イワシの翻訳LOVE

はしくれトランスレータ「イワシ」が、翻訳への愛をつれづれなるままに記します。

西荻窪の彷徨える蒸気機関車

2008年02月19日 22時41分50秒 | Weblog
模型屋の女主人に見つめられ汽車汽車シュポシュポシュポシュポシュポポ

(解説)西荻窪で中央線が止まった。八王子の方で問題が発生しているらしい。まっすぐ家に帰るつもりだったけど、このままずっと待っているのも何だなと思って、ちょっと西荻ることにした。といっても、僕には行く場所は古本屋しかない。音羽館を目指したけど、今日は休みだった。がっくりきて、あてどなく古本屋を探して彷徨っていたら、これまで行ったことがなかった東の方に、ディープな店があった。古本はかろうじて、刺身のツマのようにして売っている。だからその店が目に留まったのだが、そこは模型屋さんだった。ただの模型屋ではない、店中いたるところに模型が展示されていて、なんというか気合がすごいのだ。看板には「模型センター」と書いてある。そこに、なぜか古本のスペースがある。模型には興味がないが、せっかくなので百円の文庫本ばかり少々選んで購入する。本のセレクトもとても昭和な感じがする(セレクトしているのかどうかは不明)。五木寛之、有吉佐和子、佐野洋、などなど。洋書もいっぱいあったけど、ほとんどが戦争物というか、軍関係というか、そういうジャンルのものだったので、手は出さず。

店の人は、凛とした年配の人で、とても眼が綺麗なのが印象的だった。一見して、この人は出来る人だ、人間力の高い人だ、ということがわかった。僕が本を持っていった瞬間に、受付の電話が鳴ったので、その主人(と僕が勝手に思っているだけ)は僕にとても申し訳なさそうにしながらしばらくその電話に応対した。その間、店内をいろいろと見て回っていたのだけど、いたるところにあるプラモデルに圧倒された。尋常じゃない磁場のようなものを感じた。模型からも、お店の人からも。どこからともなく、シュッポシュッポと蒸気が沸いてくるようだ。凄い店だ。その女性はとてもにこやかで素晴らしい人だった。面白いところでしょ、年中無休なのでぜひまた遊びに来てね、と言われた。今の子供は、模型なんてあんまり作らないだろうから(ちなみに僕は昔子供がプラモデルばっかり作っていた時代に子供だったけど、プラモデルはあまり得意ではない)。時代の流れからしたら、そんなに勢いのある商売ではないのかもしれない。だけど、気丈に店を構えているその心意気に胸を打たれるものがあった。そうだ、僕もがんばらなきゃ。ホントに、がんばらなきゃいけないんだ。

西荻の「模型センター」ギザ凄い

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『黒い雨』井伏鱒二
『にぎやかな未来』筒井康隆
『開幕ベルは華やかに』有吉佐和子
『奇しくも同じ日に…』佐野洋
『裏切られたベトナム革命』友田錫
『脱走者の勲章』ロン・マーティン著/佐宗鈴夫訳



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2 コメント

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こんばんは (清ん)
2008-02-19 23:23:55
iwashiさんみたいに好きな事に全身全霊で取り組める方って羨ましいです。
翻訳とか、お酒を飲むときも記憶を失うくらいに泥酔ってなかなかできませんから。
私はなんでも中途半端なので、iwashiさんみたいに真っ直ぐ全力投球いいなと思います。

奥さんは心配されなかったんですか?
もし私が嫁だったら、帰宅後傷が倍に増えていたかもしれません
冗談です。
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Unknown (iwashi)
2008-02-20 11:08:23
全身全霊で泥酔......。う~ん、喜んでいいのか悲しんでいいのか(^^;
清んさんは、中途半端ではなく加減を知っておられるのだと思いますよ。

嫁は意外とやさしかったです。そのやさしさがやけに怖かったです。
きっと、あまりにも哀れな存在に見えたのでしょう。
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