今年の山一番は郭巨山、中国24孝の一人を題材としたものである。
祇園祭では、四条通に以前四つの山鉾があった。
東から順に長刀鉾、函谷鉾、月鉾、郭巨山であった。
これら四つに加え、元治の火災で焼失以来再建されなかった四条傘鉾が、1987年に117年ぶりに郭巨山の西側に再建され、今では全部で5つの山鉾が建つ。
現在の郭巨山町は、以前革棚町といっていたから、当時は革製品を扱う御店が多かった地域なのであろう。
祇園祭の山鉾は、能、謡曲、日本神話、歴史・伝説、そして中国伝説による題材が多いが、郭巨山は先に書いた通り、中国伝説を題材としたものである。
もともとは、「みち作山」といわれていたようであるが、「みち作」とは、道を作った行基のことか、ご神体の鍬をもつ姿をなぞらえたかはっきりしていないようである。