6月5日(火)栗駒山(1627.4m)を目指して5時30分に出発した。
岩手・宮城・秋田の3県境に位置するこの山は、呼び名も須川岳・栗駒山・大日岳と県ごとに違う。
これまでは紅葉の時期に岩手県側の須川高原温泉から登っていたが、今回は宮城県側の登山口イワカガミ平から栗駒山を目指すことにした。
須川温泉に至る国道は工事に向けた調査を実施するため、5:30から10:00迄通行止めなので、イワカガミ、ミヤマキンバイ、ヒナザクラなどを期待して東栗駒コースを選択した。
天気予報は晴れもあれば曇りもあり、展望はあまり期待できないが出来るだけ早く登れば、それなりに見渡せるだろうと早く家を出た甲斐があって7時50分に登山開始。
山頂までは中央コースと東栗駒コースの二つがあるが、後者は滑りやすい箇所があるので登りに使うようにとの立て看板に従う。
歩き始めの1時間ほどは大きな段差に悩まされ歩行速度が一段と遅くなるし、半そでシャツ1枚でも大汗をかき息が切れる。
コースタイム40分のところ60分で徒渉点に到着し、沢一面雪で覆われており冷気を感じながら100mほど雪上歩行。
雪の冷気で身体が冷え登山道も歩きやすくなり、花も増えてきたので足取りが軽くなる。ここまでに、ミツバオウレンが沢山咲いていたのと、タムシバが印象的で、ちらほら見えたツマトリソウも加わった白い花回廊は、五葉山のツツジによる赤やオレンジの花回廊と対称的。
ミツバオウレン
タムシバ
ツマトリソウ
赤系の花も咲き始めのイワカガミ、ムラサキヤシオ、サラサドウダンが見えるし、ミネザクラも咲いている。
イワカガミ
ムラサキヤシオ
サラサドウダン
ミネザクラ
視界が開けたところからは残雪が鮮やかな大きな山が現れ、鳥海山かと思ったがスマホの山座同定ナビで確認したら月山だった。改めてよく見れば明らかに鳥海山ではないのに思いがけない対面で慌てたようだが、山頂からの展望が期待できそうだ。
東栗駒山山頂が間近に見える平坦な場所では、ミヤマキンバイの群生が見ごろを迎えており、ヒナザクラとタテヤマリンドウも咲いている。
ミヤマキンバイ
ヒナザクラ
タテヤマリンドウ
踏みつけないように注意しながら山頂に向かうと、この先登らなくてはならない残雪が大きく見えてきた。
事前に仕入れた情報では大したことはないと思っていたが、こんなはずじゃなかったと言いたい斜度と延長があり、先行して登る二人が難儀しているように見える。
雪は柔らかくて4本爪の軽アイゼンは効きそうもないが、無いよりはましかも知れず持ってくれば良かったと後悔。斜度はスキー場の急斜面と同じくらいに感じるので30度、延長は200mくらいだろう。
最大斜度を登るのは困難なので斜めに登り、折り返して斜めに登る、これを繰り返して階段状の登山道にたどり着いたときは一安心。
上から見てる 大したことないように見えるが
その直前で見た階段は下山時に利用する中央コースなので、その位置をしっかりと記憶させる。
階段状の急な登山道を歩き始めほどなく、見慣れた山頂の標柱が見える、山頂は突然やってきた。
10時50分にたどり着いた山頂から真っ先に見えた山は北隣の焼石連峰、その上にかぶさるように岩手山の山頂がはっきりと見えるし、途中から見えていた月山もくっきりと大量の残雪を見せている。
焼石連峰と岩手山の頭(写真では薄っすらと)
月山
鳥海山は何処にいるかと、少し場所を変えたら秀麗な山容が鮮やかに見え、東側には、北から姫神山、早池峰山、五葉山、氷上山、室根山が良く見える。
鳥海山
早池峰山
五葉山
西側には岩手山から続く裏岩手連峰、秋田駒ケ岳、和賀山が連なり、焼石連峰の次に大きく見える鳥海山、月山が続く。
山形方面の山が県内の山より大きくはっきりと見える栗駒山、ガイドブックは東北中部の山々を望む展望の山と紹介しているのを実感した。
月山の南は、以東岳、朝日連峰、飯豊連峰、吾妻連峰、蔵王連峰と続いているが、確実に視認できたのは以東岳までで、朝日連峰以降ははっきりしなかった。
お湯を沸かし何時もの昼飯を食べて山頂には1時間ほど滞在、鳥海山を指して岩手山かと聞く遠来の登山者にスマホの山座同定ナビを紹介し、須川コースから登って来た方からは、須川コースの様子などを教えてもらった。
今日は時間的にも体力的にもゆとりがあるので、一時間程度で往復できる展望岩頭という場所まで足を延ばすことにした。
目的は、イワウメとまだ見たことのないミネズオウを見ること。
小さなイワウメと更に小さなミネズオウに対面し、再び山頂へ戻って小休止し靴ひもを締めなおす。
イワウメ
ミネズオウ
13時15分下山開始だ、雲が現れ遠くの山は見えなくなってきたので、今日の早起き早発ちは大正解だった。
階段状の急勾配と残雪を下り間違わずに中央コースに分岐するが、この先はしっかり整備された登山道で階段状の急こう配区間が終わると、自然石を並べてコンクリートで固めた水路みたいな登山道が延々と続いている。
柔らかな土の登山道が足にとっては優しいと、ぜいたくを言っていられないが、登山口まで硬いままで柔らかな土の上を歩くことはなかった。
その整備のおかげで雨降り上がりや雪解け後は、ぬかるむこともない快適な登山道なのだと、感謝の気持ちに変わった。
登山口から自宅までは110kmほど、往路は高速道路を利用したが、帰路は節約しようと高速道路を利用しない距離優先でナビを設定した。
信号が多い国道4号も避けたいがそのような設定は出来ず、現地の案内標識を見ながら経験と勘を頼りに進むが、国道4号に案内しようとするナビは無視。
勘がくるって2回ほど後戻りしたし、遠回りとなったころもあり何キロかロスしたが、信号がほとんどなかったため所要時間は大幅に短縮したと思われる。思いたい。
見たいと思った花々、想定外の大展望に巡り合った良い一日だった。
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