にのじ@ばよりん的日常

バイオリン弾きにのじの日常生活!
仕事や遊び、色々書き込んでます。お気軽にコメントを書いて下さいね!

人生、辿る道は

2007-03-19 01:32:55 | オーケストラ
オーチャード定期でした。
「死と変容」とマーラーの「交響曲第5番」という2曲。
「死と変容」は「死と浄化」とも呼ばれて人生を閉じる時、その心の揺れ動きと後の魂の浄化を描いた曲。
そしてマーラーはと言えば、人生を終焉から逆にたどる曲。
葬送行進曲に始まり、終楽章は子供たちの無邪気な遊び。
実に深く考えられたプログラムです。
演奏しながらその意味を考えていました。
マーラーもシュトラウスもこの曲をそれぞれ書いた時はまだ若かった、しかし自分の先を見据えとんでもない曲を書いたのです。
いったいどうすればこんな曲がかけるのでしょうか。
天才は、我々凡人には推し量れぬもの凄い才能を持っているんですね。
こうやってそんな才能の産み落とした音楽を演奏できる喜びをも噛み締めていました。

今日は終演後に新宿の高層ビルの53階にあるお店で送別会でした。
写真はその窓から下を見下ろした風景、今日は空気が凛としていて遠くまで奇麗に見えていました。
でも足下のこの空間に惹かれる物があって思わずシャッターを切りました。

送別会は東フィルをずっとエキストラとして手伝ってくれたI君を送る会。
彼は自分の人生を新しく拓いたのです。
バイオリンは残念ながら辞める事となりましたが、自分の興味のある分野の門を叩きそちらへと進むのです。
まだまだ若いI君の前途を祝しての宴会でした。
あの才能が音楽界から消えるのは惜しいのですが、新しい分野でも存分にその才能を発揮して頑張ってほしいものです。
その気遣いの細やかさでまた彼はその道でもみんなに愛されることでしょう。
期待しています!