日々の覚書

MFCオーナーのブログ

よこエフ

2005年04月05日 23時01分16秒 | 音楽ネタ
ジャスミンさんが、今度は懐かしのラジオ番組について喋っていたので便乗する(爆)

来る日も来る日も、親に叱られながらFMを聴きまくっていた10代の頃、僕にとって忘れられない、そして現在に至るまで影響を及ぼしている番組が3つあった。FM東京の「ポップスベスト10」、NHK-FMの「渋谷陽一のヤングジョッキー」そして「よこエフ」である。

ほとんどの人が「よこエフ」には馴染みがないだろう(8823@横浜さんは、さすが同郷ということでご存知だった^^)。NHK横浜放送局が制作していた、要するにローカル番組である。「横浜FMリクエストアワー」というのが正式名称ではなかったか。毎週土曜日の午後3時10分から6時まで放送されていた(後に放送時間が短縮されたような記憶がある)。スタジオに客を入れての公開生放送で、洋楽を中心にリスナーからのリクエストをかける番組であった。

僕が聴き始めたのは中学一年の冬、つまり1976年初頭あたりからなのだが、この当時司会進行を務めていたのがゴンベエだった。れっきとしたNHKのアナウンサーで、世間に胸張れる名前があったはずなのだが、自他共にゴンベエと呼んでいたので、いつの間にかそれが通り名となっていた。このゴンベエによるユニークな企画が、「よこエフ」の生命線であり、人気の源であったのだ。

ゴンベエは相当にヘンな人で、違う曲を自らミキシングして一曲にし、それをかけては喜んでいた。僕が覚えているのでは「胸いっぱいの移民の歌(ツェッペリンの「胸いっぱいの愛を」+「移民の歌」)」、「紫の女(パープルの「紫の炎」+「嵐の女」)」といったところ。ロックを聴き始めたばかりの僕にとっては、原曲もろくに知らず、ひたすら訳分かんないだけだったが(笑)、それでも面白かった。未聴だけど、「狂気のデトロイト・ロック・シティ」というのもあったらしい。

スタジオの客を巻き込んだリクエスト企画で覚えているのは、「走れ走れ大リクエスト」というヤツ。スタジオの客が自分のかけたい曲を制限時間内にレコードルームで探し出して会場の人たちにプレゼンし、一番拍手が多かった人の曲をかけて貰える、というもの。聞いてるだけでも楽しい企画だった。

ゲスト(一応プロ)を呼んでのスタジオライブも好評だった。スタジオが狭いせいなのか、ロックバンドより弾き語りの人の方が多かった記憶がある。ブレイク前の谷村新司や庄野真代が出た事もあったし、デビュー直後のシュガーが登場して「ウェディング・ベル」を含む数曲を披露した事もあった。まさか、あんなにヒットするとは...そういや、スクエアが出た事もあったなぁ。かける曲は洋楽がほとんどだったけど、ゲストはほとんど日本人だった(当たり前だ)。

この当時、リクエストが多かったのは、パープル、ツェッペリン、イエス、で御三家なんて呼ばれて、ついには御三家コーナーが作られるまでになった。これら3バンドの曲が毎週かかる訳で、さすが同じ曲ばかりという事はなく、色々な曲が聴けた。僕がこの3バンドの曲を割によく知っているのは、この番組のせいである(笑) これ以外にも色々なアーティストの曲がかかり、ロック初心者だった僕には非常に勉強になったと言っていい。正にラジオ大学(爆) ただ、どうしてもよくかかる(つまりリクエストの多い)アーティストとあまりかからない(つまりリクエストの少ない)アーティストには開きがあり、この番組でかからないので聴く機会に恵まれなかったアーティストも多かった。ブラック・サバス、ジェネシスなんかそうだったな。今考えてみると、やはりメジャー系が多かったようだ。フランク・ザッパがかかった記憶なんて、全くない(笑)

僕だけでなく、周囲の友人たちもほとんどこの番組を聴いており、「よこエフ」を聴いてるうちにイエスやパープルのファンになったという人も多い。リクエストさえあれば、新旧問わずかけたから、後追いも楽だった。前にも書いたけど、あの頃はLPなんておいそれと買えなかったから、この番組で一所懸命エアチェックして聴いたものだ。必ず完奏してくれるのも嬉しかったな。但し、人気のあるイエスでも「危機」「儀式」といった曲は長すぎるという理由で、仲々かけて貰えなくてファンからブーイングが出た事もあった。それである時、「10分以上の曲限定リクエスト」をやってた事もあったっけ(笑)

あの頃「よこエフ」を聴いていたおかげで、情報量はかなりのものだったと思う。LPも買えず、レンタルもなかった時代、FMのこういった番組だけが頼りだったのだ。この番組で好きになり、ついに小遣い貯めてLPを買うに至ったアーティストも結構ある。ほんと、ありがたい番組だった。“華麗なるリクエスト野郎”なんてペンネームを使って、せっせとリクエストハガキを書いたのも良い思い出だ(笑)

「よこエフ」を聴き始めて半年ほどしてから、名物DJのゴンベエが転勤でいなくなってしまったが、リクエスト中心の構成は相変わらずで、美人の女子大生のお姉さんがDJやって人気だった時もあり(見た事はなかったけど)、大学に入るまで聴き続けた。「よこエフ」と過ごした10代の日々、それもやっぱり青春だったのだろう。

コメント (8)
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