【動画】シロイルカ赤ちゃん誕生 アクアス 男の子を高齢出産 山陰

浜田、江津両市にまたがるしまね海洋館アクアスで２４日、雌のシロイルカ「アンナ」（推定２６～２８歳）が雄１頭を出産した。アンナの出産は、２００９年以来２度目。高齢出産を乗り越えて母子ともに健康は良好という。同館のシロイルカは７頭となり、飼育している国内４カ所の水族館で鴨川シーワールド（千葉県）と並ぶ最多タイとなった。

アンナは雄のランゲルとの交尾後、２３年１０月に妊娠が確認された。今月２１日朝に体温が大きく低下するなど出産兆候が見られた。スタッフが２４時間態勢で観察する中、２３日夜に破水、子どもの尾びれが見え、２４日午前１時３３分に出産した。

　生まれた子どもは体長１５５センチ、体重５５キロ（いずれも推計）。赤ちゃんは生まれた後すぐにプールの壁に当たりそうになったが、１時間ほどで、スタッフの補助がなくとも泳げるようになった。

　アンナの１５年前の初産の際には、生育に必要な授乳をうまくできず、子どもは生まれて１０日後に死んだ。

　アクアスでは以後、子どもの口に見立てた突起物付きの棒を母親の乳首に当てて泳がせる授乳トレーニングを導入した。授乳はまだ確認されていないが、アンナの乳首に近づいて一緒に泳ぐ時間が長く、もうじきできるとみている。

　名前と公開時期は今後検討する。湊直樹館長は「昨年にケーリャ（雄）が死んで悲しみに包まれた中、生まれてきて安堵（あんど）した」と話した。　　

　アクアスでは、アーリャ（推定２５～２７歳）も３度目の妊娠中。出産は７～９月の予定となっている。（宮廻裕樹）