(のどごしのしみずにかみのやどりたる)
喉を通ってゆく清水に神の存在を感じたという。
百五十億年前、この世に宇宙が生まれ、銀河系・太陽・地球が生まれ、酸素・水が生まれ、微生物・魚・爬虫類・哺乳類が生まれ、現代の人間へと進化してきた。その延長線上に一度の途切れもなく、私たちが今存在している。それは正に奇跡である。
日本には、「八百万(やおろず)の神」という言葉があるが、自然界のあらゆるものに神の存在を感じて日本人は生きてきたのであり、「八百万の神」の存在を内包するのが俳句であるともいえる。
野辺に咲く花に、日差しや風に、見えるもの、聞こえるものなど、自然界の全てに奇跡を感じ、神の存在を感じるのは、日本人として当然のことだ。まして、暑さに疲れた体に染み透る山の清水ともなれば。
ヤブカンゾウ(藪萓草)
偶然にも、私も今日清水の句を作りました。お目を汚します。
少年の蹴立てて白き清水かな
年寄の遥かなる回想です。
若かりし頃の回想の句ですか。
少年のわんぱく振りが目に浮かびます。