山の巻
この日は晴れていたが西の方には雲が出ており、秀麗な鳥海山の姿を見ることは出来ず辛うじて県内の山々が見え、東の方は太平洋の一部とほとんどの山を見渡すことが出来た。
これは焼石岳(1547.9m)を主峰とする焼石連峰で、豊富な高山植物と素晴らしい紅葉で知られているが、2回しか登ったことがないのは70kmを超える登山口までの距離と歩行距離12kmが日帰りの限度なので二の足を踏んでいるため。
これは焼石連峰の南に位置する須川岳(1627.4m)で、宮城では栗駒山、秋田では大日岳と呼ばれるこの山は高山植物もさることながら、特に紅葉が美しいことから紅葉日本一の山と呼ばれている。
このような自称日本一は各地にあると思うのだが、比べようがないので各々が日本一と思ってかまわないと思う。
さらに北に位置する和賀岳(1440.0m)は焼石岳同様に標高が低い割には豊富な高山植物で知られているが、焼石岳をしのぐ登山口までの距離と歩行距離なので半ばあきらめている。
秋田駒ケ岳(1637.4m)から岩手山(2038.2m)と八幡平(1613.3m)までは残雪があるためになんとか確認できた。
雲の下に残雪の秋田駒ケ岳
中央の雲の下 うっすらと岩手山
岩手山 右に八幡平
東側には残雪はなく山々また山の北上山地がどこまでも見えるなか、南にはツツジやシャクナゲで知られる五葉山(1341.3m)から北の姫神山(1123.8m)のほか、五葉山の南には室根山(895.4m)と氷上山(874.3m)も分かりやすい形から確認できたが、姫神山の北は良くわからなかった。
山頂避難小屋と薬師岳が見える南東側 中央の平らな部分が五葉山 さらにその右奥に氷上山と室根山があるはず
五葉山
薬師岳越しの室根山(手前の三角形) 右奥の三角形は宮城県の金華山かもしれない
姫神山
中央一番奥は宮古湾越しの月山(456m)と思われる。
そして中岳(1679m)から鶏頭山(1445.1m)の縦走コースと、右奥には毛無森(1427m)が見える、鶏頭山までは近いようにみえるが5.6kmコースタイム4時間40分と健脚者向けで、昨年の秋麓の登山口から鶏頭山を往復した時は中級コースとされているが厳しかった。
小田越登山口を挟んで南に対峙している薬師岳(1649.9m)は北上山地第二の高峰で、早池峰山が蛇紋岩で構成されているのに対して花崗岩であるため植物相は違うが、山頂付近の高山植物だけではなく珍しいヒカリゴケも見られるという。
小田越登山口から標高差410m歩行距離3kmなので健脚者は早池峰のついでに登るそうだが、いつか挑戦してみたいものである。
最後に早池峰山(1917m)だが、山体を構成している蛇紋岩がこれであり言われてみると蛇のように見える。
蛇紋岩は植物が育ちにくい成分を含むため、それに適応することができた氷河期の植物が生き残っていることから、固有種やそれに準ずる種が多いとされている。
ちなみに山体を蛇紋岩で構成されている山は、北海道の夕張岳、群馬県の至仏山と谷川岳と承知していたが、今回調べたら他にもあり行ったことのある北海道のアポイ岳と礼文島も含まれており、チコちゃんに叱らせそうである。
また岩手山が妻の姫神山が物足りなくなって追い払い、心を奪われていた早池峰山を妻にしたという伝説があり、今でもこれら三つの山が同時に姿を現すことはめったになく、岩手山が現れると姫神山は雲の中に姿を隠し、姫神山がくっきり見える日は早池峰山が見えないと言われているが、今日は昨日より良い天気で自宅の近くから三山が良く見えた。
小田越登山口より
山の巻 終わり 道の巻に続く