横浜スローライフ -- My slow life in Yokohama

位置情報、地理情報に関するサービス、その他日常生活から思ったことを気ままに記す不定期のんびり日記

2012年のSol Kats賞はベンカテッシュ・ラガワン教授に!

2012年10月27日 11時06分21秒 | OSGeo/FOSS4G
 FOSS4G Tokyo/Osaka開催直前に、ビッグニュースが入ってきた。
 大阪市立大学のベンカテッシュ・ラガワン教授がSol Kats賞を受賞することが決定したというもの。

 我らが「隊長」こと、ラガワン先生、おめでとうございます!!
 この受賞を記念して、FOSS4G Tokyo/Osakaでラガワン先生の記念講演を急遽計画中である。

 この賞は、OSGeo財団がFOSS4Gに多大な貢献をした人物を、年に1回(1人)表彰するもので、過去7年間で下記のとおりFOSS4Gの世界ではそうそうたる人たちが受賞している。(逆に、この人って誰?というのが3人とかいたりしたら、そういうあなたはぜひFOSS4Gハンドブックを買って勉強して下さい・・・)

2011: Martin Davis
2010: Helena Mitasova
2009: Daniel Morissette
2008: Paul Ramsey
2007: Steve Lime
2006: Markus Neteler
2005: Frank Warmerdam

 先生は、日本はもちろん、世界的にもとても早い段階で、地理情報分野のオープンソースツールの利用普及に取り組まれてきた。FOSS4Gという用語の「発明者」としても知られている。

 私の会社、オークニーが今日「FOSS4G」で事業が成り立つようになったのも、2003年にラガワン先生との出会いと先生からの協力がいただけたことがきっかけです。そういう意味で、私個人としても、本当に嬉しい。

FOSS4G Tokyo/Osakaが11月上旬に開催されます

2012年10月21日 10時16分47秒 | OSGeo/FOSS4G
 2008年以来毎年東京と大阪で開催される、オープンソース地理空間情報テクノロジーに関するイベント「FOSS4G Tokyo/Osaka」が、今年も11月に開催(東京が11月3日から5日、大阪が11月7日から8日)される。

 今や、位置、地理情報系のサービスで、オープンソースツールが全く採用されないものは希少になっている。そして、業務や研究目的での、分析や管理に用いられるデスクトップ利用のソフトウェアの世界でも、オープンソースツールが爆発的な勢いで採用されるようになっている。

 その理由は大きく三つある。1つ目はライセンス料が不要なこと、2つ目は利用制限が少なく自由であること、そして3つめは最新の技術やノウハウが投入されていることだ。ひとたび、オープンソースツールの良さを知ってしまえば、人はもう後戻りできない。

 ともあれ、今年のFOSS4G Tokyo/Osakaは、その最前線がわかる貴重なイベントだ。しかも、講演、発表内容、ハンズオンセッションも、年を経る毎に充実している。ぜひ、多くの方々にご来場いただきたい。

僕らはもう後戻りできないのだ

2012年10月20日 23時10分22秒 | 地理情報関連
 先月下旬にこのブログに投稿したiOS6地図の記事だが、実に多くの方々に反響を呼び、160万を超えるgooのブログでアクセス数が3位になるなど、思いもよらなかった状況を迎えた。その結果、いくつかの新聞社、雑誌、Webメディアの取材を受けるほどになってしまった。先日、日経電子版に掲載された記事は、私だけでなく、複数の識者への取材を行い、バランス良く今回の騒動の原因について説明されている。ぜひ、一読いただきたい。

 さて、私のブログは、主として地理情報系の興味とバックグラウンドを持っている人が読者の大半を占めていて(と、勝手に思い込んでいる)、地図の話題は世の中のニッチだと思いがちだ。しかし、今回の事態が物語っているのは、「未だかつて、これほど地図に関した話題がホットトピックになった時代があっただろうか」ということだ。

 iOS6の地図騒動は、アップルのCEOが謝罪までするという事態になったのだが、今やスマホにおける地図アプリは、誰にとっても欠かせないものになっていたことを如実に示している。誰だってコンビニやカフェを探して街中を彷徨いたくない。Googleのマップアプリが、それをものの見事に探し出してくれるので、すっかり僕らは無駄足をせずにすむようになった。スマホさえ持っていれば、どこにでも行ける、何でも探せるのだ。この便利さを体験した我々は、もう昔に戻ることはできないのだ。だから地図アプリは、間違いなく「キラー」なのだ。そして、大資本がしのぎを削って衝突する対象になったのだ。

 思い起こせば、私が社会人になった80年代後半、スーパーマーケットの駐車場を歩くと、地図帳を備えている車の割合は意外に少なく、2割もあればよい方だった。「地図なぞ使わないでもドライブできる」「迷ったら人に道を聞けばいい」という人が沢山いた。しかし、そういう人たちは今は絶滅危惧種状態だ。90年代後半以降、いったんカーナビの便利さを体験した人たちは、カーナビのない車を運転しようとはしない。というか、カーナビのない時代のドライブを、もう想像すらしない。あたかも、サーチエンジンの無い時代の、さらに昔にさかのぼるとe-mailの無い時代の仕事風景を誰も思い浮かべられないように。

 僕らはもう後戻りできないのだ。