先日、JASRAC(日本音楽著作権協会)に絡んだ呆れたニュースが飛び込んで来ました。
事の発端は今年の二月、JASRACからヤマハやカワイの音楽教室を経営する団体に向けて
『来年一月から、全ての音楽教育に関わる現場から、一律2.5%の著作権料を徴収する。』
という通達を一方的に送り付けてきたことに発します。何のことかというと、音楽教室の現場で楽譜を使用する際、今までは学校教育と同じく教育を目的とするということで著作権料徴収の対象外だったわけですが、それを来年一月からは『平等を期するため』に徴収を開始する…というものなのです。
ヤブから棒に何を言い出すかと思いきや、徴収の根拠としてJASRACがとんでもない理屈を捏ね上げて来ました。
例えばピアノの教室において、次のレッスンで生徒に練習させる予定の曲を先生が模範演奏して聴かせたとします。すると、この行為は演奏者(ピアノ講師)と聴衆(生徒や同席した保護者)という関係性が成り立つということで
『ハイ、ヲカネチョーダイヽ(゚∀。)ノ』
…というのです。
これは由々しきことなのです。つまり、この件で音楽教育現場からの著作権料徴収を許してしまうと、最終的に絶対領域であるはずの学校教育現場にまでJASRACの毒牙が及ぶことを容認してしまうことになるのです。もし実際にそうなってしまえば、音楽の教科書に載せられる音楽が無くなってしまい、ひいては日本の音楽教育の崩壊に繋がりかねないのです。
未曾有の暴挙を前にして、山が動きました。音楽教室を展開しているヤマハやカワイ、山野楽器、島村楽器といった大手から個人に至る三百余の音楽関連団体によって『音楽教育を守る会』が結成され、JASRACの一方的な暴挙を許すまじと全国で署名活動を展開しました。そして、三十万余名分もの署名を集めて管轄官庁である文化庁に提出し、JASRACの方針を受理しないよう訴えかけました。その件については、以前拙ブログでも書いた通りです。
が!
何とJASRAC、この期に及んで『音楽教育を守る会』関係各位に向けて
『来年一月から予定通り著作権料徴収始めっからヨロシク!( ー`дー´)キリッ』
という、素っ頓狂な通達を送ってよこしたのです。これにはさすがの文化庁も
「オイオイ、まだ係争中の案件だっつってんのに…」
とJASRAC側に釘を刺したのですが、その舌の根も乾かぬうちに二通目の徴収通達を送り付けてくる始末…。
この間、実は『守る会』とJASRACとの間で水面下で折り合いをつける折衝が行われていました。しかし、何と何とJASRACは
『とにかく決まってることなんで、来年一月からヨロシクщ(゚д゚щ)』
と、監督官庁も司法判断も何も無視して三度お膳をひっくり返しにかかってきたのです。これにはもう、開いた口が塞がりません。ということで、目出度く?新聞記事となったのでありました。
事ここに及んで水面下での折衝も虚しく、遂に表沙汰になってしまったこの騒動。さて、JASRACはどう出て来ますやら…。
JASRAC司法判断前に徴収通知 | 2017/12/15(金) 17:39 - Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/pickup/6264930
https://www.bengo4.com/internet/n_7124/