おはようございます。ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
「意見の効果的な伝え方 ― フィードバックの仕方」 に話を戻します。
今回は、その第3回目(最終回)です。
相手を傷つけない、効果的な意見の伝え方は、次の3条件を満たすものです。
1.ポジティブなことも言う
2.決めつけた表現を用いない
3.人格を否定しない
特に相手に注意を与えたいような場面で、感情的になると、上の3条件とまったく逆になりがちです。
しかし、意見を効果的に伝えるならば、
相手の望ましい部分も認めながらも、望ましくない部分を指摘しつつ、
「いつも」「しょっちゅう」などの断定的・誇張的な表現を避けて、
改めてほしい相手の具体的な行為にのみ限定して、人格を否定しない
ことです。
このことに関しては、『勇気づけのリーダーシップ心理学』や『アドラー心理学によるカウンセリング・マインドの育て方』(コスモス・ライブラリー、1,600円+税)で「注意の与え方」として書いていますので、ご参照ください。
ここで、親子間のケースを考えてみましょう。
10歳の息子が両親の留守中に新聞の集金に来たときに、家計のお金から払って、領収書をもらいながらもお釣りの300円を自分の貯金箱に入れてしまったことがわかったとします。
そのことを知った母親ならこんなふうに言うことができます。
「お母さんの留守中に新聞の集金が来たとき、お金を払ってくれてありがとう。助かったわ。ただ、お釣りのはずの300円をあなたの貯金箱に入れてしまったのには困ったな。とっさのことでそうしてしまったかもしれないけれど、家計簿の計算が合わなくなるの。返してもらえないかな?」
効果的な意見の伝え方は、お互いの根底に尊敬や信頼があることもが欠かせないようですね。
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