の姿は少なく老老男女が多いような気がする。

 

下界では散ってしまった桜も咲いている。

 

歩き初めて最初に見かけたのがスミレ。

スミレは似たような花が多くて見分けるのが面倒なのだが、改めて物の本(岩手の野草百科 澤口たまみ著 岩手日報社)を読んでみると、見分けるときの第一チェックポイントは地上茎があるかないかで、花や葉が根元から一斉に出ている(地上茎がない)か枝分かれして出ている(地上茎がある)かを見るのだという。

これは地上茎をしっかり確認できたので、地上茎のあるタイプの代表といわれる、タチツボスミレで間違いないだろう。

 

これは後ろに突き出している距(きょ)と呼ばれる花びらの一部が目立っているので、ナガハシスミレかなと思うのだが、あるはずの地上茎が確認できないので同定は挫折した。

これはアズマイチゲに似ているがキクザキイチゲ、よく似ているが葉の切れ込みが少なく白い花しか咲かないのはアズマイチゲで、キクザキイチゲは白から紫まで変化があるそうだ。薄い青の花も撮影したが写りがいまいち。

今回はカタクリの開花を期待していたが上手い具合に沢山咲いており、周辺のマイヅルソウはただいま準備中。

岩手山の雪も少なくなった 

カタクリの花盛り

エンレイソウとシロバナエンレイソウはどちらも咲いていたが、シロの方が多かったような気がする。

 

下山して登山口間近で発見し何だろうと思っていたら、通りかかったグループの人たちがツバメオモトと教えてくれたもので、最近盗掘などで数が減っており珍しいと感激していたが登山道のすぐそばで心配だ。

 今日は山頂での昼食時から下山するまで道連れの方と話す機会に恵まれ、その方のお話で印象深かったこと紹介すると、鞍掛山から岩手山を眺めて岩手山に登るモチベーションを高めて、岩手山でトレーニングを積んで3000m級の山に登るのだそうだ。

 3000m級の山なみを見ながらの尾根歩きが好きで、人家などの人工物は見たくないと言い、下界が見える休憩スポットで立ち止まることなく歩くので登山口までお付き合いした。

 

これはおまけ 小岩井農場付近は菜の花が見頃だった。

今日は早池峰山の登山口を経由する主要地方道の冬期通行止めが解除されたので、来週は天気予報をみながら2000級の早池峰山を目指そうかと思う。

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