横浜スローライフ -- My slow life in Yokohama

位置情報、地理情報に関するサービス、その他日常生活から思ったことを気ままに記す不定期のんびり日記

神奈川県若年者合同就職面接会に参加して

2011年02月16日 22時54分26秒 | ビジネスetc
 今日は、横浜駅のそごうの上にある新都市ホールで開催された、「神奈川県若年者合同就職面接会」に参加した。神奈川県の支援のおかげで、参加費用がかからないため、私の会社のような、人材採用に大きな費用を割けられない規模には大変ありがたいイベントである。

 私の会社も、実は営業も技術も慢性的に人材不足である。特に開発エンジニアは不足感が強い。会社のHPで、ずっと募集中である旨を記載しているのだが、残念ながらそれを見て応募してくれる人は年に数名いればよい方だ。ハローワークでの求人もまめに行っているが、業務経験にあふれた人材が応募してくれることは滅多にない。ジオ+Webなので、テーマ的にはとても面白いと思うのだが・・・

 ここ数年で、私の会社も人が育ち、組織的にも安定してきて、チームワークがうまくいくようになってきた。そのため、少数の先進的なエンジニアに頼り切りになることもなく、お客様の要求には概ね応えられるようになってきた。そのため、Webアプリケーションの開発経験があれば、会社に入ってから地理情報系Web(GeoWeb)のスキルを十分に身につけることができる体制ができている。

 さて、今日の面接会。有名企業は参加しておらず、大半が神奈川県内の中小企業だ。おそらく私の会社と同様、通常の採用ルートでは応募がなかなか来ないのだろう。そういう私の会社のブースにも、なんと18名もの応募があった。既卒者も応募可能であるが、職務経験が豊富な人の割合はとても低く、基本的には内定がまだ取れていない新卒者が大半だ。未だに内定が取れていないのだから、その人の能力や適正に明らかな問題があるのだろう、と思っている人もいるかもしれない。確かに、「ちょっとこの人は・・・」という人もいたのだが、本日面接した限りにおいては、大半が履歴面でも雰囲気も「普通の学生」だった。

 「普通の学生」に社会人並みの的確なコミュニケーション能力を求めても、まだ22歳そこらなのだから、本来無茶なところがある。昔だったら、少々うぶな学生でも社会人になって鍛えられて、次第に一人前になっていったはず。私だって当時を思い返してみても、まともに履歴書も書けず、なぜ社会人になるのかということすら考えていなかったが、それでもちゃんと就職できた。少なくとも企業にはそういう人を受け入れるゆとりがまだあって、日本経済を担っていたはずだ。ところが、今は社会人になる前に”社会人並み”のスキルを求める。学生時代に「こういうアルバイトをしていろいろ経験を積みました」だけではあまり評価の対象にならず、TOEIC700点とか、日商簿記2級とか「おっ、これは!」という資格を取るなどの優位性を持たないと、競争を突破できないなんて厳しすぎる。応募者の何人かに今まで何社くらい受けたのかを訪ねたが、数十社(中には百社以上も)だという。有名企業から・・という就活戦略ミスの人も多いだろうが、普通の学生が数十社受けてどこからも内定をもらえないのは、これは本人の問題ではなくて、まさに社会の問題で巨大な社会的損失である。

 と、大上段に斬りかかったとしても、正直なところ、まだ私の会社では「ずぶの素人」に入社してもらって育て上げていくゆとりはわずかしかない。18名全員を採用したら、従業員規模が簡単に倍になるが、彼らを「戦力」にまで育てることに大半のエネルギーを割かれて、たちまち業務停滞になってしまう。現実的には、少しでもスキルがある少数名を採用して育てていくことしかできない。ただ、今日の若者達を取り巻く厳しさに触れるにつけ、彼らがとにかく社会人への入り口を一日も早く見つけられるように、心から願わずにはいられなかった。