上武散歩道

ダイエットのため毎日徘徊。
足で見つけた群馬と埼玉の情報を
綴ってみます。

尾瀬再訪③ 燻し銀の山 笠ヶ岳へ―1 

2010-09-25 10:13:04 | 上州の山
こんにちは。
今朝も肌寒く、コタツが恋しくなってしまいました。
これだけ寒いのが続くと、山は雪が近いかなあ・・
15年くらい前に、10月半ばに軽装で上州武尊山に入って、吹雪かれて死にかけたことがあるんだよなあ・・・
これから、山に入るのに躊躇、服装に注意が必要だなあ・・

さて、尾瀬の女王、至仏山の計らいでブロッケンの妖怪と遭遇したあとは人が来ないうちに・・本来の目的地、笠ヶ岳へ。(いかん、また女王の怒りを買いそうだ)結局、誰とも会わずに至仏山を後にしました。
笠ヶ岳は一時間位山頂にいても、誰にも会わないことがありますが、まさか至仏でねえ・・

このころになると綺麗に晴れ上がり・・

左は小至仏山、右の奥が笠ヶ岳。
そして、登山者が続々と。
右下のストックを指し示している女性は獅子岩に山の名前を尋ねてきた人。
どういうわけか、獅子岩は昔から、山ではよく見知らぬ人に話しかけられます。
最初は「え?もういってきたんですか?」がおおいですね。
単独行で話しかけやすいんでしょうが、何か、山に詳しい山男臭でも醸し出しているんでしょうか?
何ちゃって山男ですんで・・
山の名前くらいは形でお教えできますが・・・高山植物の名前を訊かれると・・・
すいません、ごめんなさい、知らないんです。しか言えません。

このあとも、続々と、熟年ご夫婦、山マダムの集団、熟年男性G、山カップル、山ガールとすれ違いました。
そういえば、山ガールは集団でも、単独行も!いるのに、若い男性の単独行って見かけない。
山はやっぱり単独行ですよ。人もいなければ、初めての道の不安感と、寂しさはなかなかいいものですので、あれは若いうちにぜひ味わっておいてほしいなあ。

などと思っているうちに、

笠ヶ岳の分岐に到着。

先ずは明るい道を悪沢岳へ。
 
すぐに米栂の樹林帯に入ります。
すると、「悪沢」の名前のとおりぬかるみになります。
ん?
足跡があるぞ。これは先行者が複数入ってるな?4人くらいかな?意外と多いなあ。

そんなこんなで悪沢岳に到着。

  
これから登る笠ヶ岳が綺麗です。手前の小さいピークが小笠ヶ岳。
今年登った谷川連峰にもありましたが、この名前の山は全国にたくさんあります。
みな菅笠をおいたようなきれいな円錐のような形から名前がとられています。(笠は被る物、傘は差すものだと考えていいです)

そうこうするうちに森を抜け小笠ヶ岳へ。この青い空・・至仏山頂とは打って変わっています。

  
小笠は登らずに巻いていくとっすぐに正面に笠ヶ岳が。ね?綺麗な菅笠の形でしょう?

ここからは森林限界を超え、笹、ハイマツ、しゃくなげ、草原の明るい道を行くとすぐに



笠ヶ岳の直下。この蛇紋岩と緑、空の青の対比がとても美しい。
かなりの急峻なのぼりですが、時間的にはさほどかかりません。
とはいえ、岩場が多いので、山慣れしていない人は少し怖いかもしれませんね。
あ!頂上に人が見える。・・・ひぃ、ふぅ、みぃ・・5人か。読みが外れたな。

といいつつ、山頂へはむかわずに左へ。

ここには載っていませんが、笠ヶ岳に来たら、ぜひ行かねばならないところが。


ぬかるんだ林を抜けると・・・


池塘よりは大きい沼が。



こちらは片藤沼。訪れる人の少ない、静かな綺麗な水を湛えた沼です。
笠ヶ岳に来てここに寄らないのは、平ヶ岳に登ってたまご石を見ないようなものだと思っています。
尾瀬の喧騒から離れた神秘的なこの沼は心を洗ってくれるような気がします。

ただ名前の由来が・・・
片品村と旧藤原村(現みなかみ町藤原)の境界だったから「片藤沼」となんのひねりもないのがちょっとねえ・・

ここで20分ほど心の洗濯をしてから、いよいよ笠ヶ岳の山頂へ向かいます。



写真では非常に見えにくいですが・・
波紋の中にある、いくつもの白い点は珍しくなってしまったミズスマシです。
こんなにたくさんのミズスマシはじめてみました。
昔、冬季オリンピックでスケートの競技をそう評した人がいましたが・・
本当にくるくると回っていました・・・

尾瀬再訪② 女王至仏山を登る―2 ブロッケンの妖怪

2010-09-24 22:24:29 | 上州の山
こんばんは。
暑さ寒さも彼岸までとは言いますが・・・
この天気は極端すぎですね。今日は寒かったです。
衣替えまで待ってほしかったなあ。

さて、昨日の続きです。
オヤマ沢田代を過ぎると、笠ヶ岳との分岐にたどり着きます。

ここから、小至仏山を越えて、至仏山を目指します。

小至仏山へと登っていくと、
遠くから見た印象とは違って、ごつごつとした、岩の登りになります。
この岩は蛇紋岩という岩だそうです。
地質学はあまり得意じゃないので・・・詳しくはほかのサイトをどうぞ。


このあたりで、もうこの霧の深さ。

しかも写真左手(西側)から冷たい風が吹き上がってきます。
私、至仏山にうらまれるようなことしましたっけ?
もしかして、笠ヶ岳のついでに登る、なんていったから、女王様の逆鱗に触れてしまったのでしょうか?


なんだかんだで、小至仏山を通過。


小至仏山を過ぎてもこの調子。何も見えない・・・
風は冷たいし・・・この夏以降初めてウインドブレーカーを着込みます。
手袋もって来ればよかったかな?

とはいえ、時々晴れ間もあったりして。


さすが女王様。気まぐれです。

写真は小至仏山を過ぎたところから至仏山。岩肌がごつごつしています。


やっぱり霧の中・・・

でも、獅子岩は雨男じゃないんだ!!
この夏一度も山で雨に降られてないんだ!
ただ、霧が多いだけで。ちょっとホワイトアウトが多いだけなんだ!
・・・霧男ってありましたっけ?
やっぱり、Mr.White Out・・・?
あ!でも上のほうに石碑らしきものが!
あそこが至仏山頂かな?


至仏山頂に到着。時間が早いのと、この天気のおかげで、頂上独り占め、とはいえ、寒い・・


ん?雲の切れ間から奈良俣ダムが見えたような・・

ああ~。また雲の中に隠れてしまった・・・

まったく、この霧何とかならないかなあ・・・
んん?
何か変だぞ?
ちょっと拡大してみましょう。


写真中央に巨人の影が!!
これは・・
ブロッケン現象だ!!
ブロッケン現象は霧がスクリーンの役割を果たし、自らの影が巨大に映る現象です。
虹と同じく、太陽の反対側に出ます。
ドイツのブロッケン山でよく見られるのでこの名前があります。
ブロッケンの妖怪、ブロッケンの悪魔の呼び名もあります。

虹のような後光が差すこともあります。そのため、日本では「ご来迎」といって、仏様がお迎えに来た、と考えるようです。
洋の東西で捉え方が真反対というのも面白いですね。
このときも一瞬後光が差したのですが、写真には撮れませんでした。

この霧と風は逆鱗に触れたことによる女王様の怒りではなく、漸く登りに来た獅子岩への試練とご褒美だったようです。
ありがとうございます。
珍しいものを見せていただきました。眼福、眼福。

それにしても、誰も来ない。
登山者でごった返す至仏山とも思えません。
混まないうちに笠ヶ岳を目指しましょう。


尾瀬再訪① 女王至仏山を登る―1

2010-09-23 19:29:17 | 上州の山
こんばんは。
今日は昨日から一転して寒いような一日でしたね。
雨に降り込められてしまいましたが、お彼岸で接待をしていたので、あまり関係ありませんでした。

さて、皇海山に登った翌日、9月18日に今度は一人で尾瀬に行ってきました。
獅子岩は長いこと山に登っていますが、あまり尾瀬や谷川といった群馬メジャーの山には行きません。人が多いからですね。


至仏山の名前は知らなくても、山の形を見たことが有る人は多いと思います。
尾瀬ヶ原から木道を歩き、その先にどっしりとした山があるポスターを見たことがあるのではないでしょうか?あの山が、至仏山です。尾瀬ヶ原を見下ろせるし植物も多いので人気があります。

燧ケ岳が尾瀬の盟主ならば、至仏山は尾瀬の女王にたとえられます。

獅子岩は尾瀬に行くことがあっても、鳩待峠から笠ヶ岳に登ってしまう、あるいは大清水から尾瀬沼・燧ケ岳方面へ登ってしまうので、尾瀬ヶ原や至仏山には行ったことがありません。
笠ヶ岳は、至仏に行く途中、オヤマ沢田代あたりから左に折れていきます。
尾瀬の山域からは少し離れているので、人が少ないのです。

群馬人の山屋が至仏に登ったことがないなんて、そんなことでいいの?という奥様の声に押されていってきました。
まあ、笠ヶ岳は人も少なくてのんびりとできるし、眺めもよいので、そのついでに至仏に登ってこようということです。
至仏だけだと、ちょっと物足りないので・・・


現在鳩待峠へはマイカー規制中ですので、戸倉の駐車場から、乗り合いタクシーに乗ります。
こんなに暗い時間にたくさん駐車されていますね。
少し寒いくらいの気温でした。


鳩待峠へは5時にならないとゲートが開かないので、5時15分ころ鳩待休憩所に着き、そのまま出発します。


登山口はまだ真っ暗です。
とりあえず、至仏山方面へ向かいます。
至仏を登ったあと、オヤマ沢田代から笠ヶ岳へと向かう計画です。
山の鼻から登ろうかとも考えたのですが、まあ、一般的な道を行きます。


登りだしはダケカンバなどが多い道を歩きます。

そして、
  

尾瀬名物の木道、木段を歩きます。
すると、明るくなってくると

これから登る至仏山が見えて来ます。

尾瀬ヶ原を見下ろせる場所までくると・・・

尾瀬ヶ原は雲海の中です。いやな予感が・・・


ああ、やっぱり至仏の頂上は雲の中。
ミスター・ホワイトアウトまたはフォッグマンとでも呼んで下さい、って感じなぐらい、こういう天気に今年は遭います。

オヤマ沢田代の笠ヶ岳との分岐前の池塘群。
もうそろそろ草紅葉が始まっています。



しかし、草紅葉の向こうは早くもホワイトアウト気味・・・・

はああ・・・登れるのかなあ。

南郷温泉しゃくなげの湯 & 直売所

2010-09-22 22:21:11 | 上州のおいしいモノ
こんばんは。
今日は明日のお彼岸の準備で実家に来ています。
今外は雨が降っていますが、まさか、仲秋の名月の日に夕立とは・・・・
しかも、昼間は真夏日ですしね。本当にどうなっているのか・・
奥様の話では、深谷の旧中仙道が深さ10cmの川になったそうです。

さて、昨日の記事で漸く皇海山から下山できました。
さすがにあれだけ奥の山になると、話題の山ガールもいませんで,山行者は多いものの静かな登山ができました。

若い人が山に入ってくるのはとてもいいことだと思うのですが、化粧ッ気のなく、実用本位の格好で山に入っている山女や山マダム、山んば(失礼)ばかり見続けてきた獅子岩にとって、あのフルメイクで山にいる姿は一種異様に感じてしまいます。
その分マナーがあればまだいいのですが、一緒についてくる山ボーイ(?)の中にはマナーが悪いのも多くて・・・

ま、年寄りの愚痴はここまでにして、登山の後のお楽しみ、温泉です。
今回は林道を戻ってきて一番近いところにある、
   

旧利根村の南郷温泉しゃくなげの湯さんにお邪魔します。
奥さまはお気に入りの昭和村の昭和の湯に行きたかったようですが、さすがにその前に一休みさせてもらわないと、運転できません・・・


こちらは南郷市場。野菜の直売所です。
野菜の直売所も充実していて、素麺瓜、かぼちゃ、ツル紫、とおいしいそうな野菜がいっぱいです。奥様はこちらで、トマトを買っていました。

2時間で500円の入浴料を支払い、中に入ります。こちらは食事をすると一時間分延長料金がただになるそうです。(いやな予感がします)
そこで、軽く食事を。


コンニャクの田楽。味噌がおいしい!ただ、コンニャクがちょっと硬いかな。これは、生芋コンニャクではないかな?獅子岩は元コンニャク農家のせがれなので、コンニャクにはうるさいです。ごめんなさい。

続いておそば。
こちら十割りそばでおいしかったです。また、蕎麦湯もよかった!!

さて、温泉は週がわりで檜風呂と石風呂が入れ替えられているようで、今週は男湯が檜風呂です。ラッキーですね。

体を洗い、ゆっくり温まったはずですが、30分。これ以上は入っていられません。
ここで先ほどのいやな予感が当たります。
女性と温泉に行かれた殿方は経験がおありでしょうが・・・
いつまでたっても奥様が出てこない・・
一眠りして、おきても出てこない・・・
結局2時間ほど入っていました。
女性って何であんなに長風呂ができるんだろう・・・

やっと出てきた奥様に笑顔で待ってないよ、と返し、南郷市場へ。
ここで甚内まんじゅうを買います。

こちらは、いわゆる田舎まんじゅうです。

包装を取ると少し生地が手につくかな?
いつもどおり・・
半分に割って奥様に食べてもらいます。ああ、小豆のしっかりした粒餡ですね。
しっかりした甘みの田舎のまんじゅう、という感じです。


こちらは温泉で売っていたゆあがり堂サイダー。ネーミングが素敵です。

しゃくなげの湯の道の向こうには茅葺の建物が。


こちらは鈴木家住宅。この地方の庄屋さんの旧宅で、曲がり家造りの建物になっています。
曲がり家は母屋からL字にまげて土間を造り、そこを厩に当てている家です。
馬は神経質な動物なので、こうしていつでも様子がわかるようにした、というわけです。

しゃくなげの湯とこの鈴木家住宅だけでも一見の価値があるかなあ、と思います。皆さんちょっと足を伸ばしてみてはいかがでしょう?
これから紅葉もきれいになりますよ。

秘峰 皇海山を登る④ 鋸山へ。そして下山。

2010-09-21 20:00:46 | 上州の山
こんばんは。今日も暑かったですねえ。明日は中秋の名月だというのに・・・

さて、昨日の続きです。
愛媛の老夫婦の、「私たちは鋸山に登ってみようと思っています」、の言葉に奥様の目が、きらーんと光ったのですが・・・

「まだ、時間もあるし、私たちも言ってみようか」
うーん。そうくると思ったんだよなあ・・
時間的にも、体力的にも何の問題もないのですが、何の下調べもしていないので、どんな山で、どんな道なのか、さっぱりわかりません。そこが不安なところです。
何せ、標高すらわからない・・・

とりあえず、ご夫婦に挨拶をして、先に不動沢のコルに戻ります。

不動沢のコルから見た、鋸山。
 
あの鋭鋒にこれから登るのかあ・・・
最初はそんなに急な道でもなかったんですがねぇ・・

笹と広葉樹の道を歩いていくと・・・

    

次々と鎖場が現れます。

そして仕上げが

これ。
15mほどの鎖場です。
これは獅子岩でもちょっと腰が引けます。
おまけに大分ザレてるし・・・

を登れば頂上です。
因みに奥様はこういった鎖場が苦手なので、サポートしながら登ります。
獅子岩はこういう鎖場で鎖やロープをつかまずにフリークライムのように登ります。
いつ誰がつけたかわからないロープに命は預けられません・・・

15mほど最後の鎖場を過ぎると・・・


鋸山の頂上です。標高1998m。あと2mで2000mなのに。惜しいなあ。

鋸山は山頂からの眺望がとてもよいです。

上州武尊山。


鋸山から庚申山方面。以前はあんな向こうから登らないと、皇海山には登れなかったんだなあ・・

そして、

さっき登った皇海山。
もっさり、どっしりした山容です。
もしも鋸山に登らなければ、皇海山の印象は、もしかしたら林道だけだったかもしれません。
使い古された表現ですが、山、高きゆえに尊からず。森深きゆえに尊し、を実感できる山でした。

さあ、下山しましょう。
鎖場は下りのほうが怖いし、危険です。
先ほどのご夫婦とすれ違います。あの鎖場を登れるのかなあ。

下る間に一度、違う谷間に入ってしまい、夫婦そろって、遭難しかけました。

不動沢のコルを通過して、登山口に戻り、時計を見ると12時前でした。

今回のコースタイム
登山口(0:45)中間点(0:25)不動沢のコル(0:40)山頂(30分休憩)(1:15)鋸山頂(休憩15分)(0:30)不動沢のコル(1:00)登山口
合計5時間20分(休憩込み)

皇海山で出会った花々。

ヤマトリカブト。こんな湿地帯の日陰によくがんばって咲いていました。


ミヤマアキノキリンソウかなあ?


まったくわかりません。
獅子岩は植物は素人なので、突っ込み、ご教授お待ちしています。