息子達4年生は、学校の体育の時間に、跳び箱の上で前転をしているそうなのですが、息子は、まだ、マットの上でも前転が出来ません。
マットの上で前転が出来ないのは、クラスで息子一人だけ。
さすがに嫌だと思ったのか、毎晩(とはいきませんが、3日に2日ぐらい)10~15分、布団の上で前転の練習を行っています。
なぜ、前転が出来ないのか・・・?
息子を見ていて思うのは、腕で床を押し、自分の体を支えることが出来ないのです。
この「腕支持感覚」が身に付いていないため、片方、あるいは両方の手がふにゃっと曲がってしまい、潰れてしまうのです。
あと、体の動かし方がものすごくぎこちなく、「回る」ということが感覚的につかみにくいのでしょうか。
説明しても、見本を見せても、そうするために、自分の体をどう動かせばいいのか分からないようです。
なんとか息子が前転が出来るように・・・と、私が参考にしているのが、図書館で借りてきた本、
学研教育みらい出版の教育ジャーナル選書、「気になる子の体育 (つまずき解決BOOK )授業で生かせる実例52 」です。
特別支援教育の視点を生かした「体育」の本で、子ども達がなぜ出来ないのか・なぜ苦手とするのか、その理由を分かりやすく説明し、出来るようにはどうすればいいか、スモールステップで書かれています。
体育の得手不得手は、子どもの学校生活を大きく左右します。
それは、運動ができる=かっこよくて一目おかれる存在という価値観が、子ども達の間にあるからです。
また、勉強が出来ないことでクラスメートに迷惑をかける可能性は低いのに対し、体育は、試合や競争場面でチームやクラスの足を引っ張る心配が生じます。
なので、体育が苦手だと、「とろい」「どんくさい」などと思われ、その子のマイナス評価に繋がりやすいのです。
この本では、教師が通常学級の体育で実践している解決プランが紹介されていて、運動ができるコツ、道具の工夫、発達障害のある子への配慮など、これからの息子の体育の苦手を応援するのにとても役立ちそうです。
息子は、腕支持や回転の感覚をつかむために、「ゆりかご」「くま歩き」「カエルの足打ち」などを何セットか行っています。
なかなか前転は出来るようになりませんが、笑顔で楽しく。続けることが大事。
トレーニングした成果は、時間がかかっても、いつか必ず実感できるはずです。
さて、この本には、マイケル・フェルペス選手のことが書かれていました。
「水の怪物」と呼ばれ、北京オリンピックで8つの金メダルを獲得したあの水泳選手です。
彼は、9歳の時にADHDの診断を受けていました。
「多動で落ち着きがない」と評価され続けてきた彼のストレス発散と、「元気で活発」な部分を伸ばしていこうと、お母さんが水泳を習わせたそうです。
実は、彼には感覚過敏があり、顔を水に付けることが出来ませんでした。
そこで、彼は、顔を水につけなくてもすむ背泳ぎから練習を始めることになり、少しずつ自信を付けるとともに、練習が楽しくなって、苦手を克服していったのです。
その後、彼は、ボブ・バウマンコーチに出会い、コーチの励ましと勇気づけによって、信じられないくらい才能を開花させていきました。
発達が気になる子どもの支援では、信頼できる大人が子どもの見方を変え、応援してあげることが大切だと。
「どこがダメか」より、「どこがよかったか」と指摘する、リフレーミング的指導を心がけることで、子どもの自己肯定感を高めることができると。
自分の成長や向上を実感することが出来れば、その達成感こそ、次のチャレンジの起爆剤となっていくのですね。