キマグレ競馬・備忘録

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本「ドーキンス自伝1」 

2014年07月02日 | Book

「利己的な遺伝子」で有名なリチャード・ドーキンスの自伝。2部構成の第1部のこの本では、ドーキンス家の由来から、彼の生い立ち、『利己的な遺伝子』出版までの経緯を紹介する。
彼のいくつかの著作を読んだことがあったので、彼がどういう人物なのかに興味があったので読んでみた。読んだ印象として、まず彼の記憶の良さに圧倒された。裕福な家庭に育った幼少期から科学者になるまでの友人の名前や出来事、数十年も前のエピソード等を克明に記述し、また当時の自己分析も併せて、科学者らしい緻密な内容の自伝になっていると思う。また知人友人には現役の科学者も居るためか、若い頃の著作にあるような批判的な文も少なく、関係者への配慮も伺える。彼の人生においても、全体として多少紆余曲折はあったようだが、その振れ幅はあまり大きくない印象を受けた。ドーキンスのファンや彼を支持する人にとっては、彼自身が語る事実や興味深い数多くのエピソードが紹介されていて面白く読めると思う。
来年、第二部で『利己的な遺伝子』以後の人生について紹介するようだ。

追記:読んでいる最中に思ったことだが、彼の文章の特徴として、非常に回りくどい文章が多く、馴染みの無い詩や例え話、隠喩も多くて、判らないところを何度も読み返すこともあり、正直読み疲れてしまった。彼は自分の生い立ちに誇りを持っているようで、何代も前の先祖の話や祖父や父の話に何章も割いている。(自伝には珍しい家系図も記載)ご先祖様から続く自分の遺伝子(いわゆる血統)の良さを認識していたのだろう。さすが進化生物学者。


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