はりさんの旅日記

気分は芭蕉か司馬遼太郎。時々、宮本常一。まあぼちぼちいこか。
     

夏の信州紀行(中央分水嶺トレイルを歩く)

2023-09-06 18:15:15 | 分水嶺の旅
夏の信州紀行も、早くも最終回です。
今回は、私の大好きな中央分水嶺を歩いた話です。

長野県長和町長門牧場から、霧ヶ峰・美ヶ原へ至る38kmの「霧ヶ峰・美ヶ原中央分水嶺トレイル」というハイキングコースがあります。
今回は、そのうちのほんの一部を歩きました。
出発点は八島ヶ原湿原で、そこから鷲ヶ峰に登ってきました。


八島湿原から少し登った所から眺めた鷲ヶ峰です。頂上までのコーズタイムは1時間です。



トリカブトがたくさん咲いて居ました。



眼下に見えるのは八島ヶ原湿原です。今回は男性チームは鷲ヶ峰、女性チームは八島ヶ原湿原一周と、別れて歩きました。



蓼科山が見えます。その右には7月に登った北横岳も見えました。この山々も中央分水嶺にある山々です。



あいにくの天気ですが(今回は今一つ天気に恵まれませんでした)、気持ちの良い風が吹いていました。



諏訪湖が見えました。



トリカブトの群落でした。



頂上が見えてきました。



分水嶺の道を行きます。ここに降った雨は、左は太平洋に、右は日本海に流れて行きます。



左に見えているのが鷲ヶ峰の頂上です。



天気も今一つなので、今回はこのニセピークまでとしました(笑) まあ、分水嶺を歩くという目標は達成です。



そのピークからの眺めです。浅間山がドーンと控えていました。



八島ヶ原湿原の奥には車山も見えて、中央分水嶺がたどれます。晴れていれば富士山も見えるのでしょう。



女性チームが一周している八島ヶ原湿原です。ハートの形をしています。



頂上付近は雲の中ですが、穂高連峰も見ることができました。



下りながら鷲ヶ峰を振り返ります。また晴れている時に歩きたい道です。



スタート地点まで戻ってくると、ヒョウモンチョウがたくさん飛んでいました。



マツムシソウも咲いていて、ヒョウモンチョウが蜜を吸っていました。



綺麗な蝶もいました。ウラナミシジミでしょうか?



今回はほんの少し歩いただけですが、機会があれば「霧ヶ峰・美ヶ原中央分水嶺トレイル」を歩いてみたいです。
天気は今一つでしたが、鷲ヶ岳にもいちおう登ることが出来たので、予定していたプログラムは終了しました。
あとは上諏訪のツルヤでお土産を買って、一路大阪をめざしました。

※訪問日 2023.8.30

丹波で中央分水界と山城を眺めました

2021-02-04 20:05:05 | 分水嶺の旅
福知山城を楽しんだあと、帰り道に丹波市の名所(あくまで私にとっての名所ですが)を訪ねました。
まずは日本一低い中央分水界のある石生(いそう)です。
石生には、一度訪れたことがあるのですが、「中央分水界」好きの私としては、近くまで行ったのに訪れないわけにはいきませんでした。


この道路が「分水界」です。ここは日本一低い分水界なのです。




説明板です。




日本海に流れる水と、瀬戸内海に流れる水が分かれていきます。




またまた案内板です。




日本海に流れる川はやがて由良川になります。瀬戸内海に流れる川は加古川になります。ただしどちらの川も、ここが源流ではありません。




大分水嶺は、そこを境に気候も文化も分けるのですが、ここの分水嶺はそんなことには関係ないようです。




次の訪れたのは、明智光秀ゆかりの黒井城です。
福知山線では、石生駅と黒井駅はとなり駅です。
光秀の丹波攻略では、最も苦労したのが黒井城攻めのようでした。

麓の町から眺める黒井城です。典型的な山城です。




頂上付近に石垣などが見えます。ここにも行きたかったのですが、頂上まで50分とあったのでやめました(笑)武装してここを攻めるのは至難の業でしょう。




丹波平定のあと、この城には光秀の家臣の斎藤利三が入りました。その娘、お福(後の春日局、徳川家光の乳母)は、この地の生まれだそうです。




明智光秀ゆかりの福知山城、黒井城と今ホットな話題のお城や、大好きな分水嶺も訪れることができ楽しい旅になりました。

※訪問日 2021.1.31

ひるがの高原で分かれゆく水を目撃しました

2020-12-17 19:50:00 | 分水嶺の旅
富山から国道41号線で南下をし、高山から国道158号線を走ってひるがの高原にやって来ました。
ひたすら運転に集中していたので、途中での写真はありません。
41号線沿いの高原川や158号線沿いの庄川は、昔よく渓流釣りに来た所なので懐かしかったです。

今回は釣りではなく分水嶺が主題です。ひるがの高原の分水嶺は以前から訪れてみたかった大分水界の一つです。
いつもは東海北陸道で通り過ぎるのですが、今回はよい機会なので立ち寄ることにしました。


ここには「ひるがの分水嶺公園」があるのが嬉しいです。




ひるがの分水嶺公園では、日本海側に流れていく水と、太平洋側に流れていく水を目撃することができます。




ここの分水嶺は稜線ではなく、平らな所にあるのが特徴です。季節が合えば水芭蕉も見られるようです。




分かれゆく水をつくづくと眺めます。まさにここが運命の分かれ道といったところです。(ちょと大袈裟ですね)




ここは鷲ヶ岳と大日ヶ岳のちょうど中間にあたる部分です。どちらの山も大分水界が通る山です。伊勢湾に流れる長良川と富山湾に流れる庄川の源流部です。





ひるがの分水嶺公園からちょっと高台の方にやって来ました。遠くに雪をいただいた白山が見えました。




こちらは大日ヶ岳です。




右手が白山、左手が別山です。今頃は真っ白になっていることでしょう。




白山をアップで。往路では北陸道から見たのですが、角度によって全くちがう山のように見えます。




別山もアップで。




さらに望遠レンズで大日ヶ岳をアップです。




別山も撮ります。




白山ですが、正しくは左が御前峰で右が剣ヶ峰です。




最後はやはり山岳風景になってしまいました。山好きなもので山が見えれば撮ってしまいます(笑)
雨晴海岸の立山連峰から始まった旅日記でしたが、最後も白山の山の写真で締めくくりです。

※訪問日 2020.12.10

分水嶺の旅(近畿編)

2020-05-10 19:51:31 | 分水嶺の旅
分水嶺の旅、今回は近畿編です。

分水嶺といえば、高い山の稜線にあって、太平洋と日本海のちょうど真ん中にあるというイメージですが、今回の二つは少しちがっていました。

まずは、滋賀県と福井県の間にある栃ノ木峠です。ここも大分水嶺なのですが、何と日本海まで約5キロしかありません。片や太平洋(大阪湾)までは約130キロという、変則的な大分水界です。
どうも琵琶湖の仕業らしいのですが、地球の歴史も調べると面白いものです。



そんな栃ノ木峠に「淀川の源」の碑が立っています。ここから発した水は約130キロの旅をして大阪湾に注ぐのです。
いつも散歩している淀川の水も、ここから流れて来たのかと思うと、愛おしくなります(笑)




この写真は、左側の道が365号線で先ほどの栃ノ木峠を越えて越前市に向かう道です。右側の道は県道140号線で柳ヶ瀬トンネルを抜けて敦賀市に向かいます。その上の道路は北陸自動車道です。




この柳ヶ瀬トンネルの上を大分水嶺が通っていますが、県道になっているところには、もともと北陸線が走っていました。このトンネルは明治17年に完成したそうです。完成した当時は日本一長いトンネルだったそうです。
トンネル内は、狭くて、暗くて、おまけにカーブしていて、廃線気分を味わえるトンネルでした。(通れるのは車のみです。)交互通行なので信号があります。
この写真は福井県側から見たものです。上の高架は北陸道です。





次は、兵庫県にある珍しい大分水界です。日本一低い分水嶺といわれるように、高い山稜ではなく平地にある分水嶺です。
ここはJR福知山線石生(いそう)駅の近くにあるので通られた方も多いと思います。




この道路が大分水嶺で、そこを歩いています。右側が日本海へ、左側が瀬戸内海に流れていくかと思うと、気分もウキウキです(笑)




水別れ公園には、こんな標識も立っていました。




町の中にあった標識も「水分れ」でした(笑)



分水嶺も色々とあって面白いものです。これまでも、沢山の分水嶺を通過していると思うのですが、知らずに通りこしている事が多かったように思います。また、写真を撮らなかったことも惜しまれます。
まだまだ行ったことが無い分水嶺も多いので、分水嶺を訪ねる旅もつづけたいと思います。

分水嶺の旅(信州編)

2020-05-09 18:37:07 | 分水嶺の旅
私の愛読書の一冊に『日本の分水嶺』(堀 公俊 ヤマケイ文庫)という本があります。
ここでいう分水嶺とは、太平洋と日本海に、水が分かれていく嶺のことで、「大分水嶺」ともいいます。
太平洋側の大阪に住む私が、日本海側の町に行くときには必ずこの大分水嶺を通っているのです。
それを意識して旅をすると、旅がもっと楽しく(?)なると思います。
分水嶺に立てば、そこから水が太平洋と日本海に分かれて流れて行くことにロマンさえ感じてしまいます(笑)

さて、今回の旅は渋峠からはじめることにします。国道292号線では渋峠と山田峠の間は、ほぼ大分水嶺の上を走ることになります。



国道292号線は、志賀高原と草津温泉を結ぶ国道で、渋峠は全国の国道で一番高い所です。長野県と群馬県の県境にはこんな建物もあります。



浅間山を越えた大分水嶺は、碓氷峠にやってきました。分水嶺を越えればなんと軽井沢でした。軽井沢は中山道六十九次の宿場町でした。



野辺山峠です。ここは鉄道ファンならご存知のJR鉄道最高標高地点のある所です。ここも大分水嶺なんです。
写真が暗いのですが、後ろに見える八ヶ岳に向かって分水嶺は登って行きます。



蓼科山を通過した大分水嶺は、ニッコウキスゲが美しい霧ヶ峰にやってきます。左の富士山のように見えるのが蓼科山で、右のドームがあるのが車山です。



車山から八島ヶ原湿原をめざす大分水嶺です。この草原の道が大分水界とは思えない景色です。



この先、中山道の通る和田峠を通り、鉢伏山から高ボッチ山に向かいます。高ボッチ高原からの諏訪湖ごしの富士山は3度目の挑戦でやっと撮れました。



大分水嶺は、高ボッチ高原を下りてきたら、再び中山道の通る塩尻峠にやってきます。中山道は何度も大分水嶺を越えて行く街道なのです。
ところで、この塩尻峠は私が信州方面に向かうときに一番通っている分水嶺です。もっとも長野自動車道の塩嶺トンネルで抜けているのですが。



その後、大分水嶺は変な動きをします。いったん中央アルプスの木曽駒ケ岳の手前までなんかしたかと思うと、そこから北上をし鳥居峠に至ります。
奈良井宿はやはり中山道宿場町です。この奈良井宿の先に大分水嶺の鳥居峠があります。



時々この境峠を越えて上高地に向かうことがあります。



境峠、そしてあの「ああ野麦峠」を越えた大分水嶺はついに乗鞍岳にやって来ました。



日本一高い所にあるバス停のところに、長野県と岐阜県の県境があります。ここを大分水嶺が通っています。



今回の最後は、西ウレ峠です。高山と郡上八幡を結ぶ「せせらぎ街道」の途中にある峠です。この街道沿いの紅葉は見事というしかありません。



この先も大分水嶺は続くのですが、今回はここまでです。
分水嶺の旅は本当に楽しいです。