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共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

原曲発見

2019年04月16日 20時46分16秒 | 音楽

昨日はフルートカルテットの合わせをした帰りに久しぶりに般若湯を饗したこともあって、今朝はだいぶ遅くに目覚めてしまいました。

で、とりあえず合わせが大変だった曲を下調べしてみようと曲名を検索したり動画をチェックしたりしていました。ところが、どうしたわけかロッシーニのフルート四重奏曲第四番だけが、何処を検索しても出てこないのです。

んなわきゃないでしょ?ちゃんと楽譜が存在しているのに…。

と思ったのですが、ふと思いついて違った方向からアプローチしてみることにしました。そして、遂に音源を見つけたのであります!もう、ほぼ執念です。

何故インターネットをもってしても見つからなかったのか…実はロッシーニのフルート四重奏曲は《弦楽のためのソナタ》を基にしてあることが多く、今回演奏する第一番も《弦楽のためのソナタ第一番》が基になっているのです。ということで『弦楽器のための室内ソナタ』を調べてみたら…ビンゴでございます。

この室内ソナタは1804年にラヴェンナで初演された、ヴィオラのない弦楽合奏~ヴァイオリン✖2、チェロ、コントラバス~のために書かれた作品群の中に含まれています。中でも終楽章の『Allegro tempesta』に因んで《La tempesta》の俗称でも親しまれているようです。

ロッシーニのオペラには、本筋とはあまり深く関係はしませんが、嵐の場面がよく登場します。《ラ・チェネレントラ(シンデレラ)》然り、《セヴィリアの理髪師》然り、《ウィリアム・テル》然り…オペラに劇的効果を加えるためとも、歌手を休ませるためともいわれていますが、何にもせよ良く嵐の場面が登場します。

この四重奏曲の終楽章も数々のロッシーニオペラのセオリー通り、ポツポツと雨が落ちてくるところから始まって、やがて雨が降り出し、風はうねり、波は逆巻き、ニ長調を中心とした様々な音階の嵐が吹き荒れます。時折その勢いを弱めるかと思いきや又しても荒れ始め、楽譜上にも十六分音符と臨時記号と音階の嵐が渦巻きます。何とも劇的ですが、やがて嵐は力を失い消え去っていくのです。

そんなわけで、どうにか見つけた動画を転載しました。激しい嵐の光景を思い浮かべながらお聴き頂きたいと思います。

我々はこれをフルートカルテットで演奏します。どんな嵐になるか、自分も楽しみです。

本番は6月14日㈮の14時から、早稲田奉仕園スコットホールです。平日の昼間の開催ですが、ご都合のよろしい方はお越し頂ければと存じます。

G. Rossini: La Tempesta - VI Sonata a quattro in D major (Ravenna, 1804) / Atalanta Fugiens

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