はりさんの旅日記

気分は芭蕉か司馬遼太郎。時々、宮本常一。まあぼちぼちいこか。
     

碓氷峠を越えて 2

2017-06-09 20:00:11 | 鉄道
「碓氷峠鉄道文化むら」からは、「遊歩道アプトの道」というのがあります。廃線跡を熊ノ平まで2時間半ほどで歩けるようですが、今回は歩かずに、車で途中の「めがね橋」にだけ立ち寄ることにしました。
横川から旧18号線を進みます。すぐに中山道の坂本宿がありました。途中で中山道とも別れ、カーブのつづく道を登っていきます。(いつの日か、中山道も歩いてみたいです。)いきなり目の前が開けた所に「めがね橋」がありました。


美しい橋です。明治25年に建設されたそうですが、当時の人々の苦労と同時に、鉄道建設に対する意気込みが伝わってきます。


高さは31mもあるそうです。横川駅と軽井沢駅の標高差は552mもありました。そのきつい急勾配(66.7パーミル)を登るために採用されたのが、ドイツで使われていたアプト式です。


橋の上まで行ってみました。


トンネルもありました。唱歌『汽車』の歌詞ではありませんが、「今は山中 今は浜 今は鉄橋渡るぞと 思う間もなくトンネルの 闇を通って広野原♪」鉄橋とトンネルの連続です。鉄橋ではありません、レンガ橋でした。


ここを蒸気機関車が駆け上がってきたのでしょう。


関西にも廃線ウオークができるところ(旧福知山線の生瀬〜武田尾間)があるのですが、トンネンルには照明がありません。あくまで、自己責任で歩いてくださいということです。


橋の長さは91mです。


レンガの中にアプトも埋め込まれていました。


山側にも廃線となった鉄橋が残っていました。こちらの鉄橋は、昭和38年にスピードアップのために造られた新線のものでしたが、新幹線開業と同時にこちらも廃線になりました。


反対側のトンネルにも行ってみました。


下から見上げても工事の大変さが伝わってきます。


芸術性を追求して造られたわけではないと思いますが、機能性を追求したら芸術作品になってしまったのでしょう。


旧18号線を更に上っていくと、所々に規模は小さいですが、鉄橋とトンネルが見えました。


今は緑の季節ですが、秋には紅葉が美しいことでしょう。(このアプト道は、ブログ「信の信州からの贈り物」の信さんが、春と秋に歩かれるところで、私もそれで興味を持ちました。)


後は、碓氷峠をめざすだけです。碓氷峠は、私の好きな分水嶺です。横川からは、合計184のカーブを曲がりながら登って行くのです。峠の向こうにはどんな景色が待っているのか期待でいっぱいでしたが、なんとそこにあったのは、オシャレな軽井沢の町でした。


※訪問日 6月3日