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今日は。
今日もまた、いつもとは違う時間帯に記事を掲載します。

ちなみに、本日は、夕方の飛行機で高松に向かい、明日1日、四国生産性本部主催の公開セミナー「メンタルタフネス強化セミナー―ストレスに打ち勝つ感情のコントロール術」 を行ってきます。



さて、今回も『逆境は成功のもと』(幾島幸子訳、日経BP社)からちょっといい話(第44話「仕返し」)。

まだベルリンの壁が存在していた頃のこと。ある日、何人かの東ベルリン市民が、当時反目しあっていた西ベルリン市民にちょっとした“贈り物”をすることにした。ダンプトラックにごみやレンガ屑、石ころ、廃材、その他ありとあらゆるがらくたを積み込むと、壁の向こう側に運んでいって荷を下ろしたのだ。

当然、西ベルリン市民は激怒して、“仕返し” をすることにした。このとき幸いそこにいあわせた1人の賢い人が怒る人びとの間に割って入り、正反対の提案をした。

その結果市民たちは、ダンプトラックに食料(東ベルリンでは不足していた)、衣類(これもまた不足)、医薬品(これはもっと不足)、その他の生活必需品を山のように積み、境界を越えて東ベルリン側に入ると、注意深くすべての積み荷を下ろした。

そしてこうメッセージを残した―「それぞれができる範囲で与え合うことです」

西ベルリン市民は教育者で黒人の指導者でもあったブッカー・T・ワシントンの、「私に憎しみを抱かせることで私の心を狭くし、魂を堕落させる人間を、私は許さない」という信条を文字通り行動に移したのだ。

(途中略)

東ベルリン市民が必要な品々を贈られたとき、感謝の念と同時にどんな気持ちを味わったかを考えると、思わずにやりとしてしまう。自分たちのとった態度にいくぶんばつの悪い思いをしたのはまちがいない。

ジグラーは、この話を次の言葉で結んでいます。

人をやり込めたいときは親切で。悪に対して同種のお返しをするなかれ。心を大きく持つことだ。

さらにジグラーは、この44話の最後に次の言葉を残しています。

人に与えてもなくならないもの、
それはあなたの言葉、笑顔、感謝の気持ちである。



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