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アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日(6月6日)は、会社はお休みですが、家で原稿書きに没頭していました。
キノブックス から7月末までには出す予定の『親と子のアドラー心理学』(仮題)の第4章を書き終え、第5章(最終章)の半分以上を書きました。
我ながらこの集中ぶりには満足です。
ただ、本来は3月末発売予定が、ある事情で大幅に遅れてしまったのです。

さて、だいぶ間が空いてしまいましたが、『毒になる親』読み解きシリーズの第7回目です。
第5章の「残酷な言葉で傷つける親」について。

以前の6回までは、次のとおりです。

5月19日 『毒になる親』を読み解く(1)
5月20日 『毒になる親』を読み解く(2)
5月22日 『毒になる親』を読み解く(3):余話 ― 帝大でなければ
5月24日 『毒になる親』を読み解く(4):義務を果たさない親
5月25日 『毒になる親』を読み解く(5):コントロールばかりする親 
5月28日 『毒になる親』を読み解く(6):アルコール中毒の親


著者のスーザン・フォワードは、子どもの「身体的特徴」「知能」「能力」「人間的価値」などについて、日常的かつ執拗に攻撃を加える虐待ばかりか、侮辱的なののしり、はずかしめ、バカにした言葉などは、子どもの心を著しく傷つけ、将来の心の発育に劇的な悪影響を及ぼす、と第5章を書き始めます。

ただ、悪意のあるひどい言葉や汚い言葉でののしるタイプだけでなく、一見悪く言っているようには聞こえない「からかい」「嫌味」「屈辱的なあだ名」「はっきりとわからない微妙なあざけりやけなし」などの、しばしばユーモアという外見を取りつくろった、より陰湿な方法で執拗にいじめるタイプについて、子どもはジョークと本当のことを区別することができないし、脅しとからかいの違いもわからず、すべて額面通りに受け取り、自分の中で「内面化」してしまうことを警告しています。

「内面化」というのは、人間の脳が人から言われた言葉をそのまま受け入れ、それをそっくり無意識の中に埋め込んでしまうことに起因し、人から言われた「お前は〇〇だ」という言葉が、自分の内部で「私は〇〇だ」という自分の言葉に変換されることを言います。

このことは、アドラー心理学の立場からすると、ライフスタイルの「自己概念」の形成と大きく関わりがあります。

「お前は失敗ばかりしている」と言われ続けていると、いつしか「自分は失敗ばかりしている」と内面化するし、「お前はダメな奴だ」と言われるのが度重なると、「自分はダメな奴だ」に変換します。

影響するのは、「自己概念」だけではありません。
私の知っている人で、母親から「男は汚い/不潔だ」と教え続けられて、これは内面化とは違って、そのまま「世界像」に「男は汚い/不潔だ」という男性像として植えつけられてしまった人を知っています。

『毒になる親』の第5章を読むと、呪縛となる親の言葉の影響力を知って恐ろしくなります。

<お目休めコーナー> 6月の花(7) 

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