都内で午前中開かれたOSGeo財団日本支部の運営委員会に出席をして、午後会社に戻ってきた。そうしたら、「GoogleMapsが新しくなった」という話が聞こえてきた。見てみると、「地形図」というボタンが新設されていて、今までの「ハイブリッド」は消えている。
「地形図」は、レリーフ表現を行った美しいもので、道路網や河川がグレーでオーバーレイされており、地図としての実用性は結構高そうである。
そう思いながら、いろいろ見ていると、「???」という箇所がそこら中に出てくる。まず、ローマ字表記の地名がランダムに出てくるのだが、現在は使われていない古い地名、読み方を誤った表記、小字レベルの地名が中縮尺図で記載されているなど、日本人的な常識を知らない人が編集したとしか思えない。また、漢字の地名は主として市区町村名であるが、間違った漢字(読み方は正しくても文字が違う)があったりで、これまた日本人が監修しているとは思えないレベル。さらに、レリーフ表現も、誰もがチェックするであろう北アルプス付近で破綻していたり、品質管理が疑問である。
おそらく、作成作業は日本国外でやったのだろう(ベトナムとか中国かな?)。そして、納品時の検証作業に、日本人が実質的に関わっていないのだろう。
とは言え、GoogleMapsは、今度も一番乗りである。Googleはアメリカの会社だ。私はGoogleは好きだが、正直いつもこんなだと面白くはない。対して日本企業はいつも後手である。ミッドタウンのあの会社、目黒のこの会社、北九州のその会社も、結果としていつも後を追いかけるだけ(追いかけないことすら多い)。ブログ向けに気の利いたパーツを提供するのも、それはそれで良いことなのだが、マスユーザーのメインストリームに対して、Googleに先んじてアプローチをしてみないのか。コンテンツもあるし、ユーザーへのリーチもできているし、何と言っても日本人によるオペレーションだ。もっとユーザーのメインストリームに出てきて欲しい。
じゃあお前の会社は何をやれるか?って聞かれるかも知れない。フリースクロール型のレリーフ表現のWebマッピングシステムの構築は、ここのサイトとか、あそこのサイト向けに既に提供している。多分、うちが日本で初めてだろうと思うが、リンクを張れない。技術はあってもサービス事業者ではないだけに、強がりだけを書いているようで何だか歯がゆいが。
最近私のメールアカウントには、毎日150通くらいのスパムメールが届く。昨年の今頃はこの半分くらいだったような記憶があるので、えらい勢いで増えている。スパムフォルダに入った大量のメールを削除するだけで済むと言えば済むが、いい気分はしない。
同じように、スパム電話もいっぱいかかってくる。いかにも知り合いのような口調でかかってくるので、うっかり応対したら、金融先物のセールス、、、というパターンだ。もう少し顧客プロファイリングができていれば、余分なお金のない私を投資に誘うことなど無かろうに。
で、私はさらにまた、ヘッドハンティングのリストに載っているようで、「良い就職先があるから会ってみないか?」という電話がかかってくる(英語で)。「オイオイ、私は自分の会社を経営しているんだよ」と答えても、「あなたの収入よりももっと恵まれた仕事がある」とか何とか言って食い下がってくる。以前、外資系の会社に在籍したからか、この手のリストに載っているのは仕方がないが、どうして私の会社に電話がかかってくるのだろうか、、、しかも、昨日はメールが届いた....くだんの電話の主からだ(もちろん英語)。
「そんなに会いたいのなら会っても良いけど」と、ついつい根負けして返事を書いてしまった後、ちょっと冷静になって「なぜ私に?」と考えてみた。
可能性として
・地理情報業界で外資系ベンダーが人を探している
・海外の地図関係事業者が日本法人の責任者を探している
・海外の位置情報技術ベンダーが日本法人の責任者を探している
・海外のビジネスソリューションベンダが位置情報分野での責任者を探している
など、いろいろ考えられないことはない。
そこで、そのメールの送り主に「具体的にどの分野での人材を捜しているのか? 私のバックグラウンドにマッチしているのならば会っても良いよ」と返事をしたのだが、さすがにそこは教えてくれない。「あなたに合う沢山の仕事の機会が用意されています」だそうだ。
そんな話を会社でしたら、「じゃあ、社長自ら出稼ぎに行ってきたら」という...なるほど、それもよいかも。その方が、PostLBS開発の資金が稼げるなぁ...というのは冗談として、社長業を投げ捨てて金銭的にメリットのある仕事に転職、なんて私にはもちろん(信義的に)あり得ないのだけど、そういうオファーをしてくるあたり、外資系だなぁと思う。
会社のすぐそばの日本大通りの銀杏並木も、今が見頃である。下の写真は水曜日(21日)に撮影したのだが、かなり綺麗になっている。おそらくこの週末から週明けにかけてがベストだろう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/28/9e2cf74602a26fe97e001d6622d40027.jpg)
日本大通りは、「日本」らしからぬ通りである。
欧州の臭いがするとでも言うべきか、クラシカルな西洋建築が立ち並び、横浜開港以後の繁栄の歴史を感じることができる。普段は、オープンエアのカフェでのんびりとくつろぐロコ達で賑わっているが、雰囲気が日本離れしているためか、しばしばドラマや雑誌のロケが行われている。私は昼休み時に時々歩いているが、人や車で混み合っておらず、のんびり、ゆったりを体感できて大好きなきなスポットである。
英語を聞いていると眠くなる、というのは私もよく経験している。最近ではFOSS4G2007の最終日、時差ボケも手伝って貴重なパネルディスカッションで熟睡してしまった。その前のWhere2.0でも眠ってしまった時間がある。それ以前も、アメリカに行くたびに、時差ボケにやられ、英語は単に睡眠導入剤以外の何物でもないことを繰り返し体験している。必死に眠気と戦ってかろうじて意識はあっても、もう英語を理解できるほど脳は活性化していない。
では時差ボケのない日本でならどうか、ということで先日のOSGeo.JPカンファレンスであるが、さすがに司会進行をしていたこともあり、眠くはならなかった(あれで寝たら失格だが)。眠くならなければ、英語で何をしゃべっているのかを、神経を集中させている限りはほぼ理解できる。ああよかった...
さて、ちょっと真面目な話であるが、FOSS4Gの世界は、1つ1つのテーマに専門性がかなりあり、それぞれのコミュニティの規模は世界全体でも小さい。結果として、特定のテーマを掘り下げていくと、すぐに"メインストリーム”にたどり着く。無理に日本での独立したコミュニティを作ろうにも、メインストリームとの連携をうまく取る努力をしないと、お互いにメリットが生まれない。メインストリームとのコミュニケーションは当然英語となってくる。これが現実だ。FOSS4Gをテーマにして、国内の顧客に提案をするのであれば、英語の知識は別になくても構わないが、それ以外のシーンでは、英語を避けて通ることは出来ない。英語は、それを母国語とする人に圧倒的に有利で、そうでない人は不利だ。決定的に不公平なのだが、この枠組みからは逃れられない。
そういう現実が目の前にあるのにもかかわらず、私は日本人の(知識層の)英語によるコミュニケーション力は、かなり劣っていると思う。今まで私が訪問したアジア諸国の中ではダントツにビリである。何でなんだろう?これではいかにも損ではないか。一方、日本の英語学習市場は世界の中でも巨大であると、先日の”うさぎキャラ”で知られた企業の破綻記事の中にも解説されていたのに。
私の英語力であるが、ホームステイも留学経験も無いし、TOEICも英検も受けたことがないが、業務上の意見交換を口頭やメールでするのに最低限必要なレベルにはあると思っている。仕事の中で仕方なく使うようになり、6~7年かかって、やっとこのレベルになった。その道のりはNICTに私が連載しているブログでも触れたので、一度読んでいただければと思うが、私は36歳まではどこにでもいる、仕事で英語など使ったことがない人だった。私は決して英語環境に恵まれた人ではなくて、皆と同じところからスタートしている。だからこそ、何が言いたいかというと、皆さん思い切り苦労をして、ぜひ英語を使えるようになりましょう、ということである。
率直に言って、今回のカンファレンスのスピーカー達の英語をほぼ理解するだけでも結構努力が必要であるし、彼らに対して意見交換をできるレベルになるには、多分その倍以上の努力が求められるだろう。でも、地理情報の分野で価値ある人材として生き残っていこうとするのであれば、この努力は必ず報われると思う。
昭和60年卒業の私の名前も、もちろん載っている。しかし、連絡先住所は空欄で、電話番号は名古屋に住んでいた当時の古いものであるし、勤務先名が二つ前の会社のままだ。ミステリーは、なぜ私の横浜の住所にこれが無事届けられたか、ということであるが、会員のマスターDBは更新されず、一方郵送用のDBが実務上の必要から更新されているのだろう。
そんなことを思いながら、パラパラといろいろな世代の住所や就職先を見ているのだが、実に実にバリバリ地元(名古屋)志向なのだ。地元の公務員、教員、マスコミ、そして名古屋本社の企業が大半を占めていて、全国ブランドの企業はあまり見られないし、ましてや外資系の就職先はほとんど見られない。
私は大学進学時に東京の学校に行きたいと思っていたが、経済的な事情により地元の学校に進学した(後にも先にも受験した大学はこの一校だけ)。そんなこともあり、あまり地元志向は無かったのだが、こういうのはかなり少数派だ。
今でこそ名古屋は元気な地域として認知されるようになっているが、それは優秀な人材も含めて地元志向で、独自の経済圏を構築して運営しているからなのかもしれない。ただ、しばらく名古屋で働いていて思っていたのは、わくわくするような刺激も、ヒヤヒヤさせられる焦燥も無い、仕事にとってはかなり退屈なエリアであるのだ。そこそこ働けば、それなりに出世し、安定した暮らしが得られ、浮き沈みもなく、大過なく人生を過ごすことができるのが名古屋である。
私はやはり”変わり者”なので、そういうのが苦手で、常になにか新しいアイデアで挑戦していくような歩みこそ人生だと思っている。名古屋での仕事では、得られたものも大きいが、どことなく疎外感があり、結局収まりきれなかった。その後働いたアメリカ資本の会社の方が、自分に余程合っていた。そして横浜に定住するようになって、ようやく地域的にも自分にフィットする場を見つけたと思っている。だから、ここ横浜を大切にしている。
Tylerは昨日は鎌倉見物。江ノ島から富士山が見えたとのことで、ラッキーな男である。神奈川県南部は春と秋は快晴にあまり恵まれず、曇っていたり小雨が降ることが多いが、Tylerが東京都横浜に滞在している4日間は例外的に快晴が続いた。
最終日の今日は、会社のそばのレストランで「弁当ランチ」を食べた。
このお店は、いろいろな種類から選べるのであまり飽きが来ない。 これはハンバーグ弁当
なぜか、会社の外国人メンバーに人気で、いつもこんな感じ。店構えもまわりの雰囲気もちょっとヨーロッパ系。そこに、欧州人が陣取ると...ほらこの通り。 日本には見えないかな?
さて、腹ごなしに散歩。
赤レンガ倉庫から、大桟橋、さらに山下公園に行く。 青い空、青い海...
やっぱり横浜っていいなぁ~
寒くもなく、暑くもなく、本当にすばらしい天気だし。
最後に、会社でみんなと挨拶をして、TylerをYCATに連れて行く。成田から夕方7時のフライトでバンクーバーへと戻っていく。ちなみに、バンクーバー到着直後に、ブリティッシュコロンビア州のOSGeoミーティングに出席するそうで、なかなか忙しい身である。
大阪到着からまる8日間、精力的な活動をしてくれたTylerに感謝し、また会えることを誓った。彼曰く「Ja Mata!」。随分日本語もうまくなった(かな)。 じゃあまた!
Tylerさん、お疲れ様でした。
Tylerは笑顔でまるで学生みたい....(実際は妻子持ちであるが)
彼は本日夕刻の便で成田を旅立つ。さて、まもなく最後のランチを大桟橋のオープンエアレストランのJack Cafeでとることにしよう。
まず、オライリー・ジャパンを訪問。日本語版「入門Webマッピング」の担当編集者のKさんと対面。何度かメールでTylerとやりとりしているのだが、こうして会うのは初めてである。挨拶の後、Kさんが持ってきたのは「入門Webマッピング」をいきなり10冊。サインをして欲しい、ということで、彼も喜んでサインを書く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/cd/c5affece04a569819f91a03d291b7a5f.jpg)
ところで、この10冊は販売されるのであろうか?(なわけない、Kさんのコレクションになるらしい??)
さて、編集長のIさんも同席していただき、ランチを一緒に取る。いろいろ話をしていてわかったことだが、オライリー・ジャパンの場合、業務の大半がアメリカの本社で出版された書籍の翻訳ものの出版であるのだが、いつも翻訳者と原著者が強い結びつきがあるわけではないようだ。また、アメリカ本社と原著者とのコミュニケーションもいろいろのようだ。彼の場合は、私たち翻訳者が”顔見知り”なのでまだ良いのだが、Schuylerの場合、書店でGoogleMapsHacksの第二版が出版されていることを、日本の書店で偶然見つけるまで知らなかった(!)そうだ。
Tylerの場合、原著(英語版)が完売してしまっていて、その後どうなるのかを全然聞かされていなくて、ちょっとイライラしているとのこと。完売はすばらしいことであるが、日本のように増刷すればよいものを...(幸い日本ではコンスタントに売れているそうだ)
ちなみに、入門Webマッピングの場合、今度ドイツ語版が出る。訳者はOSGeoでもアクティブなメンバー達で、OpenEVの章をQGISに代えて、MapServerのバージョンも5.0にするなど、いろいろ新しくしているそうだ。
出版に関するエピソードも聞いた。出版企画を持ちかけたのはTylerからで、オライリー本社からの採用が決定する過程では、オーナーのTimが地図分野に強い興味を持っていたことが影響しているらしい。そして、本の題名は、最初はWebという言葉が無かったそうだが、営業上の観点でオライリー側がこのようなタイトルを勧めたそうだ。結果としてそれが良かったとTylerが感想を述べていた。
ところで、地図のことであるが、編集長のIさんが、地図出版で有名なS文社で海外ガイドブックの編集長を以前されていたとのこと。私も地図出版会社で働いていたので、意外な狭い世界を発見。
オライリー・ジャパンの訪問を終え、八重洲ブックセンターに行き、地下の地図コーナーを見学し、そしてコンピュータ書のコーナーで「入門Webマッピング」があるのを確認。やはり嬉しい。
その後、横浜に移動し、私の会社でOSGeoに関するディスカッションをしばし行う。その後、ホテルに案内し、いよいよ日本語版の訳者達との夕食会である。
もちろん、こういう機会は初めてである。5名の訳者の一人が療養中で来られなかったが、4名が揃い、レストランでイタリア料理を囲む。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/02/d0311d4686409ddd4136f6a7025e82bd.jpg)
ここで1つ面白い話を聞いた。Beginning MapServerという本が出版されているのだが、この著者であるBill Kroplaという人は、MapServerコミュニティの中で、誰も知らないのだそうだ。MapServerメーリングリストにも無いし、ウィニペグに住んでいるらしいことはわかっているが、過去においてSteve Limeと2度メールの交換をしただけで、そのメールアドレスも現在届かなくなってしまっているらしい。謎の人物である。
FOSS4G関係で、今いろいろな本の企画が進んでいるらしい。その中で、日本語版が出せる機会がまた巡ってくるかわからないが、この世界はまだまだ広がりそうなので、いずれはそんなことがあるかも知れない。
先週のOSGeo.JPカンファレンスの余韻もさめやらぬ(身体の疲れもとれず?)月曜日、今度は会場を東京に移して「OSGeo.JP東京ミーティング」が開催された。
会場は晴海トリトンスクエアにある、オートデスクさんのセミナールームをお借りした。大阪南港ATCとの共通点は、どちらも埋め立て地に位置するのだが、街としての集積度が(Tyler曰く)「全然違う」。
まず最初にTylerからのOSGeo財団の概要を説明した。OSGeo財団は「コミュニティのコミュニティ」であることが特徴で、地理空間関連の様々なプロジェクトの「傘」として、様々な機能を提供している。日本などの「支部」の活動もその一つで、こうした活動を通じて、世界的な視野で、FOSS4Gプロジェクトを支援していくのである。 終始落ち着いて話すTyler
続いて、Schulyerによる講演。 これがタイトル
大阪では、Geospatial and the Neogeographerというタイトルで講演をしたのだが、今度は、ちょっと違う。割とOSGeo寄りの内容にまとまっていた。GoogleMapsの登場がきっかけとなって、彼が勤務していたMetaCartaという会社で始まったOpenLayersというオープンソースプロジェクト、それがコミュニティによるコントリビューションを受けて瞬く間に成長していく過程、そしてOpenStreetMapへの関わり等を説明した。
事前に私が「大阪での君の英語はちょっと早すぎて、わかりにくかったよ..」と伝えたら、冒頭に「ゆっくりしゃべるけど、興奮すると早くなるんだ...」と言い訳からスタート。最初はとてもわかりやすいスピードだったが、案の定、徐々に(OpenStreetMapの説明あたりから)元通りの早口に...それでも、今日の彼の英語は、私が何回も聞いた中で一番わかりやすかった。
続いて、オートデスクの井上さんから、大阪でも行った「30分ライブのサイト構築」を実施。井上さんにとっては、ここがまさにームグラウンドなので、リラックスして25分ほどでサイト構築に成功。 まずは3分経過!
(井上さん、今回の会場手配、本当にありがとうございました)
そして、オークニーの”変な外人コンビ”、ダニエル・アントン組によるpgRoutingの説明とデモ。pgRoutingはいよいよ実用領域になってきたことが事例とデモとでわかる。 なぜか関西弁なまりのダニエルの日本語
10分の休憩をはさんで、事例セッションに入る。4つの事例発表で、私も興味津々のものばかりである。
第一弾は、パシフィックコンサルタンツの佐々木さんによる「オープンソースGISで日本の港を救え!」という意欲的なタイトル。 日本の港を救え!!!!
建設後50年ほどを経過し、日本の港湾は軒並み耐用年数が切れつつあり、メンテナンスが緊急の課題になっている(が、適正な管理と予算投下ができていない)。限られたコストを有効に活用していくためにも、FOSS4Gの活用が効果的であることを説明。Kowan Master(港湾マスター)と姉妹品のGyoko Master, Kuko MasterとMapGuide OpenSourceを利用したソリューションパッケージの展開をしていくそうである。(名前の付け方が何ともいい)
第二弾は、「Web2.0時代の住民参加型コミュニケーションサイト」と題して朝日航洋の嘉山さん、村田さんによる事例発表。MapServer, ka-MapというFOSS4Gツールに加えて、OpenPNEというOSSのSNSを組み合わせたシステムである。嘉山さんは「入門Webマッピング」に出会ってFOSS4Gの世界に着目し、この9月にはビクトリアのFOSS4G2007に参加して、ka-Mapのワークショップに参加して、晴れてPaulとLorenzoのまな弟子になったとのこと。すばらしい行動力である。 地図+SNSの事例を朝日航洋から
第三弾は、清水建設技術研究所の渡辺さんによる、「オープンソースGISを利用した社内空間情報利用支援システムの紹介」。社内に個別に存在していた空間情報(地質、地盤、活断層等)をFOSS4Gを活用してWebマッピングで配信できるようにした事例である。単なる導入コストだけでなく、システムの作り込みの自由度からもFOSS4Gの活用にはメリットが大きいという。 清水建設の渡辺さん
ところで、渡辺さんが持参したPC(写真の左側)、小生のものと同じだ。イーモバイルを繋いでいるところも同じ。思わず記念撮影! あれ、全く同じだ!
最後の事例は、大阪でも迷コンピであった応用技術の林、木村さんである。今度は「関西の自治体活用事例紹介」ということで、MapGuide OpenSourceとそのアドオンツールであるMGAidの紹介に続き、(多分大阪府内の)都市における導入事例の紹介があった。
ところで、下記の写真であるが、MGAidを使ったデモをしていただいているだが、
応用技術の林、木村組
画面のよ~く右下を見ると、おやおや? 読めるかな?
ポリゴンの描画が出来る機能の一例として、何とこんなことまで....”おお、すばらしい!”と来場者に大受け。
それまでなかなか笑いが取れず、大阪と東京都では笑いの反応が違うとお悩みの林さんが、してやったりの笑顔であった。
ほぼぶっ続けの4時間半、参加者もそろそろ疲れが出てきたところで、待望の懇親会。オートデスクの井上さんの音頭で乾杯! さあ、懇親会!
私にとっては、先週から続く、一連のカンファレンスの打ち上げ的な気分もあって爽快。ご協力いただいた皆様、本当にありがとうございます。
準備期間の不足、人手の足り無さ、資金面での制限など、いろいろと制約があったにもかかわらず、カンファレンスには多数の熱心な参加者に恵まれたし、Webサイトもオープンできたし、少なからぬ成果があったと思う。これから必要なことは、継続的な活動であり、その点ではまだ課題がいろいろ残っている。ほっと一息が何ヶ月にもなってはいけないので、引き続き気を引き締めて、OSGeo財団日本支部の活動を継続していきたいと思う。
それにしても、関空は...造りが贅沢すぎる。羽田や成田よりも(税金の)かけ方が違う。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/26/1ca9f455f56bd4674ec60e03322c4e11.jpg)
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大阪にはそんなものがやたらに多い。
カンファレンス会場のATCマーレも、何これ!という巨大で贅沢な造り。関空と同じパターンである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/47/a66c82fb978c3d3ac70176b8a902b3d2.jpg)
常識的に考えて、こういうお金のかけ方はあり得ないと思うのだが、税金を投入する際の常識が首都圏とは違うのだろうか?...などとちょっと悩んでしまう。
と、悩みながら関空で食べた夕食は、自由軒のカレーである。横濱カレーミュージアムが閉鎖されてしまったので、もう横浜では食べられなくなってしまっていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/75/4c99b175bed51f10b260a0df629f7d2a.jpg)
さて、スターフライヤー、羽田と北九州を結ぶ(あのゼンリンも出資している)新興の航空会社である。設立当初は神戸を拠点にしようとしていたと聞いているが、結局北九州空港を拠点にスタートした。いずれは北九州からソウル、北京、上海へも路線を広げるという触れ込みだった。しかし第二番目の路線である関空-羽田便は北九州とは縁がないのだが...まぁ、いいか。
この航空会社は「黒」をシンボルカラーとしている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/1f/7942f5cc5c53792fd26504260d43e97b.jpg)
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/b0/15c9e8b87184d816645d593a896bdd45.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/dd/4627f3fa80b505dd3f2573451d5f86f5.jpg)
座席などのハードウェアは一級である。国内線では珍しいほどまともな英語のアナウンスも聞けたし、接客も丁寧だし、乗ってみた満足度はとても高い。日本の国内線全てがスターフライヤーになってくれたら、と思うくらいである。9000円という価格はあくまでもキャンペーンで、実勢価格は13,000円くらいするので格安ではないが、大阪の南部に出張するのであれば、選択肢としてはとても良い。北九州をハブにするのではなく、羽田をハブにして欲しい、と思ってしまう。
国内の新興航空会社は、スカイマークが独立系として経営基盤をほぼ確立した以外は、どこも模索中である。今回のスターフライヤーの便も搭乗率は5割を下回っており、経営状態は厳しいだろう。大手航空会社と国土交通省が絡んだ権益の壁の前に、なかなか妙手を考えられないだろうが、大阪出張の際にはせいぜい利用して少しでも応援してあげたい。