ふ~ん、ならそのクラウンはなぜGDAL/OGRを使っているのだろうか?GDAL/OGRは、OSGeoのプロジェクトで、ベクトルやラスター合計数十種類の地理空間データにアクセスできる優れモノのオープンソースツールである。世の中Shapeファイルだけで出来上がっているわけではないので、こうしたデータアクセスライブラリが果たす役割はとても重要である。その肝の部分にオープンソースツールを使っている著名商用製品はクラウンなのだろうか。
OGCのWMS、WFSなどのオープンスタンダードについて、MapServerは私の会社が取り組み始めた時には既にWMSに対応していたが、その製品はいつ対応しただろうか?2006年のWhere2.0でのブーイングに懲りて、ようやく最近になって「オープンでスタンダード」と言い始めても、事情に疎い一部の人をごまかせるかもしれないが、一番オープンでスタンダードを避けていたのは誰だったのだろうか。
そのベンダーが最近好きなGoogleだが、そこがとりわけ大好きなGoogle EarthもGDAL/OGRを使っているのを知っているのだろうか?
オープンソースであろうと、商用製品であろうと、優れたツールであれば世間は認めるのだ。優劣はソースコードの提供形態とは次元の異なる話であり、それをごまかしてオープンソースは劣っているかのようなプロパガンダを繰り広げるのは、シアトルの某M社がアンチLinuxキャンペーンに膨大な資金を投入した(ものの、結局Linuxは普及し続けている)やりかたの真似なのだろうか。
Googleはオープンソースツールを活用しているし、逆に様々な形でオープンソースコミュニティを支援している。例を挙げれば、Googleは昨年のFOSS4G2007でも、今年の2008でもスポンサー会社である。Summer of CodeでもFOSS4Gツールに大きな支援をしている。
AutodeskはMapGuideのとFDOのソースコードをコミュニティに提供し、最近では、地理座標変換ライブラリのCS-Mapをオープンソースとして新にコミュニティに提供した。さらにOSGeoの長期維持スポンサー(訳がどうもしっくりこないけど)として、財政的にも多大な貢献をしている。
一方、某社はそういう支援をしているのだろうか。オープンソースツールを使って多大な恩恵を受けておきながら、どんなコントリビューションをコミュニティに還元したのか? いろんなメーリングリストを読んではいるが、その種の話は結局聞けなかった。
それどころか、ここ日本では、オープンソースツールはカローラで、自らはクラウンらしい...(でも”カローラ”が無いと走れないみたいだけど、それにクラウンは燃費効率めちゃ悪いよね)。そのやり方は誠にフェアではないと思う。