Seasons

花鳥風月を撮りつづけると季節の移り変わりがわかるかも
でも風を撮るのはむつかしいので花鳥虫月だという噂も・・・

Naturalist を目指せ:2008年9月

2008-09-16 | 釣り
2008年9月
いつもの釣り場にでかけました。



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          朝のうちは霧が晴れません



狙っていたさかなは釣れないで
遊んでくれたのは
いつもの
こいつです。



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            私の友だちブルーギル

なので
心ならずも
Naturalist を目指すことに
なりました。

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転進した先では
栗が落ちていました。

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                   栗

桜並木の葉も落ちて
秋色
次第に濃くなる気配です。

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        花見をしたのはついこの間だと思っていたら
         気づいてみたら桜並木の葉が落ちて


こんな景色を詠んだ歌がありました。




新古今和歌集  巻第五  秋歌下


櫻のもみぢしはじめたるを見て

                    中務卿具平親王

523
 いつのまに紅葉しぬらん
 山櫻
 きのふか花の散るををしみて








ツルボ

2008-09-15 | 植物 写真
ツルボ(蔓穂)=【Scilla scilloides




ユリ科シラー属

生活型:一年草

わが国の各地をはじめ
朝鮮半島や中国に分布しています。
日当たりの良い草原や林縁に生えます。
秋の初め頃に突然茎を伸ばし始め
うす紫色の花を咲かせます。
群生していることが多く
咲き始めはつくしに似ています。
草丈は20cm。
総状花序で薄紫色の花の大きさは花穂で5cmです。
地中には黒褐色の鱗茎があり
茹でて水に晒すと食用にもなります。
別名で「さんだいがさ(参内傘)」とも呼ばれます。

英名はありません。


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新古今和歌集  巻第四  秋歌上

千五百番哥合に

              摂政太政大臣

293
 ふかくさのつゆのよすがを契にて
 さとをばかれず
 秋はきにけり








イヌホオズキ

2008-09-14 | 植物 写真
イヌホオズキ(犬鬼灯)=【Solanum nigrum


ナス科ナス属

生活型:一年草

わが国の各地および北半球に広く分布しています。
道端や畑などにふつうに生え
高さは30~60センチくらいになります。
葉は広卵形で
縁には波状の鋸歯があります。
8月から10月ごろ
小さな白色の花を咲かせます。
果実は球状で
緑色から紫黒色に熟しますが
光沢がありません。
全草にソラニン
果実に脂肪油などを含んでいて有毒です。

英名は Black nightshade



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            小さい白い花

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             未熟な青い実

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              黒く熟した実




新古今和歌集  巻第四 秋歌上

千五百番哥合に

              右衛門督通具

294
 あはれまた
 いかにしのばん袖のつゆ
 野はらの風に秋はきにけり











コエビソウ

2008-09-13 | 植物 写真
コエビソウ(小蝦草)=【Beloperone guttata


キツネノマゴ科コエビソウ属

生活型:常緑低木

メキシコが原産です。
わが国へは昭和時代のはじめに渡来し
花のの少ない冬に開花するので
冬場の鉢植えまたは切花用に温室で栽培されてきました。
花のように見えるのは苞葉です。
花弁は白く
紫褐色の斑点が混じります。
名前は
この苞のかたちがエビの尻尾のように見えることから。

英名は Shrimp plant


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        エビの尻尾のように見えるのは苞葉です

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        花弁は白く紫褐色の斑点が混じります




新古今和歌集  巻十七  雑歌中

海辺のこゝろを

            藤原秀能

1605
 いまさらに
 すみうしとてもいかゞせん
 なだのしほやのゆふぐれの空










ヌルデ

2008-09-11 | 植物 写真
ヌルデ(白膠木)=【Rhus javanica


ウルシ科ウルシ属

生活型:落葉小高木

わが国の各地をはじめ
朝鮮半島から中国、台湾に分布しています。
葉は「うるし」に似ていますが
葉軸に翼があるのが異なります。
9月ごろ
円錐花序に黄白色の小さな花を咲かせます。
小さいころ
知らずに触ってよくかぶれたものです。
幹を傷つけると白い樹液が漆のようにでてきます。
かつてはこれを漆同様に器に塗ったことから
この名になりました。
別名はブシノキ。
葉の虫こぶから取れる五倍子(ブシ)によります。

英名は Sumac


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          花は黄白色で花びらは5枚

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               幹



新古今和歌集  巻第十八  雑歌下


世中のつねなきころ

                 大江嘉言

1787
 けふまでは
 人をなげきてくれにけり
 いつ身のうへにならんとすらん









ニラ

2008-09-10 | 植物 写真
ニラ(韮)=【Allium tuberosum


ユリ科ネギ属

生活型:多年草

東アジアが原産で
わが国へは9世紀ごろ薬用として渡来しました。
8月から9月ごろ
花茎を伸ばして散形花序をだし
小さな白い星形の花を咲かせます。
ニラ臭さはなく甘い香りがあります。
中国料理や朝鮮料理の素材となりますが
軟白栽培した葉は黄ニラ
花茎は花ニラと呼ばれています。
ビタミンAとカロチンを多く含み
消化を助け風邪の予防効果もあるとされています。
漢方では種子を乾燥させたものを「韮子(きゅうし)」といい
胃腸薬などに用います。

英名は Leek, Chinese chives



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新古今和歌集  巻第十八  雑歌下

題しらず

               蝉丸

1850
 秋風になびく浅茅のすゑごとに
 置く白露のあはれ世の中









佐倉市立美術館:エッシャー展(2)

2008-09-09 | アート・文化
<この項つづき>


展示は美術館の3階から始まり
2階に及びます。

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作品の展示数は144点です。
年代別の展示になっていて
エッシャーの興味が次第に収斂していき
遂に私たちの知るエッシャーの世界に到達する
その過程が
よく分かります。

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板目版画から
木口版画へ
さらにメゾチントへと
技法が広がるにつれて
その版画の詳細さに
磨きがかかります。

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         右下がその好例:メゾチントの《露滴》

展示室からでた1階には
ミュージアム・ショップがあります。
その奥に
グラフィック・アーチストM.C.エッシャーが
どういう背景で出来上がったかを
示唆するパネルがありました。

以下がそのパネルです。

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パネルの内容の
主だったところは
以下の通り:

■父親のエッシャーはお雇い外国人として日本に5年間滞在
■帰国後土木技師として栄達。かなりお金持ち。
■自宅には浮世絵などの日本文化を伝える物品
■M.C.エッシャーは5人兄弟の末っ子。中年まで親掛かり。

親に生活の面倒を見てもらっていたところは
かの、ダーウィン先生にそっくりです。

なるほど
ふむふむ
そうですか。

いろいろ勉強になりました。
また入場料金は一般で800円と超リーズナブル。
なので評価は
☆☆☆☆☆

いやあ
すばらし
すばらし
ぱちぱちぱち

残念ながら
もうすぐ終わってしまいます。
いらっしゃるならお早めに
あはは
あはは









ヒガンバナ

2008-09-09 | 植物 写真
ヒガンバナ(彼岸花)=【Lycoris radiata


ユリ科ヒガンバナ属

生活型:多年草

中国南部の長江下流域が原産です。
わが国へは「イネ」が伝わった縄文晩期に渡来しました。
今では秋田・岩手県以南から
沖縄まで広く分布しています。
ただ北日本には少ないそうです。
鱗茎にはデンプンが含まれ食用にもなりますが
アルカロイドが含まれるため
十分に水に晒すことが必要です。
昔は飢饉に備えて
堤防や田んぼのあぜ道などに植えられました。
名前は、秋のお彼岸のころに咲くことから。
別名で「マンジュシャゲ(曼珠沙華)」とも呼ばれます。
線形の葉は
花の後にでて束生しますが
翌春になると枯れてしまいます。
花と葉を同時に見ることはできません。
このことから
「花は葉を思い、葉は花を思う」という意味をこめて
韓国では「サンチョ(相思華)」と呼んでいます。

英名は Red spider lily, Hurricane lily




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               黄色の花




新古今和歌集  巻第二十  釈教歌

人の身まかりける後
結縁経供養しけるに
即往安楽世界のこころをよめる

                      瞻西上人

1978
 むかし見し
 月のひかりをしるべにて
 こよひや君がにしへゆくらん







佐倉市立美術館:エッシャー展(1)

2008-09-08 | アート・文化
佐倉市立美術館で
ハウステンボス美術館所蔵
エッシャー展

副題は
永遠なる迷宮
です。

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この展覧会は
たまたま乗り合わせた
東京都営地下鉄に乗り入れしている
京成電鉄の電車の
吊り広告で知りました。

いつもチェックしているのは
都内の美術館ばかりなので
気づかなければ
危うく見逃すところでした。



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            佐倉市立美術館入り口

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               入り口ホール


この展覧会の会場は
佐倉市立美術館。
1918年に川崎銀行佐倉支店として建設された建物が
入り口ホールになっています。


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           本館階段裏には逆さ階段

本館には
エッシャーの2次元のイメージを
3次元で実現している展示があります。

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       床にはペガサス(天馬)のメタモルフォーゼ


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         中庭を穴から覗くと無限階段

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             実物はこれ
         視覚の不思議を体感できます

一昨年渋谷の Bunkmura であった
スーパー・エッシャー展と比べると
ハウステンボスの直輸入だからでしょう
はるかにこなれたいい展示になっています。


<この項つづく>








コムラサキ

2008-09-08 | 植物 写真
コムラサキ=【Callicarpa dichotoma


クマツヅラ科ムラサキシキブ属

生活型:落葉低木


わが国の本州から四国・九州
それに朝鮮半島や中国に分布しています。
山麓の湿地などに生え
高さは2メートルほどになります。
葉は倒卵状長楕円形で対生し
先端が尾状に尖ります。
鋸歯は先端に近い上半分にしかありません。
7月から8月ごろ
葉腋のすこし上から集散花序をだし
淡紅色の小さな花を咲かせます。
果実は9月から11月ごろ
球形で光沢のある紫色に熟します。
名前は「ムラサキシキブ」に比べて
全体に小型なことから。
別名で「コシキブ(小式部)」といいますが
これはは平安の女流歌人、小式部内侍
(和泉式部の実の娘です)に因みます。

英名は Purple beautyberry

花の写真は
こちら



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            未熟な実もありますね

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金葉和歌集  

和泉式部
保昌に具して丹後国に侍りける頃
都に歌合侍りけるに
小式部内侍歌よみにとられて侍りけるを
定頼卿
局のかたに詣で来て
「歌はいかがせさせ給ふ
丹後へ人はつかはしてけんや
使まうで来ずや
いかに心もとなくおぼすらん」など
たはぶれて立ちけるを
引き留めてよめる

                     小式部内侍

550
 おほえ山
 いく野の道のとほければ
 まだふみもみず天の橋立





小式部内侍
よくばんがりましたね
よかた
よかた
あはは
あはは


キノコ

2008-09-07 | 植物 写真
カテゴリーを
植物、写真
としているのは
間違いかもしれません。

キノコは植物ではないよね。

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           キノコの名前は分かりません

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            形はいろいろありますね




山家和歌集  秋


秋の歌よみける中に

                  西行法師


 吹きわたる風も哀をひとしめて
 いづこもすごき秋のゆふぐれ

 おぼつかな
 秋はいかなる故のあれば
 すゞろに物の悲しかるらむ

 何ごとをいかに思ふとなけれども
 たもとかわかぬ秋の夕ぐれ

 何となくもの悲しくぞ見えわたる
 鳥羽田の面のあきの夕ぐれ










センニチコウ

2008-09-06 | 植物 写真
センニチコウ(千日紅)=【Gomphrena globosa



ヒユ科センニチコウ属

生活型:一年草

熱帯アメリカが原産です。
カサカサとした花で色があせないことから
和名では「センニチコウ(千日紅)」と呼ばれています。
ドライフラワーによく用いられ
中国では女性のかんざしにしたそうです。
高さは30~60センチほどで
7月から10月ごろ
枝先に直径2センチほどの球状の頭花を咲かせます。
花色は紫紅色や淡いピンク色、白色などがあります。
花に見える部分は苞(花の付け)で
本当の花は金粉のように見える
小さな白色の部分です。

英名は Globe amaranth


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山家和歌集  秋

山里のはじめの秋といふ事を

                   西行法師

 さまざまの
 あはれをこめて梢ふく
 かぜに秋知るみやまべの里







ヘクソカズラ

2008-09-05 | 植物 写真
ヘクソカズラ(屁糞葛)=【Paederia scandens


アカネ科ヘクソカズラ属

生活型:多年草

わが国の各地をはじめ
朝鮮半島や中国に分布しています。
日当たりのよい藪や草地に生え
ほかの草木に絡まって伸びます。
葉は楕円形または長卵形で、対生します。
8月から9月ごろ
葉腋から短い集散花序をだし
灰白色の花を咲かせます。
咽と内側は紅紫色です。
葉を揉むと独特の臭気があります。
花を水に浮かべたかたちから「サオトメバナ(早乙女花)」
花の真ん中がお灸のあとに似ていることから
「ヤイトバナ(灸花)」とも呼ばれます。

英名はありません。



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新古今和歌集  巻第十四  恋歌四

題しらず

               よみ人しらず

1306
 心には
 いつも秋なる寝覚めかな
 身にしむ風のいく夜ともなく







Guy Sorman: The Empire of Lies(2)

2008-09-04 | 国際・政治
Guy Sorman:The Empire of Lies

やっと読了しました。

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最後の章
Which way will China go? Four scenarios,
from revolution to status quo


これから中国がどうなるのか

 (1)Revellions are breaking out all over China
 (2)Bankrupcy
 (3)A gradual, structured transition to democracy
 (4)Authoritarian status quo

四つのシナリオで検討しています。
検討の内容は省きますが
(実際にはこの検討がキモなのですけどね)
彼の結論は(4)の現状維持。

これを彼が書き終わったのは2006年の1月で
2008年の8月に開かれる北京オリンピックが
何らかの契機になることを願っていました。

It depends on what we do: the government in Beijing is very sensitive to its image in the West, as investment from abroad determines the growth rate. Mobilizing support for human rights in China is effective: the Chinese are our brothers.

祭りのあとの
今となっては
ご存知の通り
何も変わらなかったですが・・・・・

でも

 Remember that
 the Chinese are our brothers.








パンパスグラス

2008-09-04 | 植物 写真
パンパスグラス (白銀葭) =【Cortaderia argentea


イネ科コルタデリア属

生活型:多年草

南アメリカが原産です。
広大なパンパスの平原に大群落を形成しています。
わが国へは明治時代の中頃に渡来しました。
8月から10月ごろ
長さ2~3メートルの花茎をだして
銀白色の花穂をつけます。
別名は「しろがねよし(白銀葭)」ですが
「しろすすき(白薄)」とも呼ばれるようです。

英名は Pampas grass



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新古今和歌集  巻第四  秋歌上

百首歌に

            式子内親王

349
 花薄(はなすすき)
 まだ露ふかし
 穂に出でば
 ながめじとおもふ
 秋のさかりを