上武散歩道

ダイエットのため毎日徘徊。
足で見つけた群馬と埼玉の情報を
綴ってみます。

春暁

2011-03-31 20:43:43 | 上州の道
昨夜は春雷と一時的な強い雨が深谷でも降りました。
今朝のウォーキングでは咲いたばかりの木蓮の花弁が大分道路に落ちていました。

同じ春の花でも、桜ほど注目されないけれど、この花はけっこう好きだ。
桜の花びらがはかなく、可憐に散るのに対し、
白い大きな花びらが、茶色くなって散り、落ちたあと厄介者がられるのも、
なんだか人間ぽくていい。

孟浩然の有名な詩に『春暁』がある。

春眠暁を覚えず(春の夜明けはまだ眠い)
処々啼鳥を聞く(あちこち鳥が鳴いている)
夜来風雨の声(昨日の雨風すごかった)
花落つること知る多少ぞ(花はどれだけ散ったやら)

僕は朝、ウォーキングに行ったり、自転車通勤したりで、
暁を覚えず、と言うまで寝ていることはないけれど
早く被災地の皆さんが、暁を覚えぬほど、
心身ゆっくり眠れるようになってほしい。

勤務先で見た上毛新聞。
震災以来車両通行止めになっていた
五料橋が明日から通れるようになるとか。
利根川の下流から、サイクリングロードで前橋に向かうにはとても大切な五料橋。
自転車はけっこう早く通れるようになっていたけれど、
車も通れるようになる。

とりあえずはすぐに止まれる最徐行だそうだけれど、
震災後、群馬県内で身近に接するはじめての大きな「復旧」かな。

一歩ずつ、一歩ずつ。

春雷 身体は慣れる。 心は・・・

2011-03-30 19:58:22 | 上州の道
今日は午後から雨の予報が出ていたので、自動車で出勤。
前橋を出るときに、ポツリポツリと、大粒の雨。

気温は上がっていたので、雷になるかな?
と思っていたら、帰宅して2分と経たないうちにザァっと強い雨が降り出し、
ピカッと光ると同時にピシャリ、ゴロゴロという大きな音。
所謂春雷、というやつですね。

自転車で通勤していると、筋肉痛やサドルによる股間の痛みなどには慣れてくる。
身体の対応能力はまだまだ侮れない。
僕の身体はまだ、苦しさに慣れる。

それに対して、僕の心は・・
しなやかさが足りないのか、折れやすい。
しなやかさが足りないのに、ぶれる。

いろいろな情報に心が痛む。
きっと慣れることはないのだろう。

もしも何も感じなくなったとき、
心は慣れたのではなく、麻痺したのだろう。
あるいは情報を拒否したのだろう。

もう少し、心にしなやかさをもって、
折れず、ぶれず、生活していきたい。

サクラ 咲ケ

2011-03-29 19:33:33 | 上州の道
朝はまだ冷え込んだものの、今日は暖かな一日。

深谷から前橋まで、約40km。
日の出の前の朝5時過ぎ。

手袋をはめ、自転車のペダルを踏む。

通勤途中で朝日が昇る。



地球の自転は毎日変わらない。

上武大橋から見た朝日。


坂東太郎にたゆたい光が映る。
朝日を見ると厳粛な気持ちになる。

利根川の堤防には菜の花が。



利根川には柳の青葉。


やはらかに やなぎあをめる 北上の 川べ目に見ゆ 泣けとごとくに

岩手の歌人、石川啄木の一首。
この柳を見たとき、この歌が浮かんできた。

違う意味で泣けてきた。

帰り道。
木蓮の蕾がこの暖かさで一気に開き、夕日を浴びて朱に染まっていた。



この暖かさが東北に届けばよい。

勤務先そばの公園。
桜の花が開いていた。



カワヅじゃないし、八重でもない。
ソメイヨシノには早すぎるか?
早咲きの木なのか、数輪だけが咲いていた。

桜が咲くと胸弾む。
今の状態では桜を愛でることも、心が弾むこともない。

早咲きでもいい。
暖かさと少しの心の余裕が一日でもはやく届くとよい。

春望 絶句

2011-03-28 19:13:53 | その他
帰りに西の空を眺めると、茜色に染まっていた。
秋の夕焼けと違って、寂しさは少ない。

靖国神社でソメイヨシノが咲いたと言っていた。
もうすぐ春も盛りになる。

連日の震災のニュースを聞いていて、二つの漢詩を思い出した。
どちらも詩聖、杜甫の作。
国語の教科書にも載っていたから、覚えているのだろう。

ひとつは五言律詩『春望』

国破れて山河在り
城春にして草木深し

時に感じては花にも涙をそそぎ
別れを恨みては鳥にも心を驚かす

烽火三月に連なり
家書万金にあたる

白頭掻けば更に短く
渾べて簪に勝へざらんとほっす


地震による被害だけでなく、いまや山河さえも奪われかねない状態。
家書とは家族からの手紙。
無事の便りは何事にも変えがたいものだろう。

もうひとつは五言絶句『絶句』

江は碧にして 鳥はいよいよ白く
山は蒼くして 花は然えんとほっす
今春看すまた過ぐ
いずれの日かこれ帰年ならん

この春は過ぎていく。
被災者の皆さんが故郷に帰れるのはいつになるのだろうか・・・

それまで、みんなで支えあっていこう。

2011-03-27 19:00:00 | 武州の道
朝から青く晴れ渡り今日はいい天気。
気分は晴れないけれど、外に出た。

梅の花も愛でぬうちに散ってしまっている。

地震の前に芽吹いていた麦が目に付いた。
大分伸びてきている。



言い古された表現だけれど、麦は踏まれて強くなる。
僕も子供のころに麦の芽を踏んだものだ。



踏まれても、負けずに成長する。
まだまだ、負けられない。

強く、まっすぐに。
いつの日か豊かな実りを結ぶよう。


見上げると、木蓮の蕾が膨らんでいる。



その大きなやさしい膨らみの中に何がつまっているのか。



もうすぐ、花笑う季節になる。