英米の小説には、言葉の使い方に作者の癖が反映されている。
計量文献学と言われる分野で、文献の特徴を数値化し統計手法を使って
分析や比較を行う。
欧米のベストセラー作家の作品群について考察したのがこの本である。
ベストセラーとなった本、作家について、品詞の使い方から表紙の文字まで、
数字に置き換えて判りやすく解説している。図表も充実して面白い分析だが、
全体として、英米の小説に特化した分析のため、考察した内容が日本の小説に
当て嵌まるわけではなく、また取り上げられた作家も作品も馴染みのない人が多くて、
彼等の小説を読んでいないと判りにくい部分もあった。
(原文で読める人には、納得できる部分も多いと思うけれど)
この本には多くのノウハウが紹介されているが、それを利用して小説を書いてみても、
ベストセラーになるのかどうか判らない。良い小説は書けるかもしれないけれど、
おそらく個性の無いつまらない小説になりそうな気がする。
ファンの好みの中には、作家の癖も含まれていると思う。
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