共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

海の日に聴くドビュッシー『海』

2024年07月15日 17時25分45秒 | 音楽
今日は海の日でお休みです。昨日演奏会だったので今日はお休みすることに決めていたのですが、何だか久しぶりにゆっくりしました。

海の日ということですが、だからといって海にくり出してみようという気にもなりません。それでも何かしら『海っぽいこと』をした方がいいか…と思った時に、ドビュッシーの交響詩《海》のことを思い出しました。

《海 〜 管弦楽のための3つの交響的素描》は、



フランスの作曲家クロード・ドビュッシー(1862〜1918)が1903年から1905年にかけて作曲した管弦楽曲です。全体は副題の付いた3つの楽章

第1楽章「海上の夜明けから真昼まで」
(De l'aube à midi sur la mer)

第2楽章「波の戯れ」
Jeux de vagues)

第3楽章「風と海との対話」
(Dialogue du vent et de la mer)

で構成されています。

この作品を作曲するきっかけになった一つに、葛飾北斎の浮世絵『富嶽三十六景』の中の名作『神奈川沖浪裏』があると言われています。初版のスコアの表紙には



北斎の波が印刷されていますし、1910年にストラヴィンスキーと一緒に写した写真には



部屋の壁に飾られた『神奈川沖浪裏』を見ることもできますが、実際に北斎からインスパイアされたのかどうかについては懐疑的な意見もあります。

『神奈川沖浪裏』は



今月から発行された新千円紙幣にも印刷されています。そういった意味でも、今日の日に相応しい音楽といえるかも知れません。

そんなわけで、海の日の今日はドビュッシーの《海》をお聴きいただきたいと思います。フランス人指揮者アラン・アルティノグリュの指揮によるフランクフルト放送交響楽団の演奏で、ドビュッシー円熟期の管弦の名作をお楽しみください。



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