横浜スローライフ -- My slow life in Yokohama

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FOSS4G2012年はアジアか?

2010年03月29日 19時14分43秒 | OSGeo/FOSS4G
 PostGIS開発プロジェクトの責任者であるPaul Ramseyのブログで、
First, we wanted to be more definitive about our regional siting plan, which is to rotate between Europe (2010), North America (2011) and elsewhere (with elsewhere being Asia (2012) in the current rotation plan). For 2011 the regional arrow points to North America, since 2010 is in Europe.
と書いてあった。

 なになに?いつの間にかFOSS4Gは世界各地をローテーションでやることになっているような書きぶりだが本当なのだろうか。

 2010年の開催地はスペインのバルセロナであるが、この開催地を巡るコンペには、コロラド州のデンバー、中国の北京、オランダのユトレヒトが名乗りを上げていた。もし、場所のローテーション原則が内々にあったのであれば、デンバーや北京は無駄に時間と労力をかけてしまったことになる。

 個人見解であるが、私はFOSS4Gカンファレンスは、技術カンファレンスとしての成功だけではなく、ITの一分野としての商業カンファレンスとしての成功も同時に目指す段階だと思っている。だから、世界から人がアクセスしやすい場所を優先するべきだ。ケープタウンもシドニーも、北半球の人口密集地から遠く離れているので、私はカンファレンス開催地としては適していないと思っている。いずれのカンファレンスも、参加者数は500名を下回り、スポンサーも限定され、財政的に基厳しくなって、そのツケは参加者へのサービス(食事、コーヒー、パンフレットなど)の低下と、一方において参加料が高止まりしてしまった。

 では、どこで開催すべきなのだろうか。北半球であればどこでも良いか、という点もある。発展途上国で人口が多いBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)などで開催すれば、開催地域からの集客という点では大いに期待できよう。豪華な会場、ホテルなどの箱ものも揃っている。こうした地域でのカンファレンスは、国土の計画的な発展、環境問題、防災にGISが寄与しているという点では、先進国で開催するカンファレンスとは違った意味で充実するだろう。しかし、どうしてもローカルカンファレンスのような色彩を帯びてしまい、ITの一分野としての商業性は色あせる。ジオな人は満足するが、ITな人にとっての魅力に欠けてしまうのが問題だ。

 そうなると、北半球の先進地域での開催となるのだが、逆にこの場合は、発展途上国からの参加者にとって旅費や滞在コストが高く、それ以前にビザも取りにくいなどの障壁にぶつかってしまう。それでも、商業的な成功へは一番ハードルが低い。

 さて、Paul Ramseyが書いているようにアジアでの開催だが、世界で最も人口の多い地域で開催するという点で意義がある。しかしアジア(特に東アジア)は、欧米から距離があり過ぎる(多数の航空会社が就航しているので距離の割には価格が安いが)。さらに、一口にアジアと言っても、経済、社会状況は地域によって差がありすぎる。日本で開催するのと中国で開催するのとでは全く違ったカンファレンスになる。ワールドカップのような日韓共催も現実的ではない。それを考えれば、地域ローテーション方式の開催は、その発想自体は「地理屋」的でおもしろいのだけれども、多角的な検討の上に導き出された方向性かどうか・・・?

 ちなみにアジアとなると、当然我々日本も対象の一つになる。
その日本で開催するとした場合には、次の障害がある。
 1)ドル、ユーロに比べて円が高く、開催費と滞在費等が高額になる
 2)英語でのカンファレンス運営が求められるが、地元の参加者にとってハードルが高い
 3)ローカルコミュニティやホスティングカンパニーが人的、財政的にまだまだ貧弱である

いずれも、そう簡単には解消できない。
 1)は、最近の円高でますますハードルが高くなっている。ただ、ホテル代は日本は欧米に比べると狭い分だけ安いし、高速インターネットが無料で使えるので、悪い話ばかりではない。
 2)は、困った問題である。基調講演などでは同時通訳を雇えば済むが、数々の発表まではとても手が回らない。
 3)開催地側は専属で数名を半年位投入しなければならないし、会場費を先払いしなければならないが、日本支部とその支援者にはそのような力はまだ無い

 それでも、もし地域のローテーションが原則になるのだったら、一度は日本でFOSS4Gカンファレンスを開きたいと思っている。1)と2)の障害はどうしようもないのだが、3)の障害は自らが力をつけて解消するしかない。Paulの言う2012年はいささか時期尚早だと思うが、さらにその数年後を念頭にできればと思う。

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1 Comments

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2012は早すぎ (hayashi)
2010-04-22 17:45:57
おー、2015年ってシドニーでは言ってましたよね。2012年なら今からLoto6とTotoBIGを買い込まないと!!
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