横浜スローライフ -- My slow life in Yokohama

位置情報、地理情報に関するサービス、その他日常生活から思ったことを気ままに記す不定期のんびり日記

QGIS 1.0リリースと基盤地図情報WMS公開

2009年01月27日 10時15分56秒 | OSGeo/FOSS4G

 昨日、QGIS(Quantum GIS)の1.0がリリースされた。

「えっ?QGISって今までバージョンは1未満だったの??」

という声が聞こえそうだが、オープンソースプロジェクトは開発グループのポリシーがそれぞれ違うので、バージョン番号がどんどん上がっていくものもあれば、そうでないものもある。QGISは、2002年2月から始まったプロジェクトで、7年近くかけてようやく開発グループが「太鼓判」を押せるレベルになったということだろう。

 改めてQGISについての案内をすると、これは「汎用的なデスクトップGISツール」である。このジャンルにはArcGISなどの商用製品が軒を連ねている。QGISがこれらの商用製品と比べても、かなりのカバー率で対応できている。また、WMSやWFSなどのインターネット上のデータリソース、空間データベース(PostGIS)へのアクセスなど、数多くの外部データへのアクセスができるようになっている。

 また、GRASSの機能をプラグインとして使えるなど、他のソフトウェアの機能も取り込んでいるし、C++、PythonのAPIを提供することで、業務用途でのカスタマイズにも対応している。さらに、マルチプラットフォーム対応となっており、Windowsはもちろん、Linux、MacOSXでも動作する。

 でもって、誰にでも無料で使える。特殊な用途を除けば、商用製品を使い続ける必然性はかなり低くなっていると思う。つくづく、デスクトップGISツールにもコモディティ化の時代がやってきたなぁ、と。

 まだ商用製品でないとデスクトップGISツールはダメだ、と思いこんでいる人も多いと思うが、皆さん、ぜひ使ってみて欲しい(参考までにWindows版のダウンロードはOSGeo4Wというプログラム群の1つとして選択する形でインストールする)。

 もちろん、改善すべき部分もいっぱいあるのだけれども、それこそオープンソースプロジェクトなので、皆で良くしていけばよいのだ。

 ところで、同じ昨日、基盤地図情報25000WMS配信サービスが始まった。
 これは、近畿中国四国農業研究センターが提供するもので、利用は無料。さっそく真新しいQGIS1.0でアクセスをしてみた。

 とってもサクサク動く。(文字通りの)白地図ベースマップとして使える。個人的には等高線が見られるのが嬉しい(最近の地図サービスでは等高線が虐げられているのがちょっと悔しかったので)。


  QGIS1.0+「基盤地図情報25000WMS配信サービス」はこんな感じ

 なお、ここでは地名が表示されていないが、同じ近畿中国四国農業研究センターから、自治体名WMS配信サービス(仮運用)というのが公開されているので、こちらと重ね合わせることで、最低限の地名が表示される。

 QGISの場合、WMSサービスをいったん登録するとそのアクセス情報が保存されるので、次回以降はURLなどを設定する必要は無い。お金の面でも、手間の面でも大変敷居が低いので、是非お試しあれ。


コモディティ化の時代

2009年01月24日 23時15分30秒 | ビジネスetc

国内の自動車販売数が落ち込んでいて、2~3月はメーカーによっては工場稼働日を通常の半分くらいに下げるという。

昨年からの金融恐慌のあおりで、皆が財布のひもを縛っていることによる減少幅も結構あると思うが、ベースには、クルマ自体に対する「過剰な購入」が終焉を迎えたことにあると思う。既に2007年末時点で、国内新車販売が前年比6.7%減という数字が既に出ていたし。

若者のクルマ離れ、という表現をよく見るが、別に若者でなく私のようなおじさんだって、冷静に実用性や経済性を考えれば、クルマにことさらお金をかける理由は無くなってしまう。ただ、クルマの市場はものすごくでかいので、クルマにプレステージ性を求める層は、絶対数は減っても一定数はあるから、そこではそれなりのマーケットが成立するだろう。何でも、このご時世でもフェラーリは販売台数が維持されていると新聞にも書いてあった。

ともあれ、クルマにお金をかけるという価値観が廃れてしまうと、これに連れてカーアクセサリーの市場が大きく変わる。筆頭に上がるのがカーナビ。ナビは実用品としての価値は高いが、最近では10万円未満のポータブルナビで実用性が担保できることがわかってしまった以上は、30万円もするナビを購入する必然性は無くなってしまう。

私は、いくらナビが役に立つからと言って、それに30万円もかける行為自体が不思議でならなかった。実用品なら、せいぜい数万円で購入できるべきであって、その価格帯のものが実用性が無いのであれば、その市場自体はまだ成熟していなくて、贅沢品としての部分が多くを占めていると解釈してきた。

そういう視点からは、高額なナビの出荷台数が何百万台...というバブルな状況が10年以上も継続してきたのは奇跡に近い。

今、クルマにプレステージ性を感じる人が少数になった以上、高価格ナビのバブルも崩壊したと言える。本来なら徐々にそれが進行したのだろうが、たまたま金融恐慌が重なって、劇的に進行したに過ぎない。この金融恐慌が落ち着いても、マニアを相手にした一部の高級ナビを除き、以前のようなプレステージ性で売れる商品では無くなって、コモディティ(実用品)になっているだろう。

今まで高額ナビに依存していた企業は、バブルがあまりにも長かったために、さながらゆでガエル状態だ。成功体験が忘れられず、ポータブルナビを「安かろう悪かろう」と軽視して、「収益重視」とばかりに過剰品質の高額品に注力していたら、この先の企業生命は無い。劇的な構造変化を直視し、それにどれだけすばやく対応できるかで、生き残りや次の成長がかかっている。

ナビほどの市場規模ではないけれども、私がかって在職していた地図会社でも似たようなことがあった。その会社は80年代半ばから90年初頭にかけて出版道路地図の表現技術で顕著な実績を挙げた。「きれいで見やすい地図」と評されるが、その実は「情報量を増加させてもノイズとならない表現技術」がもたらす印象であった。そして、その会社はやや高めの価格設定でありながら、強い商品力によって指名買いされてグングン売上を伸ばして行った。

残念なことに表現技術というものは真似されやすいし、著作権としてグレーゾーンで守りにくい。他社が表現技術を模倣するまでには年月はそれほどはかからなかった。いつの間にか、出版道路地図は全て似かよったものとなり、市場に溢れるようになった。「きれいで見やすい地図」はその会社の専売特許でも何でもなく、コモディティになったのだ。コモディティのフェーズになったら、それ以上「きれいで見やすい地図」づくりのための投資を行ってもリターンはほとんど期待できない。

だが、過去の成功体験は組織の感受性を鈍磨させる。市場では商品力の差が見えなくなっても「うちが一番きれいで見やすいから売れるはず」「うちこそ一番商品力のある地図が作れる」という論理が組織を貫き通してしまいがちだ。

私は、90年代に企画営業や新規事業開拓に従事していた。

最初は「きれいで見やすい」で優位に仕事を進められたが、程なくして、それだけでは出版道路地図でそれが通用しなくなり、続いて、有力なライバルが少なかった電子地図市場ですら、優位性を維持することが次第に難しくなっていることを感じるようになった。そして、別の方向で事業性を見いだしていかないと大変なことになると心配し、システムやサービスの中で使われやすい地図作りが必要だと思うようになった。コモディティ化しつつあった地図市場は、それまでの理屈が通じないものに変質しつつあったからだ。

冷静に市場を見ていれば、供給過剰かつ縮小傾向の出版道路地図分野に巨費を投じるというトンチンカンな経営判断はあり得ないのだが、私が退社して2年ほど経ってからなされた決定は、その「あり得ない」ものだった。その結果がもたらしたものは、出版道路地図市場からの退場に留まらず、2004年末の経営破綻だった。当時のマネジメント達には、このレベルのマーケティングすらできていなかったことになる。


さて、時代を今に戻そう。

Googleが地図をWebの中に取り込んでしまってから4年近くが経った。その後、乗換案内やストリートビューなど、「地図」以上の要素を追加している。しかも、多くが無償で使えるAPIとして開放されている。Googleによって、地図と周辺機能のコモディティ化(日本語的には”ユニクロ化”と表現した方がわかりやすいかも)が大きく進んだ。

結果として、Googleの地図がなかなか更新されなくても、意外に情報量が少なくても、色づかいが大味で判別性に劣っていても、"検索エンジンと連動していてそれなりに使えるレベルであれば、他に多少優れたものが存在していたとしても、多くの人はそこに集まってしまう。私のように地図に一定のこだわりがあれば、複数の地図サイトを比較したりするが、そういう愛すべき物好きは10%もいないだろう(逆にこのブログの読者には多いと思うけど...)。

残念ながら地図の世界には、クルマと違ってプレステージな市場も無いので、Googleと類似の分野で事業の有効性を見いだすのはかなり困難だ。その代わり、業務用途に特化するとか、地図そのものではない周辺領域を事業テーマとする必要があるだろう。いずれにしても事業成立は容易ではない。業務用途はGoogleMapsAPIを使えば結構なことができるので、期待するほどには市場は出来上がらないし、カーナビはGoogleが”まだ来ない”分野として有効だったが、上で述べたとおりの状況である。

市場がコモディティのフェーズになったら、それまでは先進性や専門性で食べてきた企業は路線を大幅に転換しなければならない。地理情報分野は、それ自体がコモディティのフェーズになった。株式投資で昔の値段を覚えていては失敗してしまうように、現実に即した対応のみが価値を持つようになる。

地理情報分野のプレーヤーは、良く言えばおっとりと、悪い表現では鈍感に構えているところが多いので、果たして激動の今年一年、どう対処できるだろうか。と、勇ましく書いてみた私も、その中の一人なんだけど。


横浜は早くも春が到来

2009年01月12日 17時21分28秒 | スローライフ

 今日のような強い冬型の気圧配置になると、我が故郷の名古屋は伊吹おろしと呼ばれる北西からの強い季節風が吹き、気温はグッと下がって、さらに体感気温ではもっと寒く感じたものだ。ところが、南関東、特に三浦半島や湘南エリアは、こういう日でも実に暖かいのだ。冷え性の小生にはこれは実にありがたい。今日も12度近くまで気温が上昇したし、風も西南西から吹いて”寒風”と表現するには物足りない。

 良い天気に誘われ、すぐ近くにある自然公園まで出かけてきた。

 日差しは思いの外暖かい。そして、驚いたことに、梅が早くも3分咲きであった。まだ1月も前半なんだけどなぁ...

 紅梅

 白梅

 その公園から海(東京湾方面)を見渡せるのだが、ならばついでに海へ...ということで金沢八景方面に足を伸ばした。

 向こうは八景島

 さすがに海まで出ると風が冷たく感じられるが、普段会社に出勤するときの格好でしのげるくらいのレベル。大したことはない。

 カモがのんびりひなたぼっこ

 いいなぁ、春っていいなぁ...と嬉しく思っていたら、ということは、あの忌まわしい花粉のシーズンがやってくることなのか、とふと我に返って、一気に憂鬱な気分に。帰りのクルマの中から周りの山を注意してみてみたら、梢が茶色くなって準備万端の杉木立がいっぱいである。ああ、このまま暖かくならないでくれ!


みなとみらいでバイオリンのコンサート

2009年01月10日 10時42分34秒 | スローライフ

 昨夜はみなとみらいホールで開催された、ヒラリー・ハーンによるバイオリンのコンサートに行ってきた。

 実は、自らの意志でクラシックのコンサートを聴きに行くのは生まれ初めて(マジ)。そこまでに至る過程を説明すれば長くなるのだけれども、こんな感じ。

(1)iPodで音楽を楽しむ生活が数年間続き、POPsばかりではなくて、クラシック(特にバイオリン)も少しは聞きたくなった。
(2)オーケストラよりも無伴奏の曲がいいな、と思っていたので、アマゾンで探して、評価が高かったヒラリー・ハーンのCDを昨年6月に購入した。聴いてみたら、彼女の抜群の腕前に感服し、いたく気に入って、お気に入りの1つになった。
(3)昨年11月にネクストパブリッシングの千葉さんのお誘いで30年ぶりに楽器を出してきてから、バイオリン演奏がリアルな生活に入ってきた。
(4)お手本としてヒラリー・ハーンのCDを毎日のように聴くようになり、まずます彼女のすばらしい演奏に惚れ込んだ。
(5)昨年12月、昼休みに私の回遊ルート沿いにある「みなとみらいホール」の前を歩いていたら、見覚えのある顔のポスターを発見。何と、ヒラリー・ハーンが2009年1月にそこでリサイタルを開くとある!!
(6)天命のようなものを感じ、チケットを購入!
という具合。

 みなとみらいホールは、会社の目の前、歩いても2分くらいのところにある。19時からの開演だから、10分前に会社を出てもゆとりで間に合う。つくづく「みなとみらいに会社を移転して良かった」と思った瞬間である(公私混同ゴメン)。それに加えて、横浜。やっぱり首都圏はいいなぁ。世界中から演奏家が来てくれるから(名古屋出身の小生にはありがたみがわかる)。

 ヒラリー・ハーンの演奏は、それはそれはすばらしかった。イザイの無伴奏ヴァイオリンソナタは、弾くのがとても難しいという話は知っていたが、彼女の技巧は秀逸で、さらりと完璧にクリアしてしまう。そして、楽しそうにリズミカルに演奏しているので、まるでその楽曲の演奏が容易であると勘違いしてしまうほどだ。ブラームスのハンガリー舞曲も躍動感に満ちあふれているし、初めて聴いたアイヴスのヴァイオリンソナタも、演奏のダイナミックレンジの大きさに感銘した。バルトークのルーマニア民族舞曲も、その1つの楽章をフラジオレットだけで弾き通すのだが、あっぱれ完璧だった。う~ん、恐るべき演奏家だ。その人が、みなとみらいの、自分の目の前にいて演奏しているのだ。

 「(にわか)アマチュア演奏家」としては、彼女の奏法から何かを学び取って活かしたいと思って、目をこらしてボーイングや指捌きを観察した。身長が私と2センチしか違わないので、そのままそっくりまねることができれば、もうちょっとは私の演奏も改善されるかも知れない(と、書くほど容易ではないのだが)。

 たっぷりの感動をもらって家路につく。桜木町の駅に到着したら、「人身事故によりダイヤが乱れております」とある。ありゃ~..

 寒いホームで待ったあげく到着した電車は東急田園都市線級の混雑で、カバンから手を離しても落ちないくらいで、ヘロヘロになった。

 せめて感動をそのまま家に持ち帰りたかったんだが、どうも自分の星巡りはどこかで狂うのだ orz
 


引きこもりな正月休みに発見したガジェット

2009年01月05日 23時56分21秒 | スローライフ
 今年の正月休みは終わってしまい、今日から真面目な社会人生活が再開した。休暇中は事実上引きこもり状態で、ほとんどどこにも行かず、無駄なお金も使わずにすんだのだが、実は少し使った。

 近所のパソコンショップでセールがあって、こんなものを購入した。1万円少々だったから、人柱となってもOKと思って即断即決。 イーモバイルのUSB端末を繋ぐと、どこでも(AC電源さえあれば)無線/有線LANルータになるという触れ込みだ。

 イーモバイルルータ CMR-350

 商品企画は目から鱗の製品である。1台だけのPCしか使えないと思っていたイーモバイルの端末が、ブロードバンドルータになるのだ。展示会やセミナーで、ブロードバンドネット環境を用意するのに苦労することが多いのだが、そんな時にはこれ1つあれば用が足りる。さらに、iPhoneからもつながるので、ソフトバンクのネットワークがショボイ時(実際そういうシチュエーションが多くて困っているが)には、ソフトバンクよりもエリアは狭いが、圏内ならば遙かに安定しているイーモバイルの方が確実にネット接続ができる。

 ところで、2ヶ月前にイーモバイルを解約した小生である。肝心のイーモバイル端末がないので試せない。ようやく今日、会社で1台展示会向けに契約しているUSB端末(D01HW)に繋いで試してみた。実機のファームウェアでは接続が不安定なので、早速バージョンアップをしたところ、全く問題なく使える。これは本当に便利である。

 当面は、展示会などのイベント向けの機器として重宝するだろう。いや、むしろこれは頻繁に引っ越すような個人用途にこそぴったりだと思う。ネットアクセスを含めて複数の通信契約を結ばざるを得ないことが多いのだが、このセットを使えば、外出先でも自宅内でも同じようなブロードバンドアクセス環境が手に入る。光ファイバーに比べると通信速度が桁1つ落ちるのだが、通常のWebアクセスならば、大きな問題は発生しないと思う。

 ともあれ、これはお奨めである。

年頭に当たり

2009年01月04日 14時35分47秒 | ビジネスetc
 未曾有の経済混乱と地理情報分野への影響など、年末年始にはいろいろ考えをすることが多かった。その過程でたどり着いたのは、悲観視も楽観視もせず、粛々と己の信じる道を歩むべし、という結論だった。

 それを地理情報分野の一企業の経営者としての挨拶として記したので、よろしければご一読いただきたい。

今年も残すところわずか その2

2009年01月01日 00時19分10秒 | スローライフ

 まず、「今年も残すところ...」というタイトルで書きかけていたら、2009年になってしまったのだが、ご容赦を。

 直接仕事に関わる話は別の機会にしておいて、プライベートでもなくて最大の出来事は、歴史的な金融恐慌の発生だった。私の社会人人生は、90年のバブル崩壊、2001年のITバブル崩壊など、日本の経済の混迷そのもので、残念ながらあまり追い風を受けながら仕事をできたという体験が乏しい。今の会社を始めたのも、9.11によるアメリカの景気の急激な後退のあおりで勤務先が閉鎖されたことがきっかけであるし、その前の地図会社を辞めたときも、仕事に先が見いだせなく感じたからだし、前向きな話は残念ながらなかなか出てこない。

 今回の金融恐慌、直接の打撃は、少しだけ保有している株式の目減りくらいで、今のところは新聞等で騒がれるほどでもない。日本の基幹産業である「自動車」「電機」に直接身を置いていなかったのが幸いしていると思うのだが、"基幹産業”が総崩れしたら、私がいるような業界も含め、全ての日本の産業が大打撃をいずれ被るだろう。それが現実になる前に最小限で食い止めるのが政治の力というものだが、どう期待してみていても今の首相や官邸には、この未曾有の危機の舵取りをできるような器がいそうにない。しかし、権力の座には最大限にしがみつこうとしているから、おそらくその間に危機は基幹産業から全産業に波及してしまうだろう。

 秋以降、私は日経、ロイターやブルームバーグのチェックが欠かせなくなった。この金融危機が日本の実体経済にどのくらいのインパクトをもたらすのかを知りたかったからだ。程なくそのインパクトが大ききことが見えてきて、しかも次第に甚大になっていく様を知るにつれ、冬の時代の到来を否応なしに迎えねばならない覚悟を持つに至った。

 例えば、”日本経済が3割減少する”という事態が発生したら、それぞれの産業が3割減の売上になるということではなくて、ある産業分野は消し去られ、またある分野は現状維持で...など、様々な度合いで影響がでるだろう。今回は、耐久消費財系の業種や産業機械系は下手をすると3~4割減くらいの被害になりそうだが、我が地理情報分野はどうだろう?

 地理情報分野といっても、多岐にわたっていて、例えばWebやインターネットに依拠する地理情報分野と、産業インフラ管理を行う地理情報分野とは別物と考えるべきだろう。公共分野の市場比率が高いので、景気の動向よりはむしろ政策の動向に影響される面も大きいだろう。一方、カーナビ分野は自動車産業の一部なので相当な影響が避けられないだろう。それぞれの分野ごとにいろいろ考えてみると、カーナビ分野以外はあまり激しい落ち込みにはならないように思うのだが、いずれにしてもじわじわと落ち込んでいくのではないだろうか?

 あんまり悲観的な予測をしてもどうかと思うが、歴史的事象の中で生きる宿命にある者としては、そうした事態への覚悟も十分にしておかないと、、、と思う。