(きょうだいに/ おくれてひとり/ じゅうさんや)
陰暦9月13日(十三夜)の月を「後の月」という。「豆名月」、「栗名月」、「名残の月」、「女名月」、「姥月」ともいう。
今年の十三夜は、明日10月9日である。一月遅れの名月を、十五日ではなく、何故13日に祝うのか、理由は分らない。
さて、兄弟の集まる十三夜の月見の宴に、ある事情で作者一人が遅れてしまった。急がなくっちゃ、という意味にも取れるが、どうやらそうではないようだ。
この句に併記して「九十才吾に驚く十三夜」という句があるから、「遅れて」は、どうやら「あの世へ行き遅れて」という意味らしい。
つまり、兄弟が皆あの世へ逝ってしまって、私一人残されて十三夜の月を眺めている、ということらしい。
長生きは、素晴らしいことではあるが、なかなか、辛いことや淋しいもあるようである。しかし、「長生きは命の芸術」という言葉もある。ですから長生きして、金さん銀さんのように、私達に元気を与えて下さいませませ。
エゾリンドウ(蝦夷竜胆)