アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

カウンセリングのケースです(どこの誰かかわからないように、複数のケースを組み合わせています)。

15人の部下を持つ営業所長は、年に2回制度的に行う面接の際、半年間の至らなかったこと、問題点について厳しく伝える、いわゆる「気合いを入れる」やり方をずっと続けていました。

しかし、部下のモチベーションがずっと低空飛行のような状態だと言うのです。

このやり方は、昨日の相手を傷つける意見の伝え方の3条件を満たしています。

1.ネガティブなことしか言わない

2.決めつける表現を用いる

3.人格を否定する

 その営業所長は、アドバイスを求めて来たので、私は、『勇気づけのリーダーシップ心理学』の66ページを開いて、次の箇所を読んでもらいました。

勇気づけのリーダーシップ心理学
岩井 俊憲
学事出版

******以下引用*******

フィードバックに関する2つの提案です。

第1は、「自己フィードバック」をまず使いましょう、ということ、第2は、「サンドイッチ式フィードバック」をしましょう、ということです。

「自己フィードバック」は、他者からフィードバックをする前にまず自分で自分のフィードバックをしてもらうことです。このことを先にやると、他者からフィードバックされて傷つく可能性が低くなります。一種の免疫力、言い換えれば心の準備を持つことで、人の話を謙虚に受け入れることができます。

「サンドイッチ式フィードバック」は、ポジティブ→ネガティブ→ポジティブの手順によるフィードバックの仕方です。例えば、先ほどのA先生に対しては、次のように言うことができます。

「A先生は、生徒の信頼をしっかりと得ておられます。ご自身でもお気づきのように質疑応答の仕方、問題行動への対応法には改善点が残されていますが、向上心がきわめて強いのが大きな持ち味です。A先生に期待しています」

******引用終わり*******

その上で私は、営業所長の上司役を演じて、今までその営業所長がやっていたフィードバックに続いて、「自己フィードバック」と「サンドイッチ式フィードバック」を織り交ぜたロールプレイをやってみました。

すると、明らかに前者は勇気くじき、後者は勇気づけのの印象を与えたようです。

この営業所長が偉いのは、すぐ実行したことです。効果覿面(こうかてきめん)。

「部下が自発的にたくさん話してくれるのに驚きました。以来、職場の雰囲気が明るくなっています」

とわざわざ私にお礼のお電話をくださいました。


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