5月27日(月)八幡平の残雪を踏みしめて涼んできた。
北日本は先週末から気温が急上昇、26日は北海道で38℃を超える所が続出し、27日の東北北部の最高気温は35℃に迫ると予報が出たうえ、八幡平の鏡沼ではドラゴンアイという現象も見られるようになったというから、高山植物の開花が遅れているほかの山で汗をかくよりはと、残雪の上を吹き抜ける風による納涼を期待して八幡平に行くことにした。
ドラゴンアイとは、八幡平の登山口の一つ八幡平の山頂バス停前から10分ほどでたどり着く鏡沼が、雪解けとともに龍の目に見える現象であり以前から見られていたと思うが、3年ほど前に外国人観光客がSNSで発信したところ、急激に知れ渡ったもの。
9時半頃有料駐車場を避けて少し下にある無料駐車場に到着したところ、既に半分くらいは埋まっており県外ナンバーも目立ちドラゴンアイが目当てだろうと登山口まで急ぐ。
残りわずかな雪の壁
八幡平(1613.3m)は日本百名山の一つで、最も楽に山頂を極めることの出来る山、バス停のある有料駐車場近くの登山口は標高1540mだから、標高差は73m歩行距離約1km、コースタイム25分の登山道は完璧に整備されておりハイヒールでも可能と言いたくなるが見たことはない。
整備された登山道
歩き初めて間もなく渋滞が発生、どうしたことかと思えば残雪地帯に突入したところで、雪道に不慣れな団体のお客様たちが行く手を遮っている。
ここは石畳 この先に残雪
目印のリボンが頼りになる
急ぐ旅でもないのでペースを合わせてお目当てのドラゴンアイにご対面、空は真っ青だから水の色も青く染まっていると思ったが、期待していた青色に程遠い。
ドラゴンアイ 中央部の開眼は未だ
詳しくはこちら⇒https://www.travel.co.jp/guide/article/37214/
団体さんのガイドの説明を小耳にはさんだところによれば、水面の下に氷があることで青い空水面に写って水色に見えるのだが、その条件が整っていないとのこと。
このことは別の沼の一部で綺麗な水色の水面が見られ、その下には白い氷か雪が見えたことから納得させられた。
メガネ沼は木々の緑の影響で黄緑色、岸辺の水面下には白い雪か氷が見える。
ガマ沼の一部は綺麗な薄い青 鏡沼がこの色に染まり中央部も融けてドランゴンアイになるのは何時だろう?
ドラゴンアイは諦めて雪解け後に何か花が咲いていないかと、ガマ沼を経由して数ある沼のうち最大の八幡沼を巡る散策路に踏み出し、交互に現れる木道と雪道を歩きながら期待した涼しい風を満喫した。
ガマ沼とその奥に岩手山
山頂には立派な展望台があり(ここに登らないと展望が得られない)、森吉山(1454.2m)は良く見えたが鳥海山、八甲田連峰、早池峰山などは見えなかったし、花も少なかったが初対面のワタスゲが収穫だった。
山頂の展望台に立ち寄り八幡平沼に向かう
八幡沼と岩手山
八幡沼全景 周囲の湿原はこれから花畑になり秋には草紅葉
雪どけと開花が待ち遠しい
木道の間に咲いたミズバショウ
ワタスゲの果穂 2017/07/27撮影
ワタスゲの花 この辺りでワタスゲの果穂を見たことがあるが花は初対面
咲き始めたミネザクラ
数が少ないヒメイチゲと
ショウジョウバカマ
オオバキスミレは車道の路肩に咲いていた
綺麗に見えた近くの山は
森吉山
秋田駒ケ岳(中央奥)
岩手山
昼飯はレストハウスで済ませたがまだ13時前、暑い下界に戻る時を遅らせたいので立ち寄ったのが藤七温泉で、立地する標高1,400mは東北最高で純度100%の源泉かけ流しが売り。
露天の湯舟が沢山あったが底が熱すぎて入られない箇所もあり、常連と思われる人の話だとぶくぶく泡が出ているところは熱いので避けること、その場所は時間の経過で変化すると言い、火山の息吹が足の裏に直結している温泉、いつかはと思いながら今日が初めての入浴、これからは八幡平に来るたびに入りたいと思う。
帰り道、車道に面したのり面に沢山のスミレを発見、ヒカゲスミレと思われるがこののり面、実は下倉スキー場の一部で圧雪車が入れない40°以上の急斜面(車道が急斜面を横切っており車道の下も急斜面)
その先の昨年ミズバショウを見た沼に立ち寄ると花は終わって巨大化していたが、離れたところに別な花が咲いており、帰ってから写真を見たらミツがシワでこれも初対面。
ミツがシワ 離れていたが花の内側に密生している白い毛も何とか見える
露天と言うより野天がふさわしい野趣あふれる温泉と、初対面の花に満足して家に向かうが暑いだろうなと気が重い。
帰宅したのが16時頃、予想通り暑かったので家に入らず水と戯れれば涼しいかと洗車、その後自分だけ水分補給したら悪いかなと畑に行って水やりし、ようやく冷えたビールにありつき五月で一番暑かった一日が終わった。