今日、平成に次いで来月1日から施行される248番目の新たな元号が決まりました。新元号は
《令和》(れいわ)
です。今日の閣議で決定され、当初発表予定だった時刻よりも10分程遅れて、菅内閣官房長官から発表されました。日本中で大騒ぎになりましたし、未だにニュースで流れているので、この時間には御存知の方が殆どかと思います。
今回の新元号の画期的なところは漢籍に由らなかったことです。通常の元号は漢籍から文字を選んで付けられたもので、特に明治以降は元号がそのまま漢風諡号(没後の送り名)としても使われることを考慮して決められていました。しかし、今回の《令和》は漢籍に由らず、万葉集の春の歌の序文
『初春の令月にして気淑く風和ぎ、
梅は鏡前の粉を被き蘭は珮後の香を薫らす』
から採られました。何とも日本らしい、たおやかなものではありませんか。
特にこの『和』という字が使われたことは良かったのではないかと思います。平成は開闢以来、恐らく初めて戦争の無い時代となりました。来たるべき新たな時代を表す元号に、平和の『和』、和合の『和』、調和の『和』が使われたということは、そんな穏やかな時代を継承すると言った意味で大変喜ばしいことだと思うのです。
来月一日には現天皇陛下が皇太子殿下に譲位されて新たに令和天皇陛下が誕生し、現天皇陛下は上皇陛下におなりあそばします。紆余曲折の激しかった平成時代を国民と共に乗り越えてこられた現天皇皇后両陛下には、これまでの激務から開放された中でお健やかにお過ごし頂きたいと思います。そして新天皇皇后両陛下には、上皇・上皇后両陛下の歩みに倣い、国民と寄り添う方であって頂きたいと思います。