学習障害と英語指導を考える

特別支援の視点から。
どの子もハッピーになるような指導を。

Mくん

2014年02月19日 | 学習障害について

昨日ひさしぶりにMくんパパから近況をお知らせ頂いて

嬉しかったのでシェアさせて頂きます。

 

もう約一年ほど前になるのでしょうか。

小学生1年生になったばかりのMくんが、

お父さんにつれられて、チャレンジ教室に見学に来ました。

 

お父さんが心配されていたのは、

一年生になってもひらがなやカタカナの文字がちゃんと書けない、

ということでした。

もしかして見え方に問題があるのではないですか、ということで

オプトメトリストさんの診察などもお勧めしました。

お父さんご自身が教育者でもあり、

家庭で何をどう取り組めば良いかについて、

アドバイスをさせて頂きました。

 

Mくんはほんっとう~~~に可愛らしい子で、

「僕のお父さんは、すごいんだ。何でも知ってるんだ!」

と自慢そうに言ってくれて、

お父さんがゲームで正解すると、鼻高々。

生徒が文字を書く場面もあったのですが

そのときは、やはり左から右に文字を写すのも大変そうでしたが

ちっともそれを恥ずかしいとか苦にする様子も見られず、

正解すると、

「Mくん(自分のこと)は天才だもん!」と可愛いすました顔で答えてくれる、

本当に純粋に、学ぶことが好きな子でした。

そのときに、

「漢字の学習がしんどくなる前に、なんとかできないかな・・・」と

胸が一瞬痛くなったことを覚えています。

 

そのときの簡単な模写テストがあります(上)。

左側が、先生の書いたお手本です。

右側が、それを見て真似をしたMくんの模写です。

一番上の、線のところ、直線と曲線があるのですが、

幅もそうですが、数や、角度といったところが

かなり難しく、曲線も難しいようですね。

 

また、大きな円の真ん中にたてに直線が走っています。

これをまっすぐ引くことができていませんね。

なんどか手を加えた跡があります。

正方形の中に2つの正方形が入れ子になっている図では、

真ん中の一番小さい正方形が捉えられていません。

形も、バランスが悪いものがありますね。

 

このように、見た図を見えたとおりに再生できる力が育っていなければ、

漢字やひらがなを”正しく”書くのはどれほど大変か、

書かなくてもわかりますね。

 

Mくんは、受け答えはとてもはっきりしており、

語彙も豊富で、頭の回転が早い印象がありました。

ですのでレッスンの後は、ビジョントレーニングをおすすめしました。

その時に進めた教材が、

ノックノックシリーズです。

http://www.springs-h.jp/knock/products/list.php?category_id=7

 

見え方といっても、

目と手の協応、視線のジャンプ運動、空間の認知など、

いくつもの力をそれぞれ段階的に伸ばすことができ、

楽しくて効率もいいトレーニングだと思っています。

(チャレンジ教室の生徒も一年目はこれにお世話になりました)

このほかにも、ビジョントレーニング体操だとか、

ゲーム的なものもいろいろありますが・・・

 

 

そして、昨日頂いたメールを承諾を得てご紹介させて頂きます。

====================

ご無沙汰してます。

先生の早期発見の記事を拝見して、

Mの今の感じをご報告しようと思いました。

ひらがなとカタカナの読み書きは良くできるようになりました。

ことばの教室の先生もビックリしてました。

運動にも積極的になって、

今はスノボが大好きでビュンビュン滑っていきます。

読みの流暢さが課題ですが、ゆっくりとりくもうと思います。

2年生になってもことばの教室と目の学校は続けて行こうと思います。

本当にトレーニングをはじめて良かったです。

ありがとうございます。

=================

 

わたしはお礼を言われるようなことは何もしてません。

この一年間、一番がんばったのは、

このお父さんです。

お父さんを信じて、一緒にがんばった、Mくんです。

 

写真も送って下さいました。

=================

形の構成は大分できるようになりました。

パラシュート(左)が1年前で恐竜(右)が最近です。

 

=================

ノックノックはほぼ毎日、目を動かす運動にも取り組んで居られます。

積み重ねの力はすごい! と思いました。

 

チャレンジ教室でも、ほぼ全員が目の動きに問題がありましたが、

ビジョントレーニングに取り組むことで、

数ヶ月で変化を見ることはできました。

 

スタート地点から個人差は大きいのですが、

 

何もしなければ何も変わらない。

 

子どもが自然に弱さを克服することもあるのかもしれませんが、

意識して働きかけることで、

もともと持っている弱さをどれほど軽減できるか、

それは一緒に伴走してくれる大人の存在があるかないかが大きいです。

 

 

きっと特別支援の先生方はみなさん、

アドバイスをすることは簡単だけれども、

続けること、積み重ねることの大変さをよくご存じだと思います。

 

トレーニングを続けてこられたお父さんの大きな愛情に、

とても胸が打たれました。

 

私自身も、仕事をしながら子どもに毎日向き合うことが

簡単なことでは決してないと、知っているので・・・。

 

Mくんのこれからの成長に、期待しています。

 

ほんとうに、嬉しかったです。

 

 

 

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿