横浜スローライフ -- My slow life in Yokohama

位置情報、地理情報に関するサービス、その他日常生活から思ったことを気ままに記す不定期のんびり日記

南武線沿いにオタクの巨頭を訪ねる(前編)

2006年08月26日 19時58分35秒 | スローライフ

残暑厳しい8月のある夕方、気鋭のオタクライフが限定公開されるという情報をキャッチした我々取材班は、精鋭の記者とカメラマンを引き連れて、JRの首都圏路線でもディープな南武線に飛び乗った。南武線沿線にはIT関連の企業が多いだけでなく、IT関連企業で働く戦士達の住処ともなっていることは、オープンソースツールによる統計情報の地理的解析によっても明らかにされているのだが、今夜の主役は後者に当たる。

我々はある駅で下車し、徒歩で取材先へと向かった。
既に日はとっぷりと暮れ、蝉の鳴き声の中、まだのどかな田園の雰囲気を残す道をしばらく歩いた。

すると、目の前に忽然と現れたのは鉄筋コンクリート造りの頑丈そうなマンションである。聞くところによると土木工学の専門家でもある巨頭は建設中に物件を見学し、建物構造について安全性を確認した上で決断したという。

部屋に案内された取材班の目にまず入ったものは、リビングルームにいくつもに重なるHDDレコーダである。素人目には同じ機能を複数持っても仕方ないように思われるが、実はそうではなく、それぞれの機器はそれぞれの役割を分担しており、いつでも全部が動作するようになっているらしい。


これだけ機器があるということは、そうだ、その数だけリモコンもある。

それぞれの操作を覚えるだけでも大変だ。
取材班一同、感嘆の声を上げた。

しかしそれはほんの序の口だった。我々は、別室に案内された。
なななんと! 暗幕に囲まれた空間があり、100インチのスクリーンが、これまたリモコンでスゥ~ッと降りて来るではないか!


そうか、これが我々取材班が事前にキャッチしたあの「シアタールーム」なのだ。
暗幕は巨頭の手作りで、生地を購入して自分で縫ったという。さすが巨頭、頭脳だけでなく手先も器用なのだ。

ふと、背後になにやら巨大な視線を感じてハッと振り向くと、、、

見たこともないような巨大な目、いや、プロジェクタが設置してあった。
説明によると、私の愛車「2000年型マツダデミオ1300」が買える価格を凌駕しているらしい.....

シアタールームには、リビングルームよりも本格的なHDDレコーダ、LDプレーヤ、各チャンネル毎の高出力アンプ、信号変換装置等々、その道のオタクにしかわからない機器が所狭しと並んでいた。う~ん、あの巨大目玉がクルマ1台なら、全部あわせたらマツダデミオ1300が何台買えるのだろうか、、、などとついつい考えてしまう私であった。
なお、言うまでもないが、リモコンも機器の数だけあった。



このシアターで生成される画像は、どんな最先端のオープンソース・商用問わずWebマッピングエンジンでも到達し得ないピクセル数と階調数であり、私は生まれて初めてこれほど大きくかつ精細な画像を見た。


このころになると、当初は「おぉ!」「すごい!」とか歓声を上げていた我々取材班でも、次第に無口になり、ただただ目の前で繰り広げられる事実を追認することしかできなかった。

これだけのシアタールームには、それにふさわしいだけのコンテンツが必要である。
まず、定番のスタートレック。全シリーズのDVDが揃っているのは言うまでもない。


暗幕の裏はDVD収納庫となっており、巨頭の説明によれば、1日に1枚見たとしても数年かかる分のコレクションという。ジャンルは古典的洋画、現代洋画、アニメ、萌え系アニメ、怪獣もの、科学系などレンタルDVD店並の充実ぶり、小心者の私には、いったいいくらかかっているのだろうと心配になるばかりだった。


驚きのあまりしばらく何も口にすることができなかった我々だが、巨頭の勧めで夕食を取ることにした。
(その2へつづく)


新進気鋭企業の社長が結婚したけど...

2006年08月25日 11時37分08秒 | ビジネスetc
DM Solutions GroupのDaveから1ヶ月ぶりくらいにメールが来た。
ちょっと前までは連日のようにメール交換をする「メル友」状態だったが、私の方もいろいろ忙しくてかなりご無沙汰していた。

実は彼は8月に正式に結婚した。相手は研究者。長身の彼とは対照的に小柄で、知的で気さくな人柄である。2004年のMapServerミーティングで出会ったというから、オープンソースは彼にビジネスのチャンスだけでなくて、出会いの場も提供したということになる。

彼の会社は急成長を遂げただけに、家庭を持つとその成長スピードはどう変わるだろうか。メールではこんな近況を書いてきた。

I discovered that a Wedding makes you forget about work very quickly! :)

メロメロ状態丸出し....いいですなぁ

この状態がいつまで続くのかな。人生に仕事よりも魅力のあるものができるのは本当に幸せなこと。でも、それによっては、北米のオープンソースWebマッピングの勢いが変わっちゃうかも(笑)。

スタバから始まった

2006年08月23日 23時33分16秒 | 地理情報関連

入門Webマッピング」(原著名Web Mapping Illustrated)のプロジェクトは、武蔵小杉の駅にあるスタバでが始まった。昨年8月にここギコの大塚さんからお話しがあり、31日にオライリーの編集者、大塚さんと弊社メンバーで顔合わせをした。話はその場で「やりましょう!」ということになった。昨日、ほぼ1年ぶりにその記念すべきスタバに行き、席こそは1つずれてしまったが、1年前と同じショートラテ(ホット)を注文し、そこから始まったプロジェクトを振り返ることができた。
(下の写真がその記念すべき武蔵小杉のスタバ)


そういえば、私の地理情報関係の出来事はスタバから始まることが多い。
その理由は比較的簡単で、駅前にあるから集合場所に便利、禁煙なので煙の苦手な私に安心、私はスタバのラテがお気に入り等々、、結局「スタバでお会いしましょう」ということになる。スタバは米国でも、台湾でも、中国でも、タイでも、シンガポールでもあるので(ちなみに全世界ほぼ均一の価格)海外でも「meet at Starbucks」となる。

そのスタバ自体との出会いは遙か1997年に遡る。
「海外の都市の地図を作りたいんですけど」という電話一本から始まった。
電話の主は地球の歩き方編集長(当時;今は代表取締役)のNさんで、その年の7月に内幸町(これまた当時)のダイヤモンド・ビッグ社を訪問した。そしてNさんに紹介されたのが、当時まだ数店舗しかなかったスタバ(日比谷シティ店)だった。スターバックスの誕生の歴史について説明を受け、名物として紹介されたラテを注文し、小一時間地図談義やNさんが訪問したシアトルのマイクロソフト本社の話などをしたことを覚えている。私はタバコの煙が籠もる喫茶店は苦手だったので、そこは天国で、すぐにお気に入りとなった。(お仕事の話はとんとん拍子に進み、世界の主要都市の地図を作成を開始したのだが、国内とは違ってなかなか一筋縄に資料収集が進まなかったことを覚えている。)

ところで、今私の自宅の最寄り駅には高島屋があるのにスタバがない。乗降客数の少ない別の駅(複数)にあるので、いったいどの様は店舗計画をしているのか疑いたくなるが、間違いなくここに常連客が渇望していることを忘れないで欲しい。


ゴーストタウン化の衝撃

2006年08月18日 00時33分55秒 | スローライフ
私の実家は名古屋市東部にあり、私が生まれた年に造成された住宅地にある。その住宅地は駅からバス便ではあるが、緑地公園を背後に100坪前後の広めの敷地にゆったりと一戸建てが建ち並ぶ良質な住宅街である。私が子供の頃はあちらこちらから子供の声がして、夜になれば習い事のピアノの音が響いて結構賑やかだった。

それから30数年が経ち、当時は綺麗だった家も、あるものはそのまま放置され廃屋状態となり、あるものはリフォームや建て替えられ、またあるものは売却分筆されて複数戸の住宅として分譲され、街の様相がかなり変貌してしまった。

もともと成功したサラリーマンが好んで住む住宅地だったこともあり、その子の世代も大学から大企業に進み、転勤族となって戻ってこない。母親に聞いてみると、当時社会の第一線だった人たちは70~80代になって、伴侶を失った一人暮らし世帯が急増しているらしい。小中学生はまず見かけられない。人口が急減しているため、日中でも1時間に6本あった路線バスも4本に減り、人口構成はまるで山村か離島そのもののようで、ゴーストタウン化している。

一方、わずか数キロ離れて、10年ほど前に新しく造成された宅地は、1区画が小さいこともあり手ごろな価格で、若い家族が大挙して押し寄せている。でもそれはほんの例外に過ぎない。

世の中は圧倒的に若い世代が減っている。今私の住む横浜の小学校も、1学年2クラスを維持するのに必死である。最盛期は8クラスもあったのに。

大学の卒論で、私は名古屋市都心部のインナーシティ問題を採り上げ、フィールド調査と分析を行った。その時は主として旧来住民の高齢化と郊外への移転、その穴を埋める”匿名型”マンション住民の急増によるコミュニティの緊張が大きな問題としてクローズアップされていた。私の実家は都心から人がやってくる「郊外」にあたったのだが、その「郊外」が今や静かに機能停止を待ちつつある状態だ。減りつつある人口を埋める人はどこからも来ないから、コミュニティは崩壊である。

日本の人口が減少し始めた。私の実家のある地域は、その未来を象徴しているように思え、重たい気持ちになった。

手入れを怠ると

2006年08月16日 23時08分54秒 | スローライフ
問題 この写真は何でしょうか?


答えは、愛知県の自宅。
実はこの写真の中程に、庭に続く小径があるはず。だが、その形跡は見えない。

今年は雑草が茂る条件が整っていたようだ。
5月に長雨、6月に酷暑、通常よりも1ヶ月早く伸びたためか、人間の背丈よりも高い雑草が生い茂ってしまった。

このままだと建物自体が傷んでしまうので、1時間ほど鎌を使って通路の開墾を実施。35度を超える猛暑の中、汗だくになった。ようやく通路ができて庭にたどり着いたが、そこもジャングル。もう、どうしようもない。業者に頼まないと、、、

ところで家は昭和30年代に建てられた土壁作りの平屋で、中に入ると外の暑さとは違って、ヒンヤリとしていて、ほんのりと土の香りがする。オール漆喰の内壁は昨年愛知万博で話題となった”サツキとメイの家”そのものである。この家は結構ビンテージものなので、最近は人気が出てきている(かもしれない)。

大収穫

2006年08月13日 23時53分37秒 | スローライフ
昨夜(正確には今朝未明)無事に名古屋の実家に到着した。こちらでも夕立が降ったそうで、劇的に涼しくなったそうだ。とは言え、同じように夕立が降った横浜よりはずいぶん蒸し暑い。東名を走ってくる時も、牧ノ原くらいまでは外に出ると半袖Tシャツでは寒いくらいだったが、浜名湖あたりからは何かムシムシしてくるのだ。

今日は子供達を引き連れて近くの緑地公園へ昆虫採集の下見。昨年コクワガタを3匹捕まえたクヌギの木は今年は樹液の出方が今ひとつ。少し歩いて樹液がかなり出ている木を発見した。タテハチョウが何匹も蜜を吸っているのでピンと来る。とりあえずカナブンを捕まえ、今年の初成果。夜9時半頃まで待って、懐中電灯を片手にその木まで向かう。そうしたらカブトムシ、ヒラタクワガタ、コクワガタ(いずれも雄)を発見。早速捕獲。さらに別の木で雄のカブトムシをもう一匹も捕獲。子供達は大興奮し、私も予期せぬ収穫にほくほく。

ここには子供の頃から住んでいたのだが、夜に昆虫採集をしに行ったのは、実は今日が生まれて初めてである。昆虫採集は好きな方だったが、親につきあってもらえず、行けずじまいだった。たまたま私の下の子供が「昆虫採集オタク」気味なのでせがまれて今回の初体験となった。親の面目が立っただけでなく、私自身も少年時代の夢が叶って本当に楽しかった。

追記:
翌日の晩も出動して虫捕獲に。同じ木にはカナブンしかいなかったが、目をつけていた別の木からカブトムシ(オス)1匹、クワガタ(オス)1匹、メス4匹発見。子供達は大喜び。ところで、ヒラタクワガタと前日記載したが、大型のコクワガタであることが判明。さすがにヒラタクワガタはあまり棲息していないだろう。

よりによって暑い名古屋へ..

2006年08月12日 16時32分28秒 | スローライフ
今日から実家のある名古屋に帰省する。
今年の名古屋地区は(毎年暑いのだが)とても暑い。最近は37度くらいになるようで、昨日は夜10時を過ぎても30度をなかなか割らない地域が多かったようだ。アメダスで報告される名古屋の数値は、名古屋地方気象台が比較的緑の多い丘陵地にあるため、本当の暑さを反映していない。おそらく、実際都心ではさらに1度あるいは2度近く高いだろう。

そんな地は、いくら長年住んだからと言っても、いったん温暖快適な横浜になじんだ身にとっては苦行以外の何物ではない。よりによって真夏になぜ全国有数の暑さを誇る名古屋に行かなきゃならないのか?

と、愚痴から始めてしまったが、子供達にとってはおじいちゃんおばあちゃんやいとこの待っている楽しみな場所で、市内でありながら貴重な自然が残り、クワガタムシも探せるため、暑さなんて気にならないようだ。

名古屋へのアクセスは、当然クルマだ。だが判で押したようなトヨタ車ではない。
愛車は名古屋ナンバーのマツダデミオだ。このクルマで名古屋から横浜に家族でやってきた。戻るのもいつもこのクルマだ。さすがに6年目になって、実は今朝も運転席のパワーウインドが動かなくなって来週末に修理と相成るなど、へたり気味ではあるし、子供の体重がどんどん増えてきたので、1300CCでは高速道路の坂道がきつくなってきた。それでも、燃費が良くて小回りもきくので日常生活には大活躍している。
ともあれ、暑い名古屋に、、、ぼちぼち出かけるとしよう。

複合機の進化に驚く

2006年08月10日 22時51分41秒 | ビジネスetc
私の自宅のリビングは多目的スペースで、妻のオフィス、子供の勉強部屋、食卓も兼ねている(要するにそこに全てが詰まっている)。最も広い空間をオフィス部分が占めていて、業務用デスクが2つ、3台のPCと2台のプリンタ兼FAX、そして電話が置いてある。(私のオフィスは別室にあり、これまた3台のPCがある)

この自宅オフィスは、帳票出力が多いため何かのためにプリンタは常時2台稼働できるようにしてある。その中でも家中どこからも印刷でき、両面印刷が可能、しかもデザインが良くて重宝していたHPの2550という無線LAN機能を持った多機能プリンタが故障してしまった。近所のパソコンショップ(PCデポ)に持ち込んだら、修理をすると新品が買えるくらいだ..と言われ、結局現行機種である7410を4万3000円ほどで購入した。

ここ数年の機能、価格の競争が激しいことは知っていたが、2550に比べて1万円安く、しかもオートシートフィーダ付きで帳票のコピーにはありがたい。操作パネルも思い切ってスペースが取ってありわかりやすい。それだけでなく、機器の設定の際に、2550は無線LAN設定時にいったんUSBケーブルでPCと接続しないと設定ができなかったが、7410は直接設定ができる。さらに、802.11bだけでなく11gも対応しているから、転送スピードも速いなど、年月相応の充実感がある。

SOHOとかがもてはやされているが、実に複合機には助けられていると思う。
2002年に会社を始めたときに、コピー、プリンタ、FAX、スキャナが一体化しているブラザーの”複合機”がちょうど5万円台で出てきたのは、心からありがたかった(この複合機はちょっとへたり気味だが今でも会社で現役)。それが無ければ貴重な創業資金を高価なOA機器に費やさざるを得なかったからだ。

今回改めて最新の機器を手にすると、その複合機はどこにも隙のない程進化しており、それに感心した。ただ、HPは日本企業とは違って説明書がかゆいところに手が届くようには書かれていないし、日本仕様とは関係のない部分まで日本語に翻訳されていたりしているちぐはぐさは、3年前とは変わっていないので、一般消費者にはなおも敬遠されるかも。

uDigでWMSレイヤを開く

2006年08月06日 23時29分49秒 | OSGeo/FOSS4G

先日OpenJUMPでWMSレイヤを開いてみたが、その後いろいろいじくってみたのだが、残念ながらダブルバイトの文字コードを含んだShapeファイルレイヤをうまく開けないようだ。つまり、WMSレイヤに表示されるベースマップに、別のベクトル形式のShapeファイルをオーバレイしようとしてもエラーが出てうまく表示できないようなのだ。Linux版ではその症状は無いので、どうやらWindows版でのバグのようだ。

さて、今度はuDigでWMSレイヤを開いてみることにした。uDigは先月に1.1RC2がリリースされた。私が以前試した1.1RC0ではWMSレイヤがうまく表示できなかったが、今度はほぼ問題なく表示できる(ほぼ、と書いたのは、縮尺変更を一気に行うと、時々ディスプレイウインドウが空白になってしまう症状があるからだ)。
uDigの場合は、デフォルトでは全WMSレイヤを表示しようとするので、そのままでは表示のスピードが遅い。表示したいレイヤだけに絞り込むとスムーズに動作する。(ちなみにuDigはWFSレイヤも表示できるようになっているが、今回は未調査)



uDigで残念なことは、SHIFT-JISの文字コードが入ったShapeファイルの場合は文字化けしてしまうことだ。PostGISのレイヤ(EUC-JP)は正常に表示できるので、空間データを全部PostGISに格納すればよいのだが、、、デスクトップGISツールでそんなことはちょっと非現実的である。uDigを用いたプロジェクトに恵まれれば、その中で国際化をしてしまうのだが、台所事情があって自前ではなかなかできないのがもどかしい。

半年前まではオープンソースデスクトップGISツールで、WMSやWFSレイヤを開くことは、特に日本語の環境において結構厳しいものがあった。それが今こうして実用一歩手前まで来ていることがわかると、開発者達の努力には本当に頭が下がる。

私の会社では、仕事の関係で主としてサーバ系のツールでのコントリビューションが多くなるが、デスクトップ系のツールでは2004年春のGRASSの国際化以降、なかなかその機会に恵まれていない。言い訳みたいになるが、一般的にデスクトップGISツールの方が、サーバツールよりも国際化はずっと大変である(GRASSはMapServerに比べてとても大変だった...)。だから、着手するならばそれ相応の時間とコストがかかってしまう。最近も、もう少しのところで、あるデスクトップGISツールを活用するプロジェクトが成立しかけたが、別の技術面の理由からお流れとなってしまった。

どなたか私どもにそういうプロジェクトを託してくれないものかと思いながら、まだその機会には恵まれていない。


OpenJUMPでWMSレイヤを開く

2006年08月01日 00時21分48秒 | OSGeo/FOSS4G

オープンソースデスクトップGISツールの1つでJUMPが知られている。2003年から2004年にかけて、カナダのVivid Solutionsが開発したものだが、オブジェクト編集機能や空間検索機能などが充実していたものの、Javaベースということもあり、肝心の動作が遅い点や使用メモリがどんどん増えて実用性に欠ける点が、多くのユーザーを遠ざけていた。ちなみに、日本語化版が筑波大学の村山祐司先生が「フィールドワーク支援GIS」としてリリースしており、こちらを使えば日本語が扱える。

そのJUMPの開発者グループから枝分かれして、OpenJUMPというプロジェクトが進行していたのは知っていたが、正直それほど関心を持っておらず、7月中旬にWin32インストーラ付きのバージョン1.0.1がリリースされていたことを、今日、会社のエンジニアが聞くまで知らなかった。こちらのプロジェクトには、Vivid Solutionsのエンジニアだけでなく、PostGISやuDigで知られるRefractions Reserchのエンジニアも参加している。

早速ダウンロードしてインストールしてみた。わずか7メガ弱のファイルサイズで、インストールにも時間がかからない。起動も早く、以前のJUMPとは比べものにならないほどだ。そして、OpenJUMPの良いところはi18N(言語の国際化)が完了していることである。つまり、日本語のファイルが正しく表示できる。次に、動作が思いの外速いことだ。さらに、豊富な機能はJUMPの良さをそのまま引き継いでいる。WMSレイヤも参照することができ、デスクトップGISツールとしてはかなり良い線を行っている。

とりあえず、自宅から会社の試行WMSサービスに接続してみた。(下の絵)



表示は思った以上にスムーズである。
もちろんこの上に別のベクトルレイヤを載せることもできるし、そのベクトルレイヤを編集もできる。

まだ十分に使い込んではいないが、結構やるな!という印象だ。