もう遥か前になってしまいましたが、秋といえば観艦式とフリートウィーク。
今年の観艦式は公募もなかったのですが、何もなしも寂しい。
そんなわけで、最も行きやすく、いろいろ見られる呉基地に出掛けてみます。
10月22日は3隻が公開予定、かつ前日にカナダ海軍のフリゲートが入港した
こともあり、結構楽しめそうな予感。今思えば、観艦式の年は大抵呉に船を
見に行っています。
受付に間に合うよう、夜半に家を出ましたが、開門時の列は50名弱。
思いの外、長閑です。記帳・検温を済ませて、まずは目の前の岸壁に向かい
ます。
まずは掃海母艦ぶんご。今回は艦内非公開です。向こうには
護衛艦さざなみがいますが、ほぼ見えず。まあ仕方がない。(この写真は
外から撮影)
先端まで行って良いというので、そのまま前進します。
おお、いたいた。
カナダ海軍ウィニペグ(ハリファックス級フリゲート)
写真ではちょっとわかりにくいが、護衛艦とはちょっとニュアンスの違う
グレー塗装がかっこいい。
艦のエンブレムはバッファロー。艦名のプレートがピカピカに磨かれている。
艦尾にはヘリ格納庫を装備。全体的に背が低く、護衛艦を見慣れた目からす
ると、いろいろと気がつくところが多い。
向かい側には同じくバンクーバー(ハリファックス級フリゲート)。
両艦とも補給作業中ではあったが、手すきの乗員はなかなかフレンドリー
で、手を振ってくれたりした。いつもながら、ちゃんと英語が話せれば
なあ…と思う瞬間ですね。
体験航海に出港する掃海艦えたじま。昨年就役した新鋭艦です。
船体がFRPというのがポイント。確かにイマドキ木製というわけにはいき
ませんわな。
そして個人的真打ち登場
練習艦しまかぜ
ぜかましさん、イージス艦の増備に伴い練習艦なのね。
時の流れを感じますが、当方イチオシの5インチ砲搭載艦が残っていると
いうだけでも嬉しかったりします。
まずは後部の52番砲。ちなみに練習艦改装時に機能を失ったそうで、残念
ながら撃てません。
訓練用?に残してあるそうです。
おなじみの3連装短魚雷発射管。撃てるのかどうか聞き忘れました。
可動部を見るに、回すことはできそうです。
8連装アスロック発射機Mk112。これもVLS全盛の今、見る機会が減りまし
たね。
艦橋下から再装填できるようになっています。
そうなんだから仕方がないのだが、練習艦なのかあ…
前部51番砲は健在です。73式54口径5インチ単装速射砲といえば、個人的に
は観艦式の空砲が目に焼き付いています。平成27年度の担当艦はこのしま
かぜでした。今年度の観艦式に馳せ参じたのはそれでかな?と思ったので
すが、実際撃ったのでしょうか。LIVE映像には多分なかったですね。
はたかぜクラスと言えば、やはりスタンダード単装発射機Mk13 も見逃せ
ない。ご覧のように、いつも公開時にぶら下がっていた模擬弾は無し。
残念ながら、改装時に機能を失ったそうです。誘導用のイルミネーター
は艦橋上に残っているのですが…残念。
*詳しい方から「有事の際のために機能も残しているはずだ」とのご指
摘を受けました。なるほどごく最近まで現役のDDGだったのですから、
イザとなれば復帰できる状態にしておくというのは一理あります。
ただ、少なくともMk13に関しては最近旋回した様子は全く無く、ミサイ
ルランチャーの部品の劣化も進んでいましたので、SM-2を積んだら即
応体制に、とはならないと思います。おそらく、現状は機能を失ってい
るので撃てない、ということなのでしょう。
これまたはたかぜクラスのチャームポイント、ごっついブルワーク。
たちかぜクラスとイージス艦に挟まれ、ミサイル護衛艦として甚だ中途半端
な存在になってしまった薄幸の姉妹ではありましたが、その分他の護衛艦に
ない独特の雰囲気を持っており、私は好きなんですよね。まあ、5インチ砲
2基搭載というのが一番なんだけれど(そういう意味では、はるなやしらね
クラスも好き)。
さて、ツラツラと伝聞調で書いてきましたが、艦首で説明担当だった方と
かなりお話の時間を頂いてしまいました。そんなつもりはなかったので
ことをお話したところ、そこから話が盛り上がってしまい…。あの時、私は
訓練支援艦くろべに乗せてもらっていましたが、同じ横浜新港を出港した潜
水艦救難艦ちはやに乗艦されていたのだそうです。くろべへの招待客誘導も
されたそうで、お会いしていた可能性が高そうです。
艦はこの後、観艦式に向かうとのこと。訓練航海から戻って日がなく、再塗
装が仕上がっていないそうで、晴れ舞台にはもう少しお色直しをしてから出
掛けたい、と笑っておられました。
この日の公開は驚くほど人が少なく、温かい陽もさして本当に長閑だった
ので、そんなお話も出来たのでありました。
あら、全然終わらないぞ。