日々の覚書

MFCオーナーのブログ

続・荒野の用心棒

2016年02月27日 20時38分55秒 | 映画


昔、テレビで映画をよく見ていた時期があった、というのは何度も書いているので、ご存知の方もいらっしゃるかも(笑)。その頃、西部劇は好きだったけど、マカロニ・ウエスタンはあまり見てない、というのに今さらながら気がついた。ま、なんというか、ガキからすると、マカロニは暗いとかストーリーが分かりにくいとか、そういうのがあったのかもしれない。

これも耳タコだが(笑)、映画だけでなく、映画音楽にも熱中していた。いや、もしかすると、映画そのものより、音楽の方が好きだったかも。ま、あの頃(10代前半)からずっと映画音楽を聴き続けていた訳ではないのだが、ある時ふと懐かしく思い出し、あれが聴きたいこれが見たい、なんていう気になってCDを買ったりする事も、何年か周期で巡ってくるのだが、実はここ3~4ヶ月そういう状態である。前にも書いたけど(笑)

で、その懐かしの映画音楽、最近買ったのが『続・荒野の用心棒』である。CD買う前に、レンタルのDVD見た。去年の夏頃、ふと古い映画が見たくなり、レンタルでたまたま目についたのだ。ちゃんと見たのは初めてで、意外とマカロニ見てなかったなぁ、なんて気がついたのは前述した通り(笑)

この映画、マカロニの古典的名作として、今でも根強いファンがいるそうな。DVDの解説やらネットのレビューなどを見て知ったのだが、セルジオ・レオーネ監督の『荒野の用心棒』や『夕陽のガンマン』をマカロニの元祖とするなら、この『続・荒野の用心棒』は、マカロニの基本的スタイルを確立させた重要作なんだそうな。要するに、ダークな雰囲気、陰鬱なストーリー展開、派手なガンファイト、そして美しい音楽、というマカロニのパターンは『続・荒野の用心棒』で固まっており、この作品以降に作られたマカロニの諸作品は、多かれ少なかれ、そのパータンを踏襲した、つまりクローンみたいなものだという事だ。『続・荒野の用心棒』は昔から知ってたけど、そんな重要な作品とは、今の今まで全く知らなかった(苦笑)

フランコ・ネロ演じるガンマン、ジャンゴが棺桶を引きずって登場する導入部からして、異様な雰囲気を漂わせているが、ストーリーそのものは割と単純だ。ただ、全編血みどろのアクションと撃ち合い、略奪と裏切りとリンチの連続で、面白いと感じない人も多いだろうね。いくつか、やや間抜けなシーンもあって、笑えるとこもあったりなんかして(笑) 出演当時、主演のフランコ・ネロは22~3才だったらしいけど、今見るとなかなかのイケメンでカッコいい。後に、『ダイ・ハード2』に出た時も、なかなかの風格だったけどね。マカロニというと、ジュリアーノ・ジェンマのイメージが強いかもしれないが、フランコ・ネロも忘れちゃいけませんぜ(笑)

と、賛否が分かれると思われるマカロニだけど、音楽が魅力的である事は、誰しもが認めるのではなかろうか。平尾昌晃も『必殺』シリーズの音楽を引き受けた時、マカロニの音楽を参考にしたそうだし(確かに雰囲気バッチリ)。という訳で、聴きたいなと思ってた所に、サントラが再発されたので、すかさず買ったという次第。ランブリング・レコーズという、あまり馴染みのない会社だけど、DSDリマスタリングされた『続・荒野の用心棒』を含む35枚のサントラが一気に再発されたのだ。興味のある方はこちらをどうぞ。で、話を戻すと、この『続・荒野の用心棒』も、哀愁を帯びたメイン・テーマがたまらない。やや演歌にも通じる雰囲気もあり、公開当時日本でも主題歌がヒットした、というのも大いに納得。さすがカンツォーネの国イタリアってとこだが、『続・荒野の用心棒』の音楽を担当したのはルイス・エンリケス・バカロフという人で、アルゼンチン人らしい。ちょっと意外な感もありだが、その哀愁溢れるメイン・テーマの他、メキシコ人の一味が登場する場面の曲がマリアッチ風だったりなんかして、なかなか面白い。マリアッチ風の雰囲気というと『荒野の七人』のサントラを思い出してしまったりするが。このルイス・エンリケス・バカロフという人、『続・荒野の用心棒』以外にも映画音楽を多く手がけているようで、オリビア・ハッセー主演の『サマータイム・キラー』の音楽担当もこの人らしい。これは知らなかった。『サマータイム・キラー』のサントラも、今回の再発の中に入ってるので、いずれ買おうかな。

所で、知ってる人は多いと思うけど、『続・荒野の用心棒』は『荒野の用心棒』の続編ではなく、この2本はストーリーも何も全く関係がない。日本の配給会社が勝手に付けた邦題な訳だが、マカロニの邦題って、『○○の用心棒』『○○のガンマン』『○○の一匹狼』等々、似たようなタイトルが多いのだが、これ配給会社によって分かれていたそうで、東宝東和配給の作品には『○○の用心棒』という邦題が付いていたそうな。なんというか、いい時代だったな(爆)
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2 コメント

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Unknown (Kuma)
2016-03-01 23:09:20
いやいや、前にオーナーさんに僕の日記のコメントしていただいたこありますが、同じく映画音楽から音楽に入り込んだ人間としては、大変懐かしく、嬉しい覚え書きですね~。^^;
平尾昌晃先生の「必殺シリーズ」とウエスタン音楽の話も、激しく同意です。
いったい何人の人が、この覚え書きで「そう、そうだよね!」って喜ぶのかはわかりませんが、少なくとも僕は間違いなく、その1人です(笑)。

僕も、映画そのものより、サントラ盤(音楽)の方に興味がありました。
で、主題歌「さすらいのジャンゴ」、名曲ですよね!
これは、サントラ盤のレコードだと、イタリア語のカンツオーネバージョンなんですが、
映画の方は、英語バージョンで、歌手も違うんですよね。
これは、イタリアで上映されるバージョンと、他国では違うという事なのかな?
そこが今でもわかりません。

でも、英語バージョンの方も、テレビからラジカセで録音してさんざん聴きました。
(コード進行と共に、歌詞も耳コピしたりして・・)
結局、イタリアンもアメリカンも、どっちのバージョンも大好きでした。

余談ですが、「続・夕日のガンマン」の主題曲「Good,Bad And Ugly」は、後にメタリカのライブのオープニングSEに使われましたね。
自分は、代々木オリンピックのライブを観に行きましたが、
あれは、最高にバンドの雰囲気にマッチしてると思いました。
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同好の士 (MFCオーナー)
2016-03-01 23:33:10
♪kumaさん

>同じく映画音楽から音楽に入り込んだ人間としては
kumaさんが映画音楽好き、というのを知って、意外と同時に大変嬉しく思ったのを覚えています。やはり、そういう人もいらっしゃるんですよね。コミュニティ作りたい気分です(笑)

>いったい何人の人が、この覚え書きで「そう、そうだよね!」って喜ぶのかはわかりませんが
全くです。実は、コメントゼロでも仕方ないな、と思ってました(笑)

>これは、サントラ盤のレコードだと、イタリア語のカンツオーネバージョンなんですが、
>映画の方は、英語バージョンで、歌手も違うんですよね
今回買った再発盤には、イタリア語版と英語版の両方が収録されています。日本では、公開前にイタリア語版がヒットしたので、映画もイタリア語版に差し替えて上映したらしいです。

>「続・夕日のガンマン」の主題曲「Good,Bad And Ugly」は、後にメタリカのライブのオープニングSEに使われましたね。
あ、それは知りませんでした。なんとなく、その時の会場の雰囲気が想像出来ます。体験したかった気も(笑)
で、『続・夕陽のガンマン』で思い出しました。先日のアカデミー賞で、エンニオ・モリコーネがついにオスカー獲りましたね。喜ばしいことです。『続・荒野の用心棒』のルイス・エンリケス・バカロフは、モリコーネより先にオスカー獲ってるそうですけど。
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