Seasons

花鳥風月を撮りつづけると季節の移り変わりがわかるかも
でも風を撮るのはむつかしいので花鳥虫月だという噂も・・・

JAMES LOVELOCK:Gaia:medicine for an ailing planet

2008-09-25 | 本と雑誌
あわせて
JAMES LOVELOCK博士の有名な著作
Gaia:medicine for an ailing planetも購入しました。

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          こちらの表紙は上品です

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2005年の刊行です。
1991年に出版された
Gaia:the Practical Science of Planetary Medicine
のイラストなどを充実した
改編版です。

初版は昔持っていましたが
20年近くも経ってどこかへ行ってしまいました。
なので
この際もう一度購入しました。

この本で
教えられた重要な仮説は
地球誕生以来の大気組成モデルです。


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         地球誕生以来の大気組成の変化
              (クリックで拡大)


縦軸は濃度を示す対数目盛りです。
5 は 100,000ppm
4 は 10,000ppm
3 は 1,000ppm
2 は 100ppm
1 は 10ppm
です。

横軸は時間を示しています。
単位は10億年です。
BPというのは、Before Present
現時点からの時間を示します。

地球創生の頃の大気は窒素と
10%程度の二酸化炭素に満たされていました。
35億年前メタン生成菌が生じて
次第に二酸化炭素をメタンガスに変えました。
メタンガスは
いま温暖化で問題になっている二酸化炭素の
21倍の温暖化効果を持つガスです。
また25億年前に光合成細菌が生じて
二酸化炭素から酸素に転換しはじめました。
次第に酸素が満ちてくると
メタン生成菌にとって酸素は致命的な毒ガスなので
彼らは酸素が及ばない
底泥に潜んで暮らすようになります。
メタンガスの濃度は下がり
酸素濃度が増えてきます。
陸上に繁殖した植物が更に光合成を行い
現在の酸素濃度(21%:210,000ppm)になりました。


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      地球誕生以来の気温、微生物量と大気組成の変化
              (クリックで拡大)

その結果を踏まえた
地球の気温のモデルが上図です。
今議論されている温暖化のスケールを
はるかに超えた仮設です。
太陽の活動は次第に活発になるので
地球誕生の頃より
地球に到達する太陽エネルギーは増加していますが
Gaia の存在が地上の気温の上昇を阻んでいます。
 45億年という時間を考えれば
 地球を救え
 なんて人類がいうのはおこがましい
 でも
 私たち人類が生き延びるには
 今何かを始めなければならないよ
 温暖化対策は必要だよ
というのが
先生の論旨だと思います。