共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

久しぶりの鎮守祭

2016年07月17日 23時23分35秒 | 日記



今日は厚木市の鎮守社である厚木神社の例大祭でした。例年このお祭りは、すみだトリフォニーの演奏会と重なるのですが、今年は一週間ずれたので久しぶりに見られました。

午前中は用事があって見られなかったのですが、午後になって神社のある厚木の旧市街へ向かうと、ちょうど向こうから御神輿がやって来るところでした。太鼓と神職や猿田彦に扮した先導者に見守られながら、逞しいお兄さん達にワッセワッセと担がれた御神輿が大きく揺れると、沿道から盛んに拍手が送られていました。

それにしても、御神輿が交差点に差し掛かってゆっくりと進んでいる間、各方面から来た車がある程度御神輿との間合いが取れるようになるまで、誘導の警備員の指示に従って粛々と待っている光景はなかなかのものです。この21世紀の御代になっても神事が交通事情を上回るという日本のお国柄を感じて、何とも感慨深い光景でした。

各町内を練り歩いた御神輿が、花火の轟音と共に境内に戻ってくると、祭のボルテージは最高潮に達しました。しばらくは屋台に挟まれた参道を行きつ戻りつしていたのですが、やがて世話役の合図で一度置台の上に御神輿が乗せられました。その後、拝殿脇の安置所に御神輿が移され、祭総代や担ぎ頭が参加して神職の手で御霊還御祭が執り行われて、無事に七柱の神様達が本殿に戻られました。

ひとしきり事の行方を見届けてから、熱気と興奮と男達の汗の匂いが充満する境内を後にしたのでありました。
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イマジンライブ

2016年07月16日 23時33分26秒 | 日記
曇天模様独特の蒸し暑さを感じさせられる昼間から、夕方になった頃には涼しさを肌で感じるくらいになりました。この気温差に注意しておかないと、うっかり風邪をひいたりするので気をつけなければなりません。

そんな中、今日は一か月ぶりの成瀬《イマジン》でのライブに参加しました。今回は割りと参加人数の少ない感じでしたが、それでも和やかな雰囲気の中で始まりました。

このライブでは前の月に、出演者全員に次のライブに参加するにあたって共通のテーマの宿題が課せられます。今回の宿題はズバリ

『酒の歌♀_(`O`)♪』

でした。

参加者それぞれの酒の歌が披露されましたが、洋楽系が多く聞かれました。そして最後には何故か全員で《いとしのエリー》を大合唱して終わったのでありました?!

月に一度ですが、なかなか温かみのある雰囲気のライブなので、参加していて楽しいです。来月は都合で開催されないようですが、9月にまたあるので、それを楽しみにしようと思います。
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今日の《cafe32゚F》

2016年07月15日 22時08分48秒 | 日記
いやぁ…今日も今日とて、南関東を中心に凄まじい豪雨が降りました。昨日もそうでしたが『滝のような雨』とはあの事でしたが、教室のある横浜市青葉区はまだしも、同じ横浜市の港北区や桜木町界隈ではマンホールから雨水が溢れ出てしまう騒ぎになったほどでした。

台風が襲来する前からこんな状態では、本格的な台風シーズンが今から思いやられます。いよいよ日本は、温帯湿潤気候帯から熱帯雨林気候帯に突入してしまったのかも知れません。

そんな雨に打たれてすっかり空気が冷えた中でお店にお邪魔しました。暖かいものでもよかったのですが、いざ落ち着いたらやっぱりアイスクリームが食べたくなったので、今日はアイス・ラテ・フロートをお願いしました。冷たいカフェラテにバニラアイスを溶かしながら頂くと、思わずホッとします。

明日からの三連休もあまり天候が芳しくないようですが、せめて今日ほど荒れ模様になることのないよう願うばかりです。
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豪雨の爪痕

2016年07月14日 23時45分42秒 | 日記
朝の天気予報を見たら、午後からの降水確率がなかなかの高さだったので、一応折り畳みではなく大きな傘を持って出掛けました。ところが、日中は雨傘を持ち歩いていることすら憚られるようなドッぴーかんのお天気となってしまったので

『騙された~!』

と思いつつ、それでも持ってきてしまったものはどうしようもないので、開き直って持ち歩いていました。

ところが、教室でレッスンしている間に何だか部屋が妙に暗いな…と思った傍から、轟音と共に滝のようなドカ雨が降り、雷光が閃き始めたではありませんか!

レッスン中だった生徒が

「どうしよう…((゚□゚;))」

と呆然とする中、とりあえずお迎えのお母さんに教室出入口の目の前に車をつけて下さるようにお願いして、結果生徒は何とか事なきを得ました。が、私は、いくら大きな傘を持参したとは言うものの

『このまま外に出るのは自殺行為だな…』

という判断に至り、そこから30分余り教室に軟禁状態になってしまいました。

やがて気づくと、だいぶ雨の音が小さくなっていたので、

『この期を逃すまい!』

と荷物をまとめて外に出たら、先程までの豪雨が嘘のように止んでいました。

ところが、そこからがまた大変でした。というのも豪雨の影響によって電車の運行ダイヤがかなり乱れていたのです。

東急田園都市線は、沿線の雨量計の値が基準値を超えたとのことで徐行運転になっていて、10分余り遅れていました。

それでも何とか終点の中央林間に到着して小田急線に乗り換えようとしたら、今度は読売ランド前~百合が丘間で線路が冠水したため大幅にダイヤが乱れていることを、小田急の改札前で駅員が大声で知らせていました。ここまで来たのに又しても遅延の知らせを受けて、何だかすっかり疲れてしまいました…(゜゜;)。

それにしても、小田急線は本当に災害に弱い!突発的な天候の急変があると、雨でも強風でも雪でも、すぐに止まってしまうのです。特に今日線路が冠水した箇所はもう何年も前から問題になっているところなのですが、具体的対処が為されないままでいるため、同じような問題が何度も起こるのです。

せめて、もう少し首都圏の公共交通網が天変地異に強くなってくれないかな…と、思わず愚痴ってしまいたくなったのでありました。
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衝撃的ニュース~天皇陛下『生前御退位』の御意向

2016年07月13日 19時42分51秒 | 日記
今日、衝撃的なニュースがありました。今上陛下が生前御退位の御意向を宮内庁に伝えたというものです。

大変衝撃的でしたが、考えてみれば陛下も82年の齢を重ねられ、憲法に定められた国事行為や、古から連綿と受け継がれてきた宮中祭祀を行うについて、体力的にも精神的にもお辛いことが出ておいでであろうことは容易に想像出来ます。

天皇陛下が普段何をしておいでか、御存知ない方も少なくないかと思います。

天皇陛下は普段、皇居内で何をしておいでかというと、国と国民の安寧を祈っておられます。その祈りのかたちは様々ですが、代表的なものが元日に行われる《四方拝》というものです。

元日、皇居の庭に屏風を四方をぐるりと取り囲むように立てます。その囲まれた中に精進潔斎して装束をお召しになった天皇陛下が入られ、四方を拝しながら祈られます。何を祈られておいでかというと、神道の法皇として

『この国と国民に降りかかる全ての災禍を我が身ひとつにもたらし、国と国民とが平和に暮らせますように。』

と、皇祖神をはじめとした八百萬の神々に祈っておいでなのです。

これは実に凄いことだと思うのです。誰でも我が身に降りかかる厄難は避けたいもののはずなのに、それを『国と国民に降りかかる災禍を我が身ひとつにもたらし…』と祈られている…もし、一部の反対論者が言うように、天皇が地位と権力にまみれた存在ならば、元よりこんな『あらゆる災禍を我が身ひとつに』などということを祈る必要もないはずです。

他にも天皇皇后両陛下が宮中で行う祭祀は、全て国と国民の安寧を祈るものばかりです。その礼拝のために宮中三殿に入る際には白妙の衣冠束帯や唐衣裳といった盛装をお召しになられますし、中には肉断ちや水ごりを伴うものも多数ありますから、御高齢の今上陛下にはさぞや御負担も大きいのではないかと案じていました。そうした意味では譲位という選択肢もあっていいのではないかと思います。また、ヨーロッパでオランダのベアトリクス女王陛下やローマ法皇ベネディクトⅩⅥ世猊下の退位があったことも、もしかすると今上陛下のお考えに影響を及ぼしたのかも知れません。

もし生前譲位されるとすると、第119代光格天皇以来約200年ぶりのことになるのだそうです。但し、今上陛下が現皇太子殿下に譲位されて太上天皇となられた場合には元号も変わることになろうかと思いますので、『平成』という時代が終わることになります。それはそれで一大事です。

他にもいろいろと大変なことがあるかと思いますが、先ずは今上陛下が皇后陛下共々お健やかに過ごされることを願うばかりです。

天皇陛下 「生前退位」の意向示される
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グリーン・ヴィシソワーズ

2016年07月12日 18時40分45秒 | グルメ
今日も暑さ酷しい日になりました。日陰に居れば幾分涼しい風を感じることができましたが、日向を歩いているとジリジリとした陽光を肌で感じさせられました。

明日から天候が思わしくないという予報があったので、休みを利用して文明の利器して洗濯を済ませることにしました。ただ、あまりにも暑いので、一番陽の高い時間を避けるのとゆっくりランチをしたいのとで、洗濯の前にランチタイムの《Cafeあつめ木》にお邪魔することにしました。

席についてメニューを広げたら、とても興味深いものがあったのでお願いしました。

今日のランチは『緑のヴィシソワーズ』です。ヴィシソワーズと言えばジャガイモを使った冷たいポタージュですが、このスープはほんのりグリーンなのです。伺ってみたら、小松菜が入っているとのことで納得しました。そこにコンソメのジュレとダイスカットしたトマトが添えられ、ヴィシソワーズに爽やかな風味をプラスしています。

今日のような暑い日に、こうしたスープが頂けるというのは有り難いことです。食後に美味しいコーヒーも頂けて、休みの午後を満喫しました。

さて、そうこうしている間にだいぶ外も涼しくなってきました。いざ文明の利器を使った洗濯をしに行きませう。。。。゛(ノ‥)ノ
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ノリノリで行こう! ~ ヴェラチーニ《ジーグ ニ短調》

2016年07月11日 20時45分55秒 | 音楽
昨日の疲れを何となく引きずりながら、今日も教室に出勤しました。小田原の街もなかなか暑くて、駅からスタジオまでたった5分ほどの距離も、ものすごくカッタルく感じてしまいます…。

さて、生徒の一人がスズキバイオリン第5巻に載っているヴェラチーニの《ジーグ ニ短調》に取り組んでいます。およそ日本のヴァイオリン教室で中級クラスまで通った人ならば必ず手がけると言っても過言ではない作品です。

ヴェラチーニのソナタの一楽章のようですが、どのソナタの部分なのかは未だに把握できていません。ただ、弾いたことのある方は分かると思いますが、この曲は短調ながらなかなかノリノリな感じで、響きは短調でも弾いていてとっても楽しい作品です。何しろジーグという音楽そのものがイギリス発祥のダンスミュージックですから、当然といえば当然なのですが。

とかく日本人はこういった6/8拍子や12/8拍子系の曲のノリ方が下手なのですが、何故かジーグになると割とノリノリで演奏できてしまったりするから不思議なのです。私はこの現象を個人的に『ジーグマジック』と呼んでいますが、バッハにしてもヘンデルにしてもコレッリにしてもテレマンにしてもヴィヴァルディにしても、ジーグ楽章はとっても楽しい作品が多いのです。

勿論、だからと言ってただ自分のいいようにノリノリで弾いてりゃいいってものでもありません。実際に演奏する場合には勢いに任せて暴走してしまわない冷静な判断と、ある程度の音楽的理解とが必要になります。そうしたものが根底になければ、より良い演奏というものが成り立ちません。

そんなわけで何かいい動画がないものかと探してみたのですが、生憎気に入った演奏のものが皆無だったため、若干不本意ながら打ち込み楽譜の動画を転載してみました。ヴァイオリンを演奏されない方にも、この独特のノリノリ感を体験して頂ければと思います。

Partitura Gigue from Sonata in D minor F.M. Veracini
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久しぶりのオケ本番

2016年07月10日 20時25分35秒 | 日記
今日は錦糸町駅側にあるすみだトリフォニーホールで、オーケストラの演奏会に出演しました。

ほぼ半期に一度ここに来るのですが、ここの演奏会は何だか面白いくらいに何等かの選挙にぶつかります。今回も例に漏れず、参議院選挙とバッチリぶつかったのでありました。

それでもいざ開場してみたら、ちょうど選挙に行ってから来たのか、それともこれが終わってから選挙に行こうとしているのか、お客さんが次から次へとワラワラ雪崩れ込んできました。

今回はモーツァルトやベートーヴェンの中でも割とマイナーなプログラムだったのですが、それでも詰めかけたお客さんの熱気も相俟ってなかなかいい演奏になったようでした。やはり満員の観客の中での演奏というものは気持ちのいいものです。

久しぶりにクラシックにどっぷりの一日を堪能させてもらいました。明日からは、また日常が待っています。
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やっぱり大きい!

2016年07月09日 22時33分45秒 | 日記
今日は明日行われるオーケストラ演奏会の最終リハーサルでした。

練習が終わって、その足で総武線の両国駅まで来たら、改札を入ったところの壁にこんなものが貼ってありました。これは、歴代横綱の中の代表的な4人の身長を表したものです。

歴代横綱で一番大きいのは曙太郎関で203cm、千代の富士貢関は183cm、現在活躍中の白鵬翔関は192cmということでした。こうして見ると、さすがにお相撲さんは皆さん大きいですね。

今月は夏場所もあります。今回は稀勢の里の綱取がかかった大事な場所ですから、久々の日本人横綱誕生を目指して頑張ってほしいものです。
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今日の《cafe32゚F》

2016年07月08日 22時06分29秒 | 日記
何でしょう…昨日の暑さは何処へ行ってしまったのか、今日は前日比-7℃という気温に恵まれました。実際には湿っぽいはずなのですが、気温が低いこともあって吹く風に心地よさすら感じるくらいでした。

そんな涼やかな風の中お邪魔したら、メニューボードに『洋梨のチーズケーキ』があったので、暖かいコーヒーと一緒にお願いしました。

最近、お店の御主人がお忙しそうであまり世間話も出来ずにいますが、新商品も出たらしいので、来週あたり楽しみにしようと思います。
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投票には気をつけて下さい!

2016年07月07日 23時34分40秒 | 日記
今日は七夕祭りです。しかし、日中はそんなことすらどうでもよくなるような猛暑に見舞われました。何しろ午前10時の時点で厚木市の温度計は34℃を記録していましたから、それ以降は確認する気もおきませんでした…ι(´Д`υ)。

そんな中、教室に出勤する前に参議院選挙の期日前投票をして来ました。心地よく空調が効いた室内で、暇そうなジジババ…おっと、選挙立会人に監視され…いや、見守られる中、日曜日に投票に行けない理由を書いた紙と引き換えに投票用紙をもらい、記入の上投票してきました。

さて、今回の選挙で気になったことがありました。

比例代表の投票をするにあたって投票用紙を受け取って記入ブースに行き、記入しようとしてふと前を見た時に、比例区に記入する候補者並びに政党名の列挙された紙が貼ってあったのですが、政党名のところに

『支持政党なし』

という一欄があったのです。

始めは

『無党派の人が書き込むのかな?』

と思っていたのですが、よく見てみるとその欄の横に何故か数人の名前が書いてある…( -_・)?

で、改めてよく見てみたら、何とこれ『支持政党なし』という名前の政党の欄だったのですΣ(O_O;)。

つまり、よく読みもせず

「今回の選挙つまんないしぃ~、別に入れたい政党も無いしぃ~、支持政党なんか元々無いしぃ~、でも、何か書かなきゃいけないんだったらぁ~、いっそのこと『支持なし』って書いて入れちゃえば良くね?」

などどチャラい考えの下で迂闊なことを記入して投票してしまうと、この得体の知れない『支持政党なし党』なる政党に自動的に一票投ずることになってしまうわけです。言葉を選ばずに言ってしまえば、これは詐欺みたいなものです(*`⌒´*)。

これから投票に行く選挙民の皆さん、投票所や投票用紙に書いてあることはよく読んでから投票なさるよう、くれぐれも御注意下さいませ。
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看板に偽り有り…?

2016年07月06日 16時01分57秒 | 日記

昨日の涼しさは何処へやら、今日はまた暑苦しい陽気となりました。外を歩いているだけで、全てのやる気が削がれていく様は何とも言えません(オマエはいつもだろ…(゜o゜(☆○=(-_- )゙)。

こういう時に何かしら食べようと思った時に、一番手っ取り早いのは駅そばです。そんなわけで本厚木駅にある箱根そばに行ったら、こんなメニューがありました。本厚木駅ミロード店限定メニュー《胡桃ごまだれ豚つけそば》です。写真で見る限りかなり美味しそうだったので、早速食券を購入して注文してみました。しばらくして出てきたのが下の写真です。

これを見た途端、しばらく考えてしまいました。

よく『写真はイメージです。実際の商品と異なる場合があります。』と但し書きがされていることがありますから、私も写真と通りのものが出てくることなんて期待はしていません。ただ、出てきたものの盛り方が余りにも貧相で、見た目にちっとも美味しそうに見えないのです。

まぁ、味には問題ありませんでしたから美味しく頂戴しましたが、事ほど左様に料理は見た目も大事だな…と、改めて実感させられてしまったのでありました。
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久方の二千円札

2016年07月05日 23時24分11秒 | 日記

今日、一万円札で買い物をした釣り銭の中に、久々に見る二千円札が紛れていました。最初は千円札かと思っていたのですが、どうも色味が薄いので

『…ん( -_・)?』

と思って確認してみたら、これでした。

釣り銭を手渡した店員が慌てて取り返そうとしたのですが、なかなか二千円札は捌けないでしょうから、むしろそちらをもらって行きます…と千円札を一枚向こうに返して事なきを得ました。

2000年に沖縄サミットとミレニアムを記念して作られた二千円札でしたが、当初想定していた程の利便性は発揮することか無かったようです。発行された時にはパールインクを使用した最新の偽造防止策が施されたりしたことが話題にもなりましたが、それから代々経て現在では印刷すらされていないのだそうです。

考えてみると、戦後の日本貨幣は全て5進法とでも言うべき単位で流通してきたわけです。その中に、突然『2』という単位が入ってきた時には、正直どう扱っていいやら考えさせられたものでした。

流通当初の触れ込みとしては、海外で20ドルや20ポンドといった『2』の単位の貨幣が普通に流通していることや、例えば\1,980の買い物をする時に便利だ…といったことが言われていました。しかし、既に一万円札や五千円札といった高額紙幣が何不自由無く出回っている中においては、正直あまり必要性は感じませんでした。また例え話にあった\1,980云々という話にしても税率が変われば価格設定事情が変わるわけですから、そもそもあまり根拠のある話では無かったようです。

そんなわけで、今では表面に印刷された守礼門のある沖縄県で精力的に流通している以外には、殆ど見かけなくなってしまいました(財務省の金庫には、未流通の二千円札が今でも大量に保管されているとかいないとか…)。沖縄県は1971年に本土復帰するまで米ドルが流通していた歴史があることから、『2』という単位の貨幣に抵抗は無かったようです。

しかし、こうして改めて見るとなかなかいい色合いのお札です。特に、裏面に印刷された源氏物語絵巻《鈴虫》の場面は美しいものです。『2』という単位に抵抗さえ無ければ、もうちょっと普及してもいいような気もします。

それに、樋口一葉の描かれた五千円札が戦後初の女性肖像画紙幣と言われますが、二千円札には紫式部の姿が描かれているわけですから、厳密に言えばこちらが戦後初の女性肖像画紙幣です。尤も、こちらは裏面の、しかも片隅に小さく描かれているだけなので、肖像画紙幣とは言いにくいのかも知れませんが…。

さて、これをいつ使うか…とりあえず会計時に出してもイヤな顔をされなそうな店を探ってみることにします。
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天正遣欧少年使節団 伊東マンショの肖像画

2016年07月04日 23時05分32秒 | 日記

今日は小田原の教室の日なのですが、昨日書けなかったことがどうしても書きたくなったので、急遽その事について記事を書くことにしました。

昨日行った東京国立博物館の本館の一室に、これらの絵が展示されていました。上の肖像画に描かれている男性、実は日本史の教科書にも出てくる天正遣欧少年使節団の伊東マンショなのです。

天正10(1582)年、当時のローマ教皇とスペイン・ポルトガル両国王に日本での宣教の経済的・精神的援助を依頼し、また日本人にヨーロッパのキリスト教世界を見聞・体感させ、帰国後に布教に役立てたいというイエズス会神父アレッサンドロ・ヴァリニャーノの発案により、ローマカトリックの総本山であるヴァチカンに向けて、伊東マンショ・千々石ミゲル・原マルティノ・中浦ジュリアンの4人の少年が派遣されました。

彼等は時のスペイン国王フェリペ2世やトスカーナ大公フランチェスコ・デ・メディチと謁見しながらローマを目指し、ローマ法皇グレゴリオ13世に謁見、ローマ市民の権利まで与えられました。その後、ヴェネツィア・ヴェローナ・ミラノ等の諸都市を巡った後リスボンから帰路についたものの、日本は豊臣秀吉がバテレン追放令を発布いていた最中だったため3年間マカオに足留めを余儀なくされてしまい、彼等が無事に日本の土を踏んだのは天正18(1590)年のことでした。

翌年、彼等は京都・聚楽第において秀吉と対面し、秀吉の前でヴィオラ・ダ・ガンバでジョスカン・デプレの作品を演奏したという記録が残っています(これが、日本人による初の西洋音楽の演奏及び鑑賞記録と言われています)。また彼等はグーテンベルク式活版印刷機も持ち帰っていて、これで日本語書物の活版印刷が初めて行われました(当時はこの印刷物をキリシタン版と呼んでいました)。

秀吉は彼等をいたく気に入り、特にマンショには士官を強く勧めたようですが、司祭になることを決めていたマンショはこれを断って天草で勉学を積み、千々石ミゲル以外の2人と共に司祭に叙階されました。その後、マンショは小倉・中津・長崎と拠点を移して司祭を務めましたが、慶長17(1612)年に病死しました。

この伊東マンショの肖像画は、彼等がヴェネツィアを訪れた時にヴェネツィア元老院が4人の肖像画を描かせたと記録のあるもののひとつということで、個人が所蔵していたものが2009年に発見されてニュースにもなりました。

しかもこの肖像画の当時の元老院からの発注先が、ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠ヤコポ・ティントレットだというから驚きです。実際に仕上げたのは息子のドメニコ・ティントレットということですが、それでもビッグネームには違いありません。今回、日伊国交樹立150年を記念して、所蔵先のミラノ・トリヴルツィオ財団から特別に貸し出されたものということで、多くの人が観賞に来ていました。

同じ部屋には、当時のイタリア人神父が持ち込んで、その後長崎奉行所が所蔵していた聖母像《親指のマリア》(下の絵)等も展示されています。

7月10日までの期間限定展示ですので、興味のある方は是非足を運んでみて下さい。
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ほほえみの御仏

2016年07月03日 23時40分56秒 | 日記
今日は都内でオーケストラの練習があるのですが、始まるまでに時間があったので、久しぶりに上野の東京国立博物館に行きました。

現在ここでは《ほほえみの御仏展》と題した展示会が開催されています。これは日韓国交正常化50周年を記念したもので、それぞれの国の国宝仏2体が特別展示されているものです。

日本史の授業でも習った通り、インドで興った仏教はチベットから中国、朝鮮を経て日本に伝来しました。その過程で様々なものが海を渡りました。そのひとつが仏像です。この展示会では、その中でも『半跏思惟像』という仏像にスポットを当てて、日本と韓国に遺されたそれぞれの国の国宝半跏思惟仏を展示するというものです。

『半跏思惟』とは、釈迦入滅の56億7千万年後に現れて衆生を救うという弥勒菩薩が 、悟りをひらくために修行を積んでいる兜率天において如何に衆生を救うべきか考えている姿のことで、右足を左足の腿に組み上げ(半跏)、右手を頬に当てて思索に耽る(思惟)かたちで表されます。今回の展示会では、日本からは7世紀作の奈良・中宮寺の御本尊が、韓国からは6世紀作の韓国国立博物館所蔵の国宝78号仏が、互いに向かい合うように展示されていました。

ポスターで見ると同じくらいの大きさに見えてしまいますが、実際には中宮寺像が126cmあるのに対して、韓国像は83cm程の大きさです。材質も、中宮寺像が榧の木の寄木造に漆と着色で仕上げられているのに対して、韓国像は青銅で鋳上げた像に鍍金が施されています。

2つの半跏思惟像にはおよそ100年の開きがありますが、共通点が幾つか見受けられます。

●徹底した正面性

2体とも、真正面から礼拝されることを念頭において製作されています。なので、ちょっと横に廻ると仕上げか簡素な部分が見てとれ、背面側は最低限の仕上げのみが施されています。韓国像の冠は、後頭部4分の1程が作られていません。

●台座に懸けられた衣の襞のデザイン

座っている台座には布が懸けられたような襞が表されていますが、2体ともほぼ同じようなドレープが連続したデザイン的パターンで刻まれています。

●口元に浮かぶ『アルカイックスマイル』

これも日本史のテストでお馴染みのワードですが、初期の仏像の特徴のひとつに挙げられる微笑み、俗に言う『アルカイックスマイル』が見られます。

一方で、同じようでいながら、それぞれに特徴的な違いを見せる部分もあります。

●裾の処理 ○と□

韓国像はスツールくらいの高さの台座に座っています。それをスッポリと覆い隠した天衣(腰に巻いたスカート状の衣)の裾が地面スレスレまで広がっていて、裾周りの形は四角く表現されています。

一方で中宮寺像は、もっと高さのある筒状の台座に座っています。天衣の裾は台座を覆っている布とは別に表されていて、丸い台座の裾周りには反花(かえりばな)という蓮を表した花弁が囲んでいます。

●踏み下げた左足

半跏の姿勢をとり左足を踏み下げている両像ですが、韓国像は台座とは別に蓮の花弁で飾った足台が裾から出っ張っていて、それを左足でしっかりと踏んでいます。

一方で中宮寺像は高さのある台座に座っているため、左足は宙ぶらりんなかたちになっています。それを、台座とは別に生えた小さな蓮の花が一輪、まるで左足を受け支えるかのように茎を伸ばしています。一方で像の左足はその可憐な蓮を踏んでしまうでもなく、左足と蓮との間には絶妙な距離の隙間が空いています。

●頬に当てた右手の表現

思惟の相を表す右手の表現にも違いがあります。

韓国像は人差し指と中指を頬に添えて思惟の相を表し、正に思惟の最中であることが見てとれます。

一方で中宮寺像は、今、正に思惟の相をとるべく、頬に右手を添える瞬間を表しています。

●シャープさと丸み

素材の違いもあるでしょうが、青銅製の韓国像はハッキリ表された目元や口元、指先に至るまでシャープな印象が強い像です。

一方で木製の中宮寺像は、微笑む口元の口角を曖昧に作り、全体に丸みを帯びた表現が女性的な柔らかさを演出しています。

今回の展示は、それぞれガラスケースに入った状態で360度鑑賞できるようになっています。普段、中宮寺では内陣に入ることができないため後ろ姿を見ることは不可能なので、間近に後ろ姿を拝見できる貴重な機会でもあります。

10日までの期間限定展示ですので、興味のある方は、涼みがてらお出かけになってみては如何でしょうか。
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