一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

685  苧殻焚く一刷毛の雲流れゆく  洋子

2012年08月26日 | 

(おがらたく ひとはけのくも ながれゆく)

 苧殻は、皮をはいだ麻の茎。盂蘭盆会(うらぼんえ)の門火(かどび)を焚くときに用いられる。麻殻とも言う。

 この句の、苧殻を焚いているのは、たぶん送り火である。下五が「雲流れ来る」なら迎え火、「雲流れゆく」なら送り火、とするのが自然な解釈だろう。 

 つまりこの句の「苧殻焚く」は、お盆の全ての行事が終わり、先祖や身内の御霊をお送りする最後の行事の送り火をしているのだ。

先祖や親しかった身内の御霊が、一刷毛の雲となって帰ってゆくのであり、それを安堵して見送っているのだ。

ダイコンソウ(大根草)  バラ科ダイコンソウ属

 

 


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2 コメント

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送り火 (ああだ)
2012-08-26 18:32:48
なるほど、なかなか品格のある句ですね。今の日本人が失った世界です。

私も送り火なんかできません。マンション住まいですから。
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貴重な存在 (issyo k)
2012-08-27 06:55:43
ああだ さま

そうですか。

現在の一般家庭で迎え火、送り火を焚く人たちがどのくらいいるのか?1%もなさそうですね。

確かにこの句、そういう意味でも貴重な存在ですね。

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