やっぱり幸せ♪

日常の色んなこと、特に発達障害を持つ息子との素晴らしき日々を綴っていきたいと思います。

「WONDER ワンダー」

2016年07月25日 | 読書・読み聞かせ

「WONDER ワンダー」 

R・J・パラシオ 作 中井はるの 訳

 

 

今年の小学校高学年の部の課題図書で、夏休みに入ると予約待ちでなかなか借りられなくなるため、早々に図書館から借りてきました。

ところが、息子は全く興味を示しません。

 

421ページ。読書があまり好きではない息子には、気も萎える分厚さです。

ならば、少し読み聞かせてみようと思い、2晩読み続けたものの、聞くのが辛そうに思えて諦めました。

 

代わりに、私がこの児童書を一気に読んでしまいました。

何度も涙が溢れ、息子にこそ読んでほしい本だと思いました。

 

主人公のオギー(オーガスト)は、息子と同じ10歳です。

どこにでもいる普通の少年なのですが、「顔」だけが色々な問題があって、生まれてから27回の手術を受けた後も、一目見るなり驚かれ、不気味がられてしまいます。

そんな彼が、初めて学校へ通うことになって・・・。

 

自分自身ではどうしようもない「顔」のせいで、人から驚かれ、蔑まれ、疎まれ・・・どれだけ傷付き、苦しんだことでしょう。

障害や差異に対する、驚愕、戸惑い、嫌悪。。。 

オギーは、親友だと思っていた友人が、先生に頼まれたために仕方なく自分の傍にいたことを聞き、ショックを受けます。

 

この本は、オギーだけでなく、彼の姉や友達など彼を取り巻く人々の視点からも書かれていて、彼らの葛藤を知ることで、より深く状況を考えることが出来ます。 

オギーを排除しようとする人がいる一方で、彼を一途に愛し守ろうとする両親や、戸惑いながらも弟を大切に思う姉、自分が仲間外れになってもオギーと友達でいることを選んだ少年、その他にも、彼を温かく見守る人達が存在します。

 

「いつどこにでも意地悪な人っているのよ。だけど、ママが信じてるのは、それからパパも信じているのは、この地球上には、悪い人よりもいい人のほうが多いってこと。いい人たちが、おたがいに見守ったり助け合ったりしているの」

これは、オギーの母親の言葉です。

 

人に顔を見られることを嫌い、人前で顔を隠してばかりいたオギーが、家族の愛情や友達との友情、それに、先生達にも支えられ、周りの人達の協力を得ながら大きく成長していきます。

そして、そんなオギーの存在がまた、多くの人の心を変えていくのでした。

 

5年生の修了式で、オギーは、そのままの自分でいることで、多くの心を動かしたと、その勇気と功績を讃えられ表彰されました。

 

母親がオギーに伝えた「ありがとう」

「オギーがママたちの人生にくれた、すべてのものに。うちの家族に生まれてきてくれて、ありがとう。そのままのあなたに、ありがとう」

 

私にとっては、息子、〇〇こそ「WONDER」です。