横浜スローライフ -- My slow life in Yokohama

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ラストワンマイルの消滅 - 固定電話がメタル回線から無線になった話

2016年02月12日 14時04分57秒 | スローライフ
 自宅の固定電話が、メタル回線から無線に変わった。

 我が家の固定回線はNTTではなくKDDIの「メタルプラス」という契約を結んでいた。そのサービスが今年6月末をもって終了するにあたり、後継サービスとして「ホームプラス」電話があるとの案内がしばらく前に届いた。世の中無線やFTTHが主流になり、メタル回線は採算性の悪いものになってしまっていたのだろう。

 説明書きを読むと、ホームプラスはメタル回線には接続されないが、固定電話として使えるとある。どうやって実現するかという技術的な説明は書かれていなかったが、どうやら携帯電話回線を介して仮想的に固定電話環境を実現する仕組みのようだ。かかってきた固定電話はKDDI側で携帯電話網に転送され、自宅の専用機器に着信し、それを固定電話形式の信号に変換する。逆にかける電話は専用機器で携帯電話網に転送され、KDDI側で固定回線に変換され、NTT網に渡される。この仕組みによりKDDIは、それまでNTTに支払っていたメタルの借り受け料が不要になるので、収益性が大幅に高まるだろう。

 先日、その切り替え工事が行われた。白い小型のボックスは、070で始まる携帯電話番号があてがわれている。それに従来の電話機からのモジュラーを差し込む。そしてボックスの電源を入れる。たったこれだけで工事完了。電話もファックスも従来どおり使える。ただし、110番などの緊急番号発信者の「位置情報検出」ができなくなるらしく、それへの注記が付してある。
 これに070で始まる携帯電話番号が設定されている

 今まで、固定電話は必ず自宅のモジュラーに接続しないといけないので、置き場所を限定されていたが、この仕組みを使うと、どこに持っていっても良いことになる。要するに「固定」しなくても良い。理屈の上では、KDDIの携帯電話さえつながるエリアにいれば国内のどこに移動しても「固定電話」として使えるはず・・(?)

 そうすると、一体固定電話って何なんだろう?と疑問すら出てくる。既に携帯電話しか持っていない世帯が増えている中で、我が家は使用頻度が大幅に低いにもかかわらず、固定電話を維持している。思い切って捨ててしまっても、そんなに大きな害は無いと思うので、単にノスタルジーを感じて踏み切れないだけとも言えるかもしれない。

 それにしても、「ラストワンマイル」をあっさりとクリアするこの手法、とても地味な領域であるが、メタル回線網に必要な設備、電柱、電話線とそれを敷設して維持するための人材を究極的に不要とする、とてもドラスティックな革新である。
 空っぽになったモジュラージャック