キマグレ競馬・備忘録

競馬、MLB、スポーツ観戦、趣味など気になる事を書いています。

本「読書脳 ぼくの深読み300冊の記録」

2014年07月06日 | Book

立花隆の書評は自分の好みに合うので、このシリーズが出た時は読んで書籍購入の参考にしている。今回は2006年以降の書評をまとめたもの。冒頭の東大図書館の教授との対話は、あまり印象に残らなかった。デジタル本のあり方は今後も議論されると思うけれど、それぞれの特徴を生かして共存するのだろう。
彼の興味の対象は幅広くて、このシリーズは世の中にはいろいろな面白い本があるといつも感じさせてくれる。この中で紹介された本で興味があるものは読むようにしているが、今回はあまり読みたくなるような本がなかった。
この間の彼の大きな関心事は原発問題で、多くの書評が紹介されている。エネルギー効率の良い原発を完全に廃棄するのは難しいという立場で、福島は古い原発だったが、新しい原発システムはそれほど危険ではないらしい。原発本は立場によって書き方が異なるので、どれが正しいとは言えない。国家経済やエネルギーの観点では必要だし、世界環境の観点では不要だろう。但し、現在の便利な世の中に慣れた人達が、エネルギー効率の悪い太陽光や風力発電を受け入れて、不便な社会に耐えられるかは疑問だ。既存の火力発電所も環境面、コスト面で良いとは思えない。次世代発電が確立するまで、現状の原発を使用するのが良いと思う。一時期、彼の関心があった科学書の紹介が少なくなったような気がするのが残念。


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