四里の道は長かった。その間に青縞の市のたつ羽生の町があった。田圃にはげんげが咲き、豪家の垣からは八重桜が散りこぼれた。赤い蹴出しを出した田舎の姐さんがおりおり通った。
これは、皆様ご存知の田山花袋の名作「田舎教師」冒頭部分である。
小説「田舎教師」は、ここ羽生が舞台となっており、市内各地にそのゆかりの跡がのこされている。羽生市教育委員会の案内板にあるように作者田山花袋は、この建福寺に下宿していた青年教師、小林秀三の日記を目にし、それをモチーフとして書き上げた。
小林秀三は21歳の若さであまりにも若くしてこの世を去った。志なかばにして果てた無念さは如何ばかりであったろう、悲しい限りである。
この作品は、小林秀三が書き残した日記をもとに田山花袋が書き上げた小説で、登場人物はほとんど実在した人々といわれる。明治30年代の羽生の自然や風物、人間模様が生き生きと描かれ、小説の主人公「林 清三」を中心とした香り高い青春小説であり、多くの動植物が登場する自然文学ともいわれている。
なお、「田舎教師」は青空文庫でファイル化されているので、下のリンクバナーをクリックすると読む事が出来る。
田舎教師研究会の記念碑(画像をクリックしますと拡大します)
駐車場:有(無料)
(このバナーをクリックすると青空文庫内の「田舎教師」がご覧になれます)
山門を潜り、石仏の先を左に曲がると墓碑等がある
「田舎教師」の碑(小杉放庵の筆) 史跡田舎教師の墓の案内板(画像をクリックしますと拡大します)
田舎教教師 所縁の寺「健福寺」地図
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